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【映画に出てきたモンを食う】第53回「コーヒー」(『ミッシング』より)

 その週に見た映画。そこに出てきたメニューを食べる。
 そういう趣味の報告。
 今週は『ミッシング』より、「コーヒー」でした。

 いやさ、作中で娘が行方不明になって半年のロングインタビューをテレビ番組として撮影してる最中に「娘さんが無事発見されました!」って電話が入るんですよ。
そりゃもう狂喜乱舞する両親と、「めちゃくちゃ決定的瞬間が撮れた!!」って喜びが隠せないディレクターがいて。それで急いで警察署に向かうと、すごい平常運転の署内で、担当刑事に「は?」とか言われてしまうの。
 つまりそれはイタズラ電話で。喜びから突き落とされた母親は「あ゛ー! あ゛あ゛ー!! あう゛う゛う゛!!」って叫びを挙げて、そのまま失禁してしまうのね。もうこれがめちゃくちゃ強烈な演技で、すごく良いんですけど。
 それに加えてそのショッキングなシーンを、カメラがずっと撮影している、撮影してしまっているんですよ。

 いやもう、この「精神が崩壊する過程とその様を、無慈悲に撮り続けてしまうカメラの暴力性」にめちゃくち興奮してしまうんですよね、私は。この話が映画評に入れれなかったのは、完全にその興奮が「作品に対して」ではなくバリバリに性的な部分と直結してたので「これはちょっと批評として扱うには粘度が高すぎる……」と思ってしまった(あといくらネタバレありとはいえ、こんなにも興奮できるものを削いでしまいたくない! という性欲互助会的なものが私の中で働いた)ので、ここで”昇天”させました。
 ホント、めっちゃエロかった……めっっっちゃエロかったです。

 え、映画評はこちら。


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