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板金マスターになりたい.というか加工マスター

この記事はCanSatチームFUSiONのアドベントカレンダー2023,11日目(12月13日)の記事です。

こんにちは,Hadaです。板金加工してみたのでその話しようと思います。

事の発端 回想

 私は昨年、高専ロボコンで板部品を使うと剛性が上がると信じ使いまくっていた。当時板部品を作る卓上CNCフライスはトルクが微妙、剛性も微妙ということで非常に時間と手間がかかっていたため、切削が終わり切粉を掃除機で吸い取ったあとの部品には愛着が湧いていたのも良い思い出である。

 大学に編入した私はロボコンからロケットへと鞍替え(もともと宇宙工学に興味があったから)した。そこでの加工はNC加工に頼りまくっており、大学の前期で私は使い方をある程度知ることができた。
 さてここまで環境が整ってしまえば何か自分で削り出して部品を作ってみたいよねということでCanSatに手を出してしまったわけである。


CanSatの構造


こんな感じで設計すればいいのか??

 CanSatがどのようなものか、私の理解はロケットに入る大きさでミッションを遂行できるロボットを作ろうというものです(あってる?)。
 「CanSatの構造は3Dプリンター部品と基板によって構成されるものが一般的で…」と聞いて(一意見です)ロケットの燃焼振動とか高高度からの落下とかするものがそんなに剛性低くて大丈夫なのか心配になりました。
ロボットはやっぱりアルミの塊で作ってみたいものです。早速設計してアルミの削り出し一体部品を考えました。(重量制限で悩むことが目に見えてるが)

歩留まり

 一般的に歩留まりがいい加工方法を選ぶべきですが、学生の身の私からしても一点物とはいえ材料費は安く抑えたいものです。最初全部削り出してやるぞと意気込んでいた私もモデリングした部品の削る量に萎えてしまい、複数部品に分けて加工方法を変えることにしました。その中に箱型の部品があり私はこの部品を板金で作ることにしました。

削り出し結果

つよつよ“4枚刃超硬スクエアエンドミル“で今回は削っていきます。新品のエンドミルってきれい…
金属加工用の門型CNCフライスなかったので治具を作ってバイスで挟んで加工できるようにしました。(治具の形はちょっと悩みました。ホームセンターに売ってるもので作りたかったし)

治具をつけたらこんな感じ
セットした

1.5時間くらいで全部削り出せました(はやくて感動)。ガガガってこの世の終わりみたいな騒音出すと思っていたのに静かなのもポイント高いです。

固定用のねじは途中でエンドミルが干渉することに気づき外しました。

メカメカしててかっこいい…
部品が吹き飛ばないようにタブをつけたのですが両面テープでよかったかもですね。取るのが大変でした(少なくともタブ高さは低くするべき。1mmにしてた)。

これはインスタ映え

曲げてみると…

ベンダーを用いて曲げを行いました。固くクランプしたつもりが滑ってうまく曲げられません。これは板厚を小さくしたら解決しそう?溝つけてもt3の板の曲げは難しいです.最終手段で木ハンマーでたたいてなんとか調整しました.

曲げ中

板金のメリット・デメリット

板金のメリットは
①軽くできる
②歩留まりがいい
③加工が簡単?(全部削り出しだと工具が入らないところが出てくる)
ってところですかね…

デメリットは
①曲げが難しい。精度が出ない
②溝を作ったらそこに応力集中して破断しそう。そこも含めて解析が必要かもしれない。
くらいか…

致命的なデメリットでもないので試行錯誤したらいい感じの部品ができそうです。板曲げ部品を部品としてちゃんと採用したのは今回が初めてだったので知ってる人教えてほしいです。わからん。

こんな感じにする

~回想~
画像は残ってないですが昔t3の板を135°くらい曲げる部品を出して加工してもらう先輩に「これ無理」って言われ、ここで初めてちゃんと加工のこと考えて設計しないとだめだなと気づきました。t3って思ったより厚いです。

きもきも形状の部品を作りたい

 高専のころは設計ばっかりで部室加工ばかりやってましたが、加工機をいろいろ使えるようになると思ったものが作れて最近人生が楽しいです。特に金属加工って仕上がりがきれいになりがちなので今後も使っていきたい…
 
 軽量化するためには最適化された形状を3Dプリンターで印刷するとか複合材料でプラスチック製品の射出成型とかが今後増えていくんでしょうか。まだまだ未知の加工方法とかいっぱいありそうだしどんどん探索していきたいです。

 学生のものづくりの良さは,大量生産とか考えなくていいからきもきもな形状の部品を設計してもいろいろな手段を使って加工して作り上げる「至高の一品」を作れることにあるのではないかと思いました。


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