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話題のワーケーションをやってみた!準備~実施~課題までを検証

採用担当の野添です。政府も普及推進を表明したことで最近話題(?)のワーケーションですが、皆さんはどのような印象でしょうか?

インターネット上の意見を見る限りでは、「できるわけがない」「休暇先に行ってまで仕事をしたくない」との意見が多そうです(そりゃそうですね)
が、個人的にはワーケーションができるようになることでチャレンジできるフィールドが広がったり、ワーケーションができるような体制を整えることで、新しい働き方や生き方ができる様になることに意味があると考えています。


おさらい:そもそもワーケーションとは?


菅官房長官 「ワーケーション」普及で観光促進を(2020/7/27)

政府見解としては、“リゾート地や温泉地などで余暇を楽しみながら、テレワークで仕事をする”のが『ワーケーション』であり、コロナ影響により需要減少が見込まれるインバウンド観光に代わる観光地の救済措置とも見てとれますね。

コロナに苦しむ観光業を助けるため。というのはとても重要な反面、このニュースには、それを実際に行うことになる私達ユーザーにとってのメリットは何か?という視点が足りていないなと感じました。

「ワーケーションはアウトドアでなくてはいけない」アウトドアがもたらす新たな働き方とは (2020/7/2)※弊社取材記事

私達スペースキーでは、7月初旬にワーケーションとは何か?そのメリットとは何か?についてをリゾート開発の専門家である加藤氏に取材して記事にしました。こちらも併せて参照ください。


ワーケーションに必要なものは?


1.仕事の成果

当然ですが、業務なのでやっぱり成果は重要ですね。
業務や現在のタスクを棚卸しした上で、ワーケーションに適している業務とそうでない業務をわける。時間内にどの様な成果を挙げるか?をあらかじめ決めておくのもメリハリをつけるには重要です。

2.業務に適した環境

wi-fi、電源、机と椅子の様なハード面も重要になります。
家族でワーケーションとなると、自然体験プログラムなど子どもを預けて仕事に集中できる環境も整えることが重要ですね。

3.業務と人の適性

インタビュー記事にもありましたが、「仕事に没頭してしまう人」「何事も楽しめない人」はワーケーション向きではないかもしれません。また、指示を待つだけの人も難しそうです。
逆に、自分の業務をちゃんと把握・管理し、業務をモジュールごとに細かく分けて、その中で外に持ち出し可能かどうかを判断できるかが大事ですね。


というわけで、ワーケーションの検証をしてみた


■実施検証

前置きが長くなりましたが、そういった色んな効果を期待して、弊社のコーポレート部門でも実際にワーケーションを実施し、検証をしてみました。

〇メンバー

スペースキーコーポーレート部門三名(五十嵐/奥野/野添)
※今回は家族持ちの方は単独参加で、仕事に集中できる環境を優先。

〇施設

千葉県勝浦市:Recamp 勝浦
※エアコンも完備しているトレーラーハウスでやってみました。

〇達成すべき成果

「下半期部署のOKR概要決定」
ちょうど下半期の目標設定時期だったので、コーポレートのObjectに基づき、経営管理/人事/採用各部門のObjectについて落とし込むことを主要な成果としました。

〇検証した項目

1.身体的・精神的リラックスが得られる環境は業務寄与するか?
2.どの様な業務であれば成果につながりやすいか
3.オンラインMTGや定例業務への影響

〇仮説

1.正解のない中でブレストしコミュニケーションする業務には最適では?
2.職遊隣接なので集中力がさがりそう。黙々と行う作業には不向きでは?

〇想定スケジュール

●初日
14時以降チェックイン:バケーションなので業務はなし

●二日目
07:00 起床+朝食+準備
08:00 業務開始(1.5時間前倒し)/部署OKR設定
10:00 定例オンラインMTG
12:00 休憩&お昼ご飯
13:00 定例業務
17:00 終業(1.5時間前倒し)


ワーケーション検証の実録

〇実際のスケジュール

●初日
14時以降チェックイン:各自で集合しました

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電源、エアコン、ガスコンロ、水道、トイレ、シャワー、マット、焚火台、クーラーボックスが完備!(wi-fiは持参)非常に快適な環境だったので、基本はテント泊派の我々は改めて感動していました。

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初日はバケーションですからね。お酒を飲んだり、燻製を作ったり、ゆっくりと雑談しながら過ごしました。

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仕事の話もたっぷりしたのですが、余り記憶にありません。前日からメモくらいはあっても良いかもしれませんね。
※浮かれていたと言われても仕方がないのですが、これ以外の写真がありません(笑)。

●二日目

07:00 起床+朝食+準備

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朝食は準備が簡単な為、パン派が多かった気はします。私は前日に燻製したゆで玉子を使ってサンドイッチをつくりました!
※尚、決して浮かれていたわけではないのですが、写真を取り忘れたので別撮りです…(笑)。

08:00 業務開始(1.5時間前倒し)/部署OKR設定

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キャンプに行くと、自然に早起きができ、朝ご飯を食べる食欲も湧きます。
前日にこれでもかというほど雑談もしているので、アイスブレイク不要でスムーズに業務に入れるのはワーケーションの効能かもしれませんね。

10:00 定例オンラインMTG 

日が昇りだし、暑くなってきたので室内へ。設備についての質問やらワーケーションの感想やら。いつものメンバーといつものMTGですが、アイスブレイクが非常に盛り上がりました!

