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これは便利!スマホの身障者機能を使えば、健常者も日常生活が楽になる話

ロービジョンなので、白杖を持って出歩きます。

白杖を持った僕が、街中でスマホを使っていると、”なんや、見えてるやん!”と思われるかもしれません。

はい、見えています!全く見えていない訳ではありません。だからLow Vision、ちょっと見えているのです!

白杖とスマホは必需品

ロービジョンで、視野狭窄の僕は、常に濃霧に包まれた世界で暮らしている。

街を歩くときは、おぼろげに道は見えるので、前を歩く人は認識することもできるのだが、段差や足元の障害物はわからない。横からくる自転車や車も見えていない。

犬を散歩させている人は認識できても、足元の犬は見えていなくて、小型犬なら踏んづけるなんてこともあったりする。

結果、“なんやこの人は?危ない人やわ!”と訝しく思われる事になる。

一般的に、人ゴミの中で人は、目に映る風景の中で対抗してくる人に対しては、無意識に距離を取り合いながら歩いている。自分の間合いに人が入れば、お互いが避け合うことで、均衡が取れる。

しかし僕は、当然取るべき間合いを取ることができないので、無神経な振る舞いをしてしまうことになる。

だから、白杖を持っていないと人混みでは人とぶつかってしまうし、舌打ちをされたり、嫌味をいわれたりしてしまう。

白杖の存在は、自ら障害物を避けるセンサーでもあるが、それ以上に白という目立つ色と、コツコツとなる音で、人から認知してもらうための役割が大きい。

スマホは精巧な補助器具である。

そんなわけで、目が見えない人としてのシンボルとして白杖を持っている僕が、スマホを操作していると、違和感を感じる人もいるようだ。

でもだ!スマホには、健常者が使わない障害者を補助する機能が沢山詰め込まれた、秀逸な補助器具でもあるのだ。

普通の状態だと見えないテキストデータも、拡大したり、白黒反転機能を使えば、画面が黒くなり、文字が白く浮かび上がるので、見えるようになる。

白い紙に書かれた本や、資料もこの機能を使ってスマホにダウンロードすれば具合が良い。

それでも、長文は目では追えない!途中で行を見失うからなのだが、読み上げ機能を使えば難なく内容を理解できる。

因みに、読書は全てKindleを音声読み上げ機能で行なっている。

電子拡大鏡やカメラは、ムシメガネよりも便利である。

電車や、バスも健常者と同じように乗り換えアプリを使いこなす。慣れない電車は、どの駅を通過したのかわからなくなることもあるが、位置情報で乗り過ごしていないかを確認もできる。在来線の車内放送はクセのある車掌さんが多くて、大概は聞き取れない。中川家のネタにされても仕方ないよな!

歩く時のグーグルマップの音声ガイダンスは、もう少し精度が上がることを期待している。信用すると大変なことになるだ!

訓練が必要なので、使いこなせていないのだが、音声入力や、音声の送信、ボイスオーバー機能を使えば、入力や文字変換も耳と指だけで行うことも可能で、全盲の方でも使いこなしている人もいる。

こういった機能やアプリは、少し前までなら一つ、一つが高価な補助具だった。そして、一つ一つ買い揃えなけらばならなかった。しかもその性能たるや、スマホとは比較にならないほど使いづらいものだったのである。

使えばもっともっと便利だろうけど、使いこなせない機能やアプリも多くあり、その機能は目だけではなく、耳や口の代わりをになってくれる。

健常であれば、使うことのない機能が全てのスマホに装備されているのは驚きであり、そしてありがたいことですね。

という訳で、ロービジョンの僕がスマホを使うのは、健常者であるあなたが使わない機能も含めて、必要だからなのです。白杖持ちながら、必死にスマホ操作していてもゲームに興じている訳ではないので、不思議な目で見ないでね・・・見えないけど!

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