なぜ無視するのだ。震災時、内地人と朝鮮人が助け合ったというこを。
鮮人の奇特な行為
鮮人の中には涙をもって称賛すべき奇特な行為をしたものも少なくない。
本所〇町に住んでいる一老婆があった地震と同時に彼女の家は一面の猛火に包まれてしまった。一家は危急の際とて四方に離散してしまったが何しろ彼女は六十二歳といふ老体なので、逃げるにも逃げられるしているとところへ、一人の鮮人が通りかかって、彼女を助け起し、数日間彼女をいたはっていたが、鮮人自身の身が危険を感じて来たので、彼女を芝の親戚の家へ送り届けていづくとなく立ち去って行った。危いところで、一命を助かることを得た老婆は、親切なるかの鮮人の厚意に感激して深く感謝しているといふことである。
また東京在住の鮮人団体相愛会では、日本人の誤解を解くためと、この際を期して人心融和、日鮮親善の質を挙げるべく、朴春琴、李起東両氏の指揮で、三百名の鮮人が市内の焼跡の取片付を、無償で各方面の入りに応じて行っているということである。
「主婦之友・東京大震大火画報」大正12年10月
こういう美談はむしろ、震災直後のほうがしっかり報じられている。まるで朝鮮人と見ると見境なく殺していていかのような記述は問題だ。
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