ケイバの壁(#1ダービー馬)
あなたが最初に思い浮かべるダービー馬とは一体どのような馬であろうか。「ウイニングチケット」と答えたあなたは今や立派なウマ娘ファンだ。スペシャルウィーク、トウカイテイオーと答えたあなたもアニメやゲームにかなり染まっている。
ヒサトモ、クリフジと答えたあなたはきっと偉大な競馬オタクだ。
ウオッカと答えたあなたはロマンチストな競馬ファンだ。ウオッカの現役時代を詳しく知っていそうである。そして、目頭を熱くしながらあの日の天皇賞・秋のことを語る人だ。
ワカタカと答えたあなたは競馬史マニアだ。あなたは目黒競馬場をこよなく愛している。
トキノミノル、キーストンと答えたあなたはおそらく涙もろいオールドファンだ。
タケホープと答えたあなたは今でもハイセイコーのことが忘れられない人だ。「さらば!ハイセイコー」と未だにお別れ出来ないままでいる。
セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルと答えたあなたは「三冠馬」が大好きだ。
それ以外の馬を答えたあなたは自分に正直なタイプだ。
逃げ馬が好き。2強3強対決が好き。ダービーだけ印象に残っている馬が好き。その年のダービーで大当たりした。勝馬に騎乗していた騎手の大ファンだった。いやいや最短でダービーを勝ったフサイチコンコルドこそが理想的なダービー馬である。
どのような答えがあってもよい。
しかし、あなたが初めて観た(意識した)ダービー馬は最も特別なダービー馬の一頭と言えるであろう。これは揺るぎない事実だ。(おそらく)一生を拘束する。
そして、マルゼンスキー、オグリキャップ、フジキセキ、アグネスタキオンと答えたあなたは空想家、かつ最強馬論争が大好きだ(と思われる)。「幻のダービー馬」もまたダービー馬である。競馬は時に夢物語を抱かせてくれたりもする。
(2022.3.3)