僕が曽爾村で起業するまでの経緯

30代後半の安井一真が、奈良県曽爾村で起業をするにあたっての自己紹介兼事業計画を発表しようとしたら想定外に長文になったので、時間ない人&長文苦手な人用にまとめを先に書いておきます。

  • 2023年4月から移住した奈良県の曽爾村でリトリート施設を始めたい

  • リトリートとは→日常生活から一旦離れて、静かな環境で心身をリフレッシュさせ自分を見つめること

  • 民泊や簡易宿泊的な業態で始めたい

  • リトリート施設では、奈良の薬草を使いファスティング(断食)プランを提供したい

  • その他にも、アイソレーションタンクやアイスバスなどの、健康系のレクリエーションを提供しようと考えている(下画像参照)

ーアイソレーションタンク(暗闇でプカプカ浮いて超リラックス)↓

引用元:Nudity, hallucinations and relaxation: My dip into an isolation tank

ーアイスバス(水風呂LV100で心身が超リフレッシュ)↓

Best ice baths 2023: How Joe Wicks, Nicole Scherzinger & more celebrities swear by at-home plunge pools

こんな感じのことを村で始めたいなと感じています。下の文章は、僕のことをもう少し詳しく知りたいという人向けの詳しい説明になっています。お時間あればサラッと読んでみてください。

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はじめまして。
2023年4月から奈良県の曽爾村という村に移住してきた安井と言います。
奈良県といっても、かなりの端っこで三重との県境にある人口1300人の村です。最寄りの駅やコンビニまでは自動車で30分ほどと、適度な田舎感がある場所です。場所的には名張や伊賀という三重の街に近く、奈良では三輪そうめんで有名な桜井が近くにあります。

曽爾村は住所的には奈良県・宇陀郡・曽爾村というふうになってまして、来るまで知らなかったのですが薬草の発祥の土地とされている地域だそうで、ハーブティーをはじめとした薬草文化に興味がある僕にはまさにうってつけの場所だということにとても嬉しく思っています。

パブリックな自己紹介を書くのに慣れてないので、先日一度試しに書いてみて、今もう一度書いてみましたが、文体や構成はしばらく安定しそうにないですね。プライベートで書いている日記では毎度書き散らかして終わりなのですが、人に読んでもらう前提で書くと、第三者目線という必要か不必要かどうか現状わからないメタ目線が生まれ、手癖で書けないため、いつものようにスラスラ書けない感じがあります。

曽爾村で何をしようとしているのかということについて話す前に、なぜ僕が曽爾村に来ることになったのかの経緯を話しておいたほうがいい気がするので、先に書いてみます。


曽爾村に移住するまでの経緯


曽爾村には『地域おこし協力隊』という国の制度で来ました。地域おこし協力隊というのは、主に都会から、地域への移住促進や地域の振興を目指した制度で、最大3年間給与をいただきながら地域の振興に寄与するというものです。

僕の友人が3年前にトマト農家として協力隊員になり、東京から移住したのをきっかけに僕が定期的に曽爾村に遊びに行くようになりました。そして2022年末頃に今までの「ミッション型」と呼ばれる、仕事が決まったものではなく、「起業型」という自分の力で村内で商いを始めるというタイプの協力隊が曽爾村で募集されることになり、応募してみたらまさかの受かってしまったという流れで村に来ることに。

元来の性格が緩い&お金にそんなに興味がないので、起業は興味があっても性格的に合わないなと思い避けては来たのですが、まさか起業準備をする日が来るとは、一年前までは思いもしませんでした。

ただ、今でもたまに思い出す、今の流れに続く、ある一つの出会いがあったんですよね。

話し出すとこの記事の本筋から外れてしまいそうなので、ワードだけ置いておくと、「ピンクの髪をした大きな体でモンペを履いている、妖精みたいなおっちゃんに出会った」話があるんですね。

嘘じゃないです。本当の話です。夢でもなく完全シラフの時の話です。

アントレ・キャンプへの参加

で、その出会いが確か去年の初夏頃にあり、それを機にかふわっと名古屋で何かしようかなというのを考えだして、物件を探し始めているところに曽爾村で移住支援をしているSoni Summitという団体が主催した「アントレ・キャンプ」というものに参加したんです。2023年も開催するらしいので気になる人は参加しましょう。

アントレキャンプというのは、アントレプレナー(起業家)の視点に立って、村で事業を始めるなら、という課題設定をもとにチームで二泊三日でアイデアを出すという合宿で、自分が名古屋で何かを始めるのなら、アイデアを他人に発表できる形にしてみる練習になるのではと思い参加しました。とてもいいイベントで、自分の強みと弱みが予想通りな形で出てきて面白かったです。

強く共感できる目標を持った人に出会う


その後タイミングはいつだったかハッキリ覚えていないですが、エデン名古屋というイベントBarでエデン横浜の店長のきりさんという人と出会ったのが結構インパクト強かった気がします。

なんというか、僕の勘違いでなければ自分が考えていることと似ていて、かつ先に具体的に始めている人に初めて出会った感があったんですね。あれは僕にとって、言語化できない部分がまだ多いですが直感的ないい出会いだった気がします。発火してなかった脳のシナプスが発火した感じ。シナプス発火の例えを日頃から使うんですけど、この感覚的な話伝わってる人って実際どれくらいいるんでしょうね。

