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【私のアウトドア履歴書♯1】岡村陽久さん(株式会社アドウェイズ 代表取締役社長)

スペースキーの小野です。スペースキーnoteでは、十人十色のアウトドアの楽しさを伝え、アウトドアの未来について話せる場づくりを目指しています。そこで、アウトドアに関する意外な一面を伝え新たなファンを増やすべく、ビジネス界の著名人にご自身が大好きなアウトドアについて語ってもらうインタビュー企画をスタートしました。

記念すべき1回目は、株式会社アドウェイズ代表取締役社長の岡村陽久さんです!岡村さんの好きなアウトドアは釣りとキャンプ。なぜ好きなのか、何を得られるのか。壮大で夢のある、アウトドアへの想いをお話いただきました!


【今回インタビューした方はこちら】

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岡村 陽久氏  株式会社アドウェイズ 代表取締役社長

2001年設立。2006年に東証マザーズ上場。国内最大級のアフィリエイトサービス「JANet」「Smart-C」の運営をはじめ、スマ―トフォン向け広告配信サービス「AppDriver」や全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」を展開する。また、アプリやコンテンツの企画・開発・運営など多彩な事業を展開。日本を始め、アジアを中心とした世界各国への海外展開も行なっている。


釣りとキャンプをものすごくやりたかった少年時代

-本日はよろしくお願いします!語りつくせないかもしれませんが、アウトドアに対する想いの限りを聞かせてください。

はい、よろしくお願いします!

-岡村さんは釣りがお好きでいらっしゃいますよね。どのような釣りが好きなんですか?

オフショア(沖釣り)が中心ですね。陸からだと、釣れるポイントがまだあまりわからなくて。

-子供の頃から釣りが好きだったのですか?他のアウトドアはされていたのですか?

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いえ、子供の頃はほとんどやっていなかったですね。近所の川で友達と遊ぶ程度でした。キャンプにも行く機会がなくて。小学生の頃とか、周りの友達がキャンプに行っていて、とても楽しそうでうらやましかったなぁ。ただ、寝袋だけは買ってもらって、家の廊下とかベランダで寝たりしていました。だから、当時はめちゃくちゃキャンプや釣りに行きたかったんだと思います。その反動で、今のめりこんでいるのかもしれないですね。

-そうだったのですね!大人になってからはどのようにアウトドアを楽しむようになったのですか?

20代中盤頃から、年に2回は釣り船に乗っていました。30代からは富津の方で釣りをしていたのですが、知り合いのおじさんが釣り好きで、メバルがたくさんいるというポイントを教えてくれたんです。早速ゴムボートを買ってやってみたら、すごい釣れたんですよ!もうすごい嬉しくて、その体験が釣りにハマったきっかけですね。

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※画像:シーバス(89cmランカークラス)を釣り上げた際のもの。詳しくはhttp://www.okuribunt.com/press/press007.htmlをどうぞ!

-すごいわかります!釣れた時の感動って忘れられないですよね!最近はキャンプもされるとのことですが、キャンプにハマったきっかけは何だったんでしょうか?

元々釣りが好きでいろいろな釣りをやる中で、渓流釣りもやってみようと。ちょうど社員で一緒に行きたいという者もいたので、行くことにしました。渓流釣りはその立地柄、キャンプとの相性もいいんですよね。せっかく行くんだから、キャンプもしようというのがそもそものきっかけです。それからですね、毎月渓流釣りとキャンプ場に行くようになりました。キャンプに単独で行くこともありましたね。


アウトドアはDNAに刻まれた、人類の本能である

-キャンプの魅力って、岡村さんにとって何でしょう?

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ちょうどこの取材のお話をいただいたので、これを機に考えてみたんですよね。「自分はなぜキャンプが好きなんだろう?」と。一緒に行く社員も巻き込んで、3時間くらいかけて話し合ってみました。

-3時間!真面目すぎる(笑)。

「火を見てると落ち着く」とか「非日常を味わえる」とか、ベーシックな答えはいろいろありますが、結論は「都会で暮らすような、今の生活の方が非日常」なのではと。

-と言いますと?

人類は何十万年という長い歴史の中で進化してきました。その中で、生きるために火を起こしたり魚を捕まえたりしてきた。だから、こういうアウトドアの要素って、DNAに刷り込まれていると思うんですよね。アウトドアこそが人類の本質だと。

だから、焚火を見るとなんか落ち着くし、魚が釣れると単純に嬉しい。特に理由がないのは、本能的に感じるからなのではと思います。DNAに刻み込まれたものを、キャンプや釣りで再確認しているのでは。

-なるほど!視点がすごく壮大。

一方で都会での今の暮らしや、インターネット、居酒屋での飲み会などの遊びは、ここ100年程度でできたもの。人類の歴史から見れば、こっちのほうがずっと非日常なんじゃないかと思います。都会で満たせる欲求は表面上ですごく薄っぺらい。でも、アウトドアは長い歴史の中で刻み込まれた本能的な欲求。だから素晴らしいのだと。アウトドアは、人類の三大欲求ですね!

