『フリーストーリー提供します』 編集中 エスカレーター

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 都内にある高層ビル。
 俺の出勤は朝八時。
 寝癖混じりの髪を整えながら、自動ドアをくぐる。目の前には広いホールがあり、その中央の長いエスカレーターは上階に続いている。
 出勤する社員で溢れ、エスカレーターには長蛇の列が出来ていた。
 
 やっと俺の順番が来た。
 黄色い線を二、三度見送ると、右足を素早くエスカレーターに乗せる。ゆっくりと動く景色を眠い目で見ていると。

「よっ。おはよう」
 横から男の声がした。

 俺は声のする方を向く。

「翔!俺だよ。俺。まもるだよ」
 ガラガラの下りエスカレーターに、まもるは乗っていた。

「まもる?え、なんでいるの?」
 対して上がりエスカレーターの俺は、まもるとすれ違ってしまう。

「また明日な!」
 派手なアロハシャツを着たまもるは、軽快にエスカレーターを降りていった。

 俺は、そんなまもるの姿を唖然とした顔で見る。朝の出勤時間に、あの格好。
 あいつは、いったいなにやってたんだ。

「明日?」

 


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