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目からビーム!78 イージー・ライダーとアンティファ

 自民党の高市早苗議員と有志が「国旗損壊罪」を新設する旨の法案を提出した。今までそんな法律がなかったことが驚きであり、一方、そんなことをいちいち法律で規制しなければならないのかと情けなくなってもくるから複雑だ。
 自国のものであれ、他国のものであれ、国旗に対する尊崇の念を各個人が自然にもてば、そんな法律は不要なはず。僕は、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国を、日本に仇なす国だと思って警戒しているが、だからといって彼らの国旗を焼いたり踏みつけたりしたいと思ったことは一度もない。そんなことは、憎い相手の墓を暴いて遺体を辱める行為と同じだし、そもそもは中国や朝鮮の文化だ。日本人は彼らと同じになってはいけない。
 1960年代後半から70年代前半にかけて、アメリカの映画界には反ハリウッドを謳うアメリカン・ニューシネマの旋風が吹いていた。ベトナム戦争の泥沼化、政治不信、反戦運動、ドロップアウトというムーブを受けて当時の若者の反体制的な心情を綴った作品群の総称である。
『イージー・ライダー』(1969年)はその代表作といっていい。バイカー、ヒッチハイク、ヒッピー、ドラッグ、ロックン・ロールと、およそ当時の反体制的なアイテムや事象がてんこもりの映画だったが、この映画の主人公の名前はキャプテン・アメリカ、彼のヘルメットと革ジャンのマークは星条旗である。彼らは反体制であっても愛国者なのだ。アメリカ人のこういうところは好きだったし、うらやましくもあった。ジミ・ヘンドリックスの爆音ギターで奏でるアメリカ国歌もまたしかり。日の丸を掲げるだけで右翼だ、軍国主義だ、と言われる日本とは大違いではないか。


 しかし、そのアメリカも少しずつ変質しようとしている。アンティファの連中が星条旗を燃やしている動画を観た。それを止めようとした若い女性は、髪の毛をつかまれて押し倒されていた。リンチに近かった。もはやアンティファは反体制ですらない、ただの無政府主義者、黒色テロ組織だ。
 アメリカはもう後戻りできないところまで行ってしまうのだろうか。

国旗を燃やすことのどこが、反ファッシズムなのか。
赤色はいうまでもなく共産主義、黒色は無政府主義のシンボルカラー。彼らの正体がわかるだろ
う。彼らの望むものは、平和と平等ではなく、破壊と分断だ。

初出・八重山日報

(追記)だけど、アメリカの再生に期待したい。

死ぬ夢を見た 魂が天に昇ると僕を見下ろし寂しく微笑んだ
空を飛ぶ夢を見た 僕の目がはっきりととらえた 
自由の女神が海の向こうに遠ざかるのを

僕らはメイフラワーという船に乗り
月へ行く船に乗り
この不確実な時代へやってきた
そして アメリカの歌を歌う
でも大丈夫 どうにかなるさ
永遠の祝福などありはしない
それでも いつもの明日はやってくる
だから 少しの休息が欲しいのさ

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