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宇宙食の現在

皆さん、こんにちは。
突然ですが、人間が生きていくのに最も重要なことはなんでしょうか?
そう、食事です!みなさんご存知の通り、宇宙での食事には宇宙食が利用されています。ではその製法は?実際に宇宙飛行士たちは何を食べているのか?
そんなことを今回は書いていこうと思います。

今回の記事の流れです。

宇宙食について
1. 製法
2. 実際の料理例
3. 考慮すべきこと
4. 今後の展望


1.製法

一口に宇宙食といってもいくつかの種類があります。
まず、宇宙食と聞いて最初に思いつくであろう水で戻すタイプの食品です。
製法としては➀フリーズドライ➁スプレードライなどがあります。

➀フリーズドライ
フリーズドライは、真空凍結乾燥という技術を使っています。液体は気圧が低くなると沸点が低くなります。これを利用して気圧を0、つまり真空にすると液体は常温で蒸発するようになります。同様に、氷は真空になると昇華します。食品中の水分もこれを利用して飛ばしています。しかし、食品から常温で水を抜くと液体と共にうまみや栄養素も飛んでしまいます。そこで、一度凍らせてうまみや栄養素が損なわれないようにしてから真空にします。こういった方法でフリーズドライ食品は作られています。

➁スプレードライ
スプレードライとは、原液を瞬時に粒子にすることが可能な乾燥装置を使って食品を乾燥させる方法です。

これらの他にはピーナッツなどのそのまま食べられる食品、缶詰、そして、実は生鮮食品も食べられているのです。「こうのとり」や「プログレス」などで補給が来た時には野菜やフルーツなどの生鮮食品も食べることができます。


2.実際の料理の例

ここでは実際に宇宙で食べられた食品や、逆に宇宙ではNGな食品について紹介します。
朝食にはジュースやコーンフレーク、スクランブルエッグなどが食べられ、特に人気だったのはトルティーヤだそうです。好きな食材を自分で選んで挟んで食べられるのは楽しみの一つになりそうですね。
昼食は特に時間が設けられているわけではなく、作業の合間に食べます。水に戻す時間がもったいないときはナッツやチョコなどのスナック類ですまし、時間がある時はパスタを水で戻して食べることもあったそうです。
夕食はみんなの作業が終わってから食べることが多く、コミュニケーションの一環になっています。
それぞれの国の料理を振る舞うことも親睦が深まる鍵になり、閉鎖的な宇宙空間ではとても重要になってきます!ただ、ISSには冷蔵庫や冷凍庫が無いので、アイスや冷たいそばなどは食べられず、恋しくなることも・・・


3.考慮すべきこと

宇宙は地球とは環境が全く異なり、そのまま地球と同じようにうまくはいきません。宇宙では人の体はむくみ、顔もむくむので鼻づまり状態になることが多いです。したがって味の感じ方も鈍くなります。
そのため宇宙食は味が濃いことが多いです。調味料もあるので味の調節もできます。ちなみに宇宙では塩コショウは液体です。また宇宙では筋肉が衰え骨の密度が下がるのでそういった問題に対処する必要も出てきます。
人間の体の問題とは別に、機器との相性の問題もあります。液体が機械に入り込むと故障の原因になり、ISSの中は精密機械だらけなので大事故に繋がりかねます。液体のスープなどには少しとろみがついていて、飛び散らないようになっています。塩コショウが液体なのもこれが理由で、細かい粉末が入ると故障の原因になります。このようなことを考慮した上で宇宙食はつくられています。


4. 今後の展望

現在宇宙食は地球から持っていくものがほとんどです。
月やISSなどの比較的近いところでは地球からの補給でもそれほど不便ではないですが、今後もっと遠くの宇宙を探査する際にいちいち持っていくのではコストも時間も大変なものになってしまいます。
そこで、ISSや地球上では宇宙で食糧を生産する為の実験がなされています。
たんぱく源は大豆です。大豆は省スペースで収量も多いです。主食には小麦が用いられます。こういった食材を効率よく育てるための環境の研究などもされています。宇宙産の野菜が食べられる日も遠くないのかもしれませんね。


今回の記事では宇宙食の現在を書いてきました。
今後どんな食材が宇宙で育てられるかも期待ですね。


次回、第3回目となるThink Space Habitatは 『宇宙建築×農業』をテーマに
2月17日 日曜日 13:30〜15:30 場所はX-NIHONBASHI(東京都中央区日本橋室町1丁目5番3号 福島ビル7階)にて行われます。
たくさんのご参加をお待ちしております!

↓Think Space Habitat vol.3 のイベント申し込みフォームはこちら↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfaFjRVm_UefPqSxpc6DktVklb3a57e6j4T0cfow_D4DuvfpQ/viewform?usp=sf_link

それではまた次の記事でお会いしましょう!


今後開催・参加予定のイベント
2/9~10:宇宙ユニットシンポジウム (京都大学)
2/9~11:宇宙建築賞作品展~宇宙で暮らすためには~ (仙台市天文台)
2/17:Think Space Habitat vol.3~宇宙建築×農業~

<参考記事>
https://metoa.jp/event/space-in-ginza/yamazaki-naoko/qa/
http://iss.jaxa.jp/library/material/data/space_food_03.pdf
http://iss.jaxa.jp/med/about/health/
https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/15406/1/64730058.pdf


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