見出し画像

1級電気工事施工管理技士二次試験対策(1)

本日は、平成5年度の1級電気工事施工管理技士(一次試験)の合格発表の日だと思います。合格された皆様おめでとうございます。
まず、二次試験の申込を絶対に忘れない(すぐ手続きする)ことが、最初に行うべきものですね。

近年受験し合格した、1級電気工事施工管理技士の受験対策の小冊子を書いているのですが、ちょうど時期も1次試験の結果発表となりますので、二次試験対策として記載しているものを抜粋してご紹介いたします。
1次についての記載を受けての2次の記載ですので、その点は読まれる際にご了承ください。

最初に勝手なことを言えば、二次試験は合格率が60%程度。一次試験の合格発表から3カ月間、効率的に学習すれば、3カ月で楽に合格できるでしょう。当日試験会場に元気に受験できるかどうかだけが重要になるはずです。


概要

二次試験は、文章を自分で書かなければなりません。最初に心がけることは、一次試験と同様、自分で範囲を広げて、苦しくしないということです。
一次試験を合格したあなたは、すでに十分な基礎知識はありますから、一次試験以上に、出題された問題に回答できるような力を育てることを中心に学習を進めます。
 
分からない、苦手な範囲を学習するという意気込みは大切ですが、限られた時間の中でそれに余分な時間を費やすと、肝心な出題傾向にマッチしたトレーニングの時間が減少してしまいます。
 
その一方、一次試験合格という自分の実力に自信を持つことは大切ですが、二次試験は、書くという難しさがありますので、過信は禁物です。
それでも、出題傾向は一次試験以上にはっきりしており、きちんと準備すれば、3ヶ月もあれば十分だといえます。
正直に言えば、時間が余るでしょう。
 

記述について


技術的事項の説明なら、12問中6問分かれば十分で、安全管理・工程管理に関して言えば、そもそも各6問程度しかありません。
課題は、それを文章で再現できるかどうかということになります。

この二次試験については、特に、後にご紹介する音声教材の自作が非常に効果的です。自作の音声教材は、この試験のためだけでなく、仕事でのプレゼンテーション、何かの講師をする場合、あるいは、他の試験学習においても効果的に使える方法です。
 
二次試験対策全体の流れをご説明すると、出題に対し、まず自分が回答しようとする文章のキーワードだけを思い出せるかどうかのチェックから始めましょう。
最終的には、技術的な問題であれば、重要な数値も覚えます。また、法文は特に「以下」なのか「未満」なのか等も明確に覚える必要があります。
 

前述のように、二次試験の課題は、「書く」という行為をすることです。いつの時代でも個人差はありますが、仕事でも私生活でも、パソコンやスマホ入力で文章を作成することが多いと思いますので、手書きで、しかも、A4用紙両面のほぼ全体に、文字を記載するというのは、事前の練習がどうしても必要となります。
 
試験勉強の最初では、キーワードだけを思い出せると良いのですが、本番では、その場で文章を考えて書くというのは緊張感もあり、困難を伴います。本番でうまく書けなくて、焦ると書き間違いを生じ、消しては書き直しを繰り返して時間がかかってしまいます。

従って、目標は、この問題が出たら、この回答という形で、決まった文章を覚えておき、それを本番では、丁寧に書いて微調整のみをして回答することを目指します。

ここでの勉強法の目的は、一次試験と同様で以下の通りですが、二次試験では文章での回答がほとんどですので、各問題で0点は防ぎ、減点もできるだけ少なくするような記述ができるようにします。
・短時間の学習を繰り返す。
・短時間に集中して回答する。
・どの範囲が出てもゼロ点を防ぐ。
・減点を少なくする。

実例

二次試験は、出題にそれぞれ特徴があります。年度により変化していますので、ここでは、令和4年度試験問題の出題順に沿って説明いたします。過去問では、出題順が変わっているところがありますが、出題される項目はほとんど同じです。

-------------------------------------------------------
問題1 自分が経験した電気工事について
1-1
(1) 工事名
(2) 工事場所
(3) 電気工事の概要
  (ア) 請負金額
  (イ) 概要
(4) 工期
(5) あなたの立場
(6) 担当した業務の内容
 