12:00 休憩&お昼ご飯

せっかく勝浦まで来たので、キャンプ場近くの海鮮丼屋さんへ。

昼休憩に新鮮な魚を食べられるのもワーケーションならではですね!
※写真がないのは、うかれていたわけではなく(以下略)

13:00 定例業務

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2画面が必要な作業には不向きですが、思った以上に集中力が持続します。
チェック作業よりもライティング作業などには良いかもしれませんね!

17:00 終業(1.5時間前倒し)

あっという間に定時です。ブレスト、オンラインMTG、定例業務と集中して定時まで行うことができました。
千葉⇒東京方面なので帰り道の渋滞もなく、ストレスなく帰宅できました。


ワーケーションの感想


〇体感した良かったこと

・早起きできる/朝ご飯食べられる/しっかり頭回る
・日常のもやもやをすべて吐き出した状態で業務を開始できる

身体的にも・精神的にもリラックスしながら仕事をすることで、MTG時間などは想像以上にはかどったと思います。コロナで在宅が続いていたこともあり、オープンエアーな空間でコミュニケーションをとりながら進められたこともポジティブな要素でした!

〇体感して悪かったこと

・天候
今回日程は雨だったので、予想通りに冷え込むタイミングもありました。やはりテント泊ではなく、コテージ泊(電源・エアコン付き)の方が良さそうです。

・忘れ物
やり慣れているテント泊と異なり、コテージ泊故に持ち物がわからなくなりました。事前準備はしっかり必要ですね。
※燻製の時に使うアルミホイルを忘れました

〇予想外だったポイント

・メンバーの関係性
これらがワークする前提はやはり、長時間一緒に過ごすことが苦にならないメンバー間の関係性。当たり前ですが、「心理的安全性」がある組織づくりは必須となります。
業務と人の適性だけでなく、チームにも適性は必要ですね。

〇他メンバーの感想

◇五十嵐
今回のワーケーションは、リモートワークの延長ではたらく場所をオフィス→自宅のその先ということでキャンプ場にしてみた、という感覚で臨みました。
・メリット
①普段なら憂鬱な雨も自然の中では心地よい音に聞こえたりしてリフレッシュになります。そういった環境が思考を発散するようなブレストには非常に有効でした。
②単純に一緒にいる時間が長くなるので、相互理解は高まったと思います。いわゆるチームビルディングのような特殊なコンテンツがなくとも、相互理解は進むという効果はありそうです。
・デメリット
ただ家庭の都合や業務内容によって誰でもできるものでもないという課題はありますね。「はたらく場所の多様化の1つとしてキャンプ場もあり」という感じ。

◇奥野
今回は発散系の業務だけでなく収束系の業務も意外なほど捗ることが体感できてワーケーションの可能性を感じました。個人的に、また別のワーケーションも試したのですが、そこではバケーションの比重が大きく思ったように進められなかったので、「ワーケーション」とひとことで言っても「ワークとバケーションの比重をグラデーション別に選ぶ」といったような細分化が今後進むのではと思いました。

〇結論

1.正解のない中でブレストしコミュニケーションする業務には最適では?
⇒前入りし、雑談を十分に済ませておくと、翌日一番から正解のない中で結論を出しに行く業務にもフル回転できるので、想定通り有効だったと思います。
ただ、メンバー間の関係性などそもそもの前提は整えておく必要がありますね。

2.職遊隣接なので集中力がさがりそう。黙々と行う作業には不向きでは?
⇒こちらも作業自体は意外なほどにはかどります。ハード面が不足しているとできないことについては効率性の問題は産まれますので、事前の計画と確認はしっかりした方が良さそうです。


まとめ

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コロナによって強制的かつ急速に進んだテレワーク化ですが、働く場所から解放されることで今ある仕事を家ですることだけにとどまらず、さらに進んだ働き方を実現させることができるようになれば、多様な働き方や生き方に対応したもっと自由な会社や組織を作れることにもつながります。

過去の日本企業は人口増加を背景にした高度経済成長の中で、日本という市場の中でのシェアを拡大すること、すなわち比較的同質的な価値観や基準を持っていることが組織の強みにもなってきました。

グローバル化が進んだ現代では、日本の市場だけではなく世界の市場を見据えた舵取りが求められる中、多様な価値観を受け入れられる組織であることが強みになる時代です。
※もちろん、こういった流れには製造業からITへの産業シフトやインターネットによる個人のエンパワメントも影響していますね。

ワーケーション=仕事と休暇の融合という結果ではなく、それによってどんな事が可能になるか?そういった体制を整えることでどのような対応が可能になるかを考えていくことで、ネガティブなイメージのついてしまったワーケーションにも違った見方が産まれるのかもしれませんね。