夏の中にある秋の気配
夏っぽいもの。
私の中の「夏」を構成するもの。
強い日差し。たとえば、服を越えてジリジリする太陽の熱。地面から立ち上る熱気。水分補給は必死に摂る。
でも、暑いからからこそ際立つものがある。たとえば美味しいジャージー牛のソフトクリームの濃厚な甘さ。目に染みるようなどこまでも高い空のすっきりした青さ。
また、川面に反射した強い日差しの清らかな輝きは、日差しが強ければ強いほど美しくなる。昼はまるで貴婦人の純白のドレスのように白く強い輝きを放ち、夕方は夜のパーティーの装いのようにカラフルなオレンジ色、ピンク色、群青色へと表情を変える姿も目に鮮やかで美しい。
夏の風物詩も忘れてはいけない。花火でみる無常の輝き。お盆の先祖参りで自己を省みること。常にあるものに対する感謝の気持ちを想うこと。
夏にしかないもの。
今しか経験できないもの。
そんな大切な瞬間が目の前にいつもあることを見過ごさないように生きていきたい。
秋の足跡の気配。
お盆が過ぎた。
相変わらずの暑さではあるが、そこにちょっとしたスパイスが加わったような変化がある。叢から虫の声が加わってきたのだ。小さな秋の足音が聴こえる。
車の音から離れて、田んぼや畑の中へ行くと、よりはっきり分かる。そのうち、虫の鳴き声の種類も増えていくのだろう。
また、早稲の稲穂がたわわに実っているのを見ると、まるで秋のデモンストレーションを見ているかのようだ。
今年の秋はどんな秋になるだろうか。
ただ、今しばらく、2024年最後の夏の後姿が去るのを惜しんで見つめたい。
皆さんの夏は、どんな姿をしていますか?
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