1-2
 上記電気工事中に発生または発生すると予想した工程管理上の問題
 
1-3
 上記工事の工事現場で、施工計画から引き渡しまでに特に留意した事項
 
問題2 電気工事に関する次の作業で、労働災害を防止するための対策を記載する。
 4項目から2項目を選び、それぞれ2つ対策を回答する。
 
問題3 電気工事の用語の中から4つを選びその技術的な内容を記載する。
 12項目の中から4つを選びそれぞれ2つの技術的内容を回答する。
 
問題4 選択問題
 
-------------------------------------------------------

(1)自分の経験を書く

■問題1-1で留意する点は、次の3つです。
① 何が出題されるかはもちろん確定できませんが、自分の経験で、問題1-2、1-3が書きやすいと思われるものを、準備しておきます。出題には「予想される問題点」というように「予想」でも良いので、発生する可能性がある問題点を考えておきます。

② 工事場所は、できれば番地まで調べておき記載できるようにします。
③ 立場、業務の内容は、問題集に掲載されている記載の中で、自分の経験がどれに当てはまるのかを把握します。ここは、自分の経験を回答ではどう表現するかということなので、重要です。
こうした内容を準備し、書く練習を繰り返します。
 

(2)工程・品質・労災

■問題1-2、1-3、問題2について
過去問を見ていただくとすぐにわかりますが、大きく分けると、工程管理、品質管理、労働災害防止(墜落・落下・感電)に分かれ、これらが少しずつ文言を変え、順序を変えて、出題されています。
回答例を見ると、数が限られるので、どれが問われても良いように準備することはそれほど困難ではありません。
 

(3)技術的内容

■問題3では技術的な内容の記載が求められます。
上記の令和4年の出題でもわかるように、12項目のうち、自分が回答できる4項目だけを選べばよく、きちんと学習しておけば、全く書けなかったということは無いでしょう。
回答する4項目はそれぞれ2つずつ技術的内容を記載します。
この技術的な内容も、最終的に出題傾向を見れば、前年に出題されたものが連続して出題されることはほぼなく、2~4年前の3年間について特に注目して学習しておけば大丈夫でしょう。ただ、3ヶ月前から1ヶ月前までの2ヶ月間は、過去問集に掲載された項目はすべて学ぶようにします。

毎年、新しい問題が追加されるので、「過去問にはない項目が出たらどうしよう」と心配される方もいるかもしれません。
その対策をしようとすることが”範囲を広くする”と私が感じることです。12項目のうち4項目回答するのですから、新しい項目が仮に4題追加されても、過去に出題されたことのある項目8題の半分が、「これは書ける」と思えるものなら良いので、結局、新しい項目やにがてな問題に、過剰に心配する必要はなく、書ける問題にきちんと回答すればよいことになります。
 

(4)制度について

■問題4は、電気主任技術者制度、施工管理技術者の役割などが、一次試験と同様、選択問題として出題されています。試験最後の問題は、過去には短い文章での回答を求められた年度もあります。
一次試験を合格されたあなたは、全くわからないということは無いと思いますが、過去問で学習する中で、回答できるものだけを回答すれば良いと思います。もちろん選択問題ですから、どれかを記入します。
 

2次試験の合否

以上のように、問題1から3が、文章で回答する問題となりますので、その回答について、独自に音声教材を作成されることをおすすめします。令和4年度の出題を見ると、問題1から問題3までで、解答用紙の80%以上を占めますので、ここがきちんと書ければ、問題4は出来ないものがあっても合否には関係ないと思われます。
音声教材の作成は、非常に簡単で、作ってしまえば学習時間が取りにくい方でも、通勤時間や、空き時間に気軽に何度も学習することができます。
 
学習内容は、過去問だけを使い、過去問の解説、模範解答のなかで、自分が覚えやすい文章を各問について2~3程度選びます。自分の言葉で書きやすい文章を選ぶことで、学習の負担が減り、本番でも文章が出てきやすくなります。


いいなと思ったら応援しよう!