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超短編小説・彼の者、腹を虐げる者なり

それは、部屋の片隅にいる。

今日はやらないのかと、こちらの出方を窺うように見つめている。


「悪いな、今日は2日目だ。お前の出番は明日だよ」


4日に一度、ルーティンのように行うそれは

もはや生活の一部となりつつある。

・・・・・・よくも、これだけ続けられているものだ。

3日坊主とまではいかないまでも、飽き性な僕が三か月近く続けられているのは、腹に溜まった塊が服の上からでも認識できるようになってきてしまったからだろう。

いくら塊を摘まんでも、なくなりはしない。

一時息を止めてみても、吐けば元通りだ。

少しずつ溜まった塊は、少しずつしか減らすことは出来ない。

風船のように、パチンと消し去ることは不可能なのだ。


薬研のような見た目のそれは


僕の腹を虐げる


昨日は腕、今日は足、明日は腹


ジムに行かない僕の相棒は


今のところ、お前だけだよ

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