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sparrow tearsの読書

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#子育て

【雑誌】『てれびくん』が「芸術」と「わいせつ」の違いについて哲学してきた

10年以上、不定期に小学館の『コロコロコミック』と『てれびくん』を手に取る環境に暮らしているが、しばしば連載漫画に度肝を抜かれてきた。 以前『コロコロコミック』では、明らかにトランプ元大統領(当時は現役)をモデルにしている「いるよ!大統領トラップくん」という漫画が連載されていた。 主人公は大統領顔でラップ上手な小学生。局部を丸出しにして連続逆上がりをしたり、丸出しのまま人の顔の上に着地したりする、非常に際どい内容であった。youtubeチャンネルでアニメも公開されてい

「異次元の少子化」が止まらない理由を児童文学から読み解く

「少子化は国家の危機」と言いっぱなしにする人がいる。「次元の異なる対策が必要」という人もいる。 テレビをつければ、政治家の先生方による、異次元の議論が目に入ってくる。「この愚か者めが」(注:子育ての政策を巡り自民党の議員が過去に飛ばしたヤジ)なんて口汚い言葉は使わないが、「ミヒャエル・エンデの『モモ』読め。2時間で読めるから」くらいは、言いたくなる。 少子化は先進国の共通の現象だが、何が少子化を加速させているのか、SFの世界がボンヤリと示してくれているからだ。

『勇者たちの中学受験』の胸のヒリヒリから感じたこと

首都圏の中学受験熱が過熱している。 「中学受験は親次第」なんて言葉も聞かれるほど、家族の協力が必要不可欠な領域である。 そんな中、Amazonの教師向け書籍のカテゴリでベストセラーになっているのが『勇者たちの中学受験 わが子が本気になったとき、私の目が覚めたとき 』(おおたとしまさ著/大和書房)という本だ。 家族問題や教育に造詣が深い著者は、近年は中学受験の緻密な取材を重ね、さまざまな媒体に寄稿している。『勇者たちの中学受験』はいつものおおた氏の文章とはちょっと異

西原理恵子の過去の育児系「金言集」を読んでいたら、悲しくなった

一昔前の育児情報誌を読むと、「今はこの情報、絶対NGだろうな」という内容がある。 「十年一昔」なんて言葉もあるが、最近では3年スパンくらいでどんどん変わっているような気がする。 インターネット空間の育児情報の「アウト!」「セーフ」のボーダーラインの変化は特にめまぐるしい。 ■過去10年の育児情報「アウト」「セーフ」の変遷 2010年頃には、特定の食品や菌が科学的根拠もなく、もてはやされるような状況が放置されていた。 2015年ころからはバイラルメディアが激増す