-わぁ、名言でましたね(笑)。でもわかる気がします。狙い通りの魚が釣れた時とか、嬉しいのと興奮で手が震えるんですよね。仕事ですごい大きな案件を回したりしてもそこまでの経験はしたことがないのに。それもやっぱり本能が揺さぶられているからかもしれないですね。

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私も同じような経験あります!メバルを釣ろうとしていてクロダイが釣れた時。いるとは聞いていても、まさか本当に釣れるとは思っていなくて。「ドーン!」という強い引きと海の中に潜む黒い大きな影が見えた時は、手が震えましたね。釣れたときに興奮しすぎて海に落ちましたから。

-落ちたんですか!携帯とか無事でした!?

いや、壊れました。ここ5年で3台、携帯をダメにしているんですが、全部釣りです(笑)。


社長として申し訳ないけど、仕事している場合ではない!(笑)

-アドウェイズの代表取締役として、多忙な毎日を過ごされている岡村さんですが、釣りやキャンプは仕事面において、どのような影響を与えていますか?

ひとことで言うと「仕事にならない」ですね。会社に行って仕事をしていても、ちょっとした休憩時間でもあれば、釣果情報とかをチェックしてしまうんですよね。「このポイントは釣れるんだな」とか「こんなギアでこんな釣法があるんだな」とか、調べているとわくわくしてしまって。研究することがありすぎて、極端に言うと仕事している場合ではない!(笑)。社長としてと言うより単純なアウトドア好きの人間として。

-「リフレッシュできる」とかではなく、仕事にならない(笑)。想像の上を行く答えで驚きました!

週末に社員とキャンプに行ったりすると、次の出社後に反省会をするんです。必ずあるじゃないですか、「もっと明るさが欲しかったね」みたいな部分が。今回のキャンプの改善点を探して次回の対策をする。そのように過ごしていると、平日も常にキャンプか釣りのことを考えているんです。どんどん研究したくなって、夜も眠れないくらい!『CAMP HACK』や『TSURI HACK』を見ていると、本当に夜も眠れないですから。

-嬉しい!編集部のみんなに聞かせたら泣いて喜びます!ありがとうございます!

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キャンプや釣りに出会う前までは、仕事のことばかりを考えていましたね。でもなかなか気分が晴れなくて、リフレッシュはできていなかったように思います。今は、キャンプや釣りのおかげで、仕事と遊びのどちらも充実しています。仕事から離れるタイミングがあることでバランスがよくなり、結果としていい影響を受けているのではないかな。

-それは良いですね!

先日、業務で失敗してしまったことがあったんです。ですが、その週末にあえてキャンプに行ったんですよね。設営がすごく上手くいってテンション上がっちゃって。へこんでいたことをその間だけはすっかり忘れて楽しんでいました。そのぐらいリフレッシュできる力を持っているんだと思います。(そのあとしっかりと反省させていただきました!)


手間のかかるランタンが、明るさへのありがたみを教えてくれる

-岡村さんのお気に入りのギアについて聞かせてください。

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これは、Colemanの灯油ランタンです。知り合いの方からプレゼントしていただきました。ランタンっていろいろな種類がありますが、日本ではガソリンランタンやガスランタンが主流で「灯油ランタン」ってあまり売っていないんですよね。当然、ネット上の情報も少なくて灯すまでがすごく難しい。でも、そのような中で研究して手間をかけて灯った炎を見たとき、達成感と喜びを感じられるんです。そこが気に入っていますね。

-灯油ランタン、珍しいですね!キャンプは不便を楽しむ遊びと言いますが、不便や手間がかかるほど、愛着が沸いたりしますからね。

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そう、灯すまでがとても面倒なんです。灯油を入れてポンピングして、マントルを燃やして、プレヒートして……。何回か使うとラジエーターに煤(すす)が溜まるので、それもメンテナンスしないといけない。それらを乗り越えて、ようやく火が灯る。「火が灯る」それだけなのに、毎回すごく感動します。

都会にいると、明るさへのありがたみを感じることってないですよね。スイッチひとつで明るさが手に入る。でも、このランタンのおかげで、火に感謝することができる。謙虚な気持ちになれるんです。

-明るさへのありがたみ、確かに感じてないかも……。

先ほどの話に戻ってしまいますが、都会での欲求とか悩みなんてちっぽけに感じますね。そんなことよりも、私にとっては目の前のランタンに火がつかないことのほうが重要。魚が釣れないことのほうがすごく悩みます。

-アウトドアには、悩みを小さくさせる力があると。

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それくらいの器が、キャンプや釣りにはあると思います。悩みを小さくさせるだけじゃなくて、考え方をうまく切り替える効果もありますね。例えば、仕事である分野を攻めていて成績が上がってこない場合。釣りに置き換えれば、そこに魚はいないんです。そう思ったらすぐにエリアを変えようと切り替えて進むことができる。釣りの感覚を持ち込めば、仕事においても良い効果が得られるのではないかなと思います。


困っていることが沢山ありすぎる みんなで解決していけたら

-少し話題が変わりますが、アウトドア業界に期待することなどはありますか?

