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山崎若菜 ドッキング

山崎若菜さんのイラストレーション作品が放つエネルギーは、大きく個性的で、作家の脳内イマジネーションに追いつくのが大変です!
現実的なモチーフを用いながらも楽しさを誘うポップな色調は、視覚を通じて、人をエネルギーアップする力に満ちていると感じます。
明晰かつ大らかな山崎若菜さんにしか創造のできない作品世界です。
一方で、現実にはあり得ないポージングやシチュエーション、空間構成は、アミューズメント表現でありながら、悪夢的な感覚を孕み、決してシンプルなイマジネーションでは構成できないものと感じられます。
本年2021年の個展タイトルは「ドッキング」。若菜さんの先見性に導かれて、きっともう少しするとこの言葉の重要性がわかるのではないかと想像致します。
2019年の個展タイトルは「ZONE」、そして数年前に制作されたZINE「DYSTOPIA」、と時代の先を見通したかのような作品を、今振り返っております。
2021年現在の地上は、正にこれまでの現実ではあり得ないような未知の「ZONE」を我々は生かされていて、若菜さんの描くクリエイティブでポップな悪夢的遊空間は、現実的な人間世界を反映している様にも、凌駕している様にも感じられます。
文章や言葉で表す世界観を、全てヴィジュアルに置き換えて表現された若菜さんのイラストレーション作品は、より雄弁に、饒舌に、詩的に私たちに語り掛けて参ります。
そして今回の作品の中に感じられる、山崎若菜さん独特の楽しさの中の密かな静けさが、何かを以たらす希望の気配を運んでくれるのではないか、と願いが膨らみます。

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