そのきりさんのNoteの中から自分が共感したところをピックアップすれば、僕の考えが伝わりやすいかもしれないので、引用させてもらいます。
きりさんがエデン名古屋という場所をやりたい理由は、

「子供のサードプレイスを作ること」
「今の自分の視野では見えていない面白い人間と偶発的に出会う仕組みを作るため」

わたしがエデン横浜をやる理由

ということらしいです。

その当時からは僕の思考も多少なりとも変わってはいるのですが、今読み返しても、親近感というか共感というか、そういうのを強く覚えます。

僕が元々名古屋でなにか場所を借りてやろうと思っていたのも、根本は自分のためのサードプレイス、もしくはセミパブリックな空間が欲しいというのが根本にあります。

僕の知らない人が来れる、自分の部屋が欲しい

僕は昔から、喫茶店では仕事が捗るが、家だとダラダラしてしまう性格でして、これは共感してくれる人もいれば真反対の人もいますよね。

僕は完全前者でして、家に人がいたり、公共の場などの衆人環境の方が物事にやる気が出るタイプなんです。何か没頭する対象がある期間だと、家でもどこでも構わないのですが、今この瞬間やらないと、という気持ちになる物以外は家では後回しにしてしまい、精神的な負債として貯まるタイプなんです。

自分が35年生きてきて、テレワークや勉強や色々を家や喫茶店、コワーキングスペースで試した結果、何か変化を起こさないとこのままだと自分が面白いと思う人生を送れないのでは、という気持ちになりました。現状から未来が予測できてしまう感じがあったんです。独身であれば一日中コワーキングスペースにいたりすることは可能なのですが、妻と子供がいるので、そういうわけにもいかず、その中でも喫茶店に行くという習慣は継続させてもらっているとはいえ、喫茶店だと長居しても2、3時間が気分的に、店的にリミットなんじゃないかと思い、それではちょっとなあと思っていたんです。コーヒー代もバカにならないし、カフェインとタバコに頼っているのもなんか小憎たらしいしと。楽器を弾いたり歌ったり、ヨガしたりシャドーボクシングしたりは喫茶店はもちろん、コワーキングスペースでもできないしなあと。自分が一番自分のやりたいことに集中できる場所が欲しいと、切に願っていたのです。

そんなこんなで、僕のその時の考えが、「じゃあ、自分の家をパブリックに開放したらいいじゃん」という考えでした。半分自分の家、半分公共に開かれた場所。これなら僕が好きな音楽を流し、好きな時に身体を動かしたりできるんじゃないかと。それに人の話を聞くのが好きな僕は、今まで出会わなかったような種類の人に出会えるようになるんじゃないかと。

ここで問題になってくるのが妻の性格。そんな他人が気軽に家に入ってくるという環境なんてどう考えても耐えられない、想像もできない、そもそも知らない人がいる多人数のパーティとか全然好きじゃないタイプの僕の妻は僕のアイデアを自宅ですることに賛成するはずもなく、多分僕もそんな無理な相談はしていないはずです。

なので、別宅として、よくある趣味部屋の延長みたいな感じで物件を探すことにしました。なんで、仰々しく喫茶店とかカフェとかコワーキングスペースを始めるぞ!みたいな感じではなかったので、不動産屋に「コワーキングスペースみたいなやつをやりたいんです」というふわっとした説明をしていたのを覚えています。

今に至る上で影響を受けた人達


その時期に読んだり知ったりして影響を受けたのはセミパブリックな空間を街に広げていこうという活動をしている田中元子さんと、「住み開き」という概念を提唱していたアサダワタルさん。何かを始める心理的ハードルを教えてくれたのは、えらてんことえらいてんちょうこと矢内 東紀さんと、高円寺周辺で「素人の乱」というリサイクルショップをやったり、文化的にいろいろめちゃくちゃなことをやっている松本哉さん。

彼らの本からは、無理せず、フランクに、やりたいことをスモールで始めることのワクワク感がもらえ、起業へのハードルを大きく下げることができました。起業どうたらこうたらというより、どのようにして世間や社会と関わっていくかということについての一つの大きなオルタナティブな選択肢をもらったというのが僕の中で大きい気がします。

そんなこんなで、不動産屋やネットで調べて家候補を名古屋で見つけたのですが、家賃5万でかなりボロボロの古民家。僕的には全然これでいいと思ったんですが、友人たちに相談すると「高くない?」とか「修繕費めちゃかかるよ」とかそういった現実的な意見。僕も同意する内容で、どうしたもんかな〜と引き続きちょっと探したりしながら上記のアントレキャンプとかに参加してたりしていると、協力隊の募集があることを知り、僕のやりたいことは都会だと住居と商い用の物件を借りてなかなかお金がかかりそうだけど、田舎なら賃貸代は確実に安いので、多趣味な僕の荷物の多さと、僕のやりたい空間づくりが家族に負担が多少はかかりにくい形でできるのではと思って、まあ落ちてもきちんと自分のアイデアを見てもらえることはありがたいということで準備して、準備不足でなかなかのひどいプレゼンをかましたんですが、なぜかポテンシャル採用をいただき、曽爾村に来ることになったという流れです。

元々話が長くなりがちなので、文章を短くしようとしても長くなってしまいますね。最後は大分端折った感じありますが、まあ大体は伝わったんじゃないかと思います。

曽爾村での起業についての話に至るまでの助走はこれで大体終わったと思うので、実際に曽爾村で何をやりたいかについては次の記事で。



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