先日、アウトドアイノベーションサミット(OIS)に参加させていただいたのですが、そこで聞いた気候変動に関するセッションが衝撃的でした。(要は、このまま温暖化が進むと、冬がなくなってしまうという話。)私は、キャンプをするなら冬が一番好きです。寒さを乗り越えて、朝起きて、澄んだ空気を吸い込んだ時に「生きてる!」と実感する。あの感覚が好きなんですよね。また、釣りでも、冬があるから魚が美味しくなるという側面もあります。だから、アウトドアをする自分としては、冬がなくなってしまうとすごく困ると率直に思いました。

おそらく、アウトドアをする大半の人が、冬がなくなったら困るのではないでしょうか。今後、業界が成長してアウトドアに関わる人が増えれば、そのような危機感を持つ人も増えていく。みんなで解決するという動きが起こるといいのではと。国単位で見ても、自然環境への配慮は十分ではないと感じます。どうしても、その国の利益を優先してしまう。国も企業も規制には反対するが、消費者としての声は無視できないのではないか。消費者を増やしアウトドア業界を盛り上げることで、環境への問題を解決する動きが加速することを期待しています。

-アウトドア企業として、スペースキーに期待することはありますか?

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大きくは3つあります。1つ目は「キャンプ場問題」。最近、キャンプ場が満員で予約が取れないことが多いんですよ。キャンプ場を増やすなど、対策をぜひしてほしいですね。また、キャンプに行くと必ず課題が見つかります。課題を解決する情報やサービスが、もっともっとあるとよいですね!

2つ目は「在庫問題」。『CAMP HACK』が紹介するギアはすぐ市場からなくなってしまうんです。欲しいものが欲しいときに買えない。そういう声を知り合いからもよく聞きます。先日も、冬にキャンプに行きたいから薪ストーブを買おうと思ったのですが、売っていませんでした。半年前とかに買わないと手に入れられないという現状があります。キャンプ場も取れない、在庫もない。このようなことで困っているアウトドアユーザーは意外と多いのではないかなと感じています。

-うぅ……、どちらも耳が痛い。あと1つは何でしょうか?

最後は「平日の夜問題」です。四六時中アウトドアのことを考えているので、どうしても平日にも行きたくなってしまいます。平日に仕事が終わってから、気軽に行ける選択肢がもっとあると助かりますね。初心者だと、こういうちょっとしたこともハードルが上がってしまうので。ぜひスペースキーさんでこれらの課題を解決してくれることを期待しています!

-どれも弊社サービスを使っていただいているからこその意見。期待に応えられるように頑張ります!

最後に、アウトドアで挑戦してみたいことはありますか?

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いろいろあるのですが……。まず釣りでは、ルアーに本腰を入れてみたいですね。今は餌釣りで、まだルアー釣りの魅力に辿りつけていないので。ルアーの面白さに触れてみたいですね!キャンプでは、サバイバルキャンプに興味があります。リュックひとつ背負って、食料は現地調達する。ゆくゆくは狩猟免許も取得して、農作物被害への対策にも貢献できたらいいなぁ。

-夢が膨らみますね~。ビジネスとして、アウトドアで挑戦してみたいことはありますか?

自分自身がとは限りませんが……。やはり先ほども言いましたが、「平日の夜問題」を解決したいです。切実に悩んでいるんですよ、ほんとに。アウトドア業界も、「土日のためのアウトドア」としての側面が大きいように感じます。とはいえ、ユーザーは平日もアウトドアを楽しみたい。ここを解決するビジネスを誰かやってほしいし、自分でも何とかしたいですね。いや、土日が待ちきれないんです!週末が来るのがこんなに楽しみなんて、すごく幸せですよね。

-平日の夜問題、一緒に何とかしましょう!本日はありがとうございました!


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■ 編集後記 ■

社員の方と仲良く釣りやキャンプに行く話からもわかる通り、東証マザーズ上場企業の社長さんとは思えないくらい、距離が近く親しみやすい魅力を岡村社長から感じました!

アウトドアはみんなで協力する機会も多いので、一緒に行く人への感謝を示したり、自分のできないことができる人への謙虚さに繋がったりと、人間関係の良好さにもプラスの影響力があるのかもしれませんね。


■ 岡村さんのお気に入りアウトドアアプリ ■

sotoshiru

アウトドア全般の情報収集に重宝しています。

LINNE LENS

釣った魚の名前を調べるのに使っています。

Picture this

「LINNE LENS」の植物バージョン。キャンプで野草やキノコを調べるのに使えますが、命を預ける(食べる)までは踏み切れていません(笑)。


アウトドア履歴書、いかがでしたでしょうか。「あの人のも聞きたい!」などのリクエスト大募集!コメントなどでお気軽に教えてください。次回もどうぞお楽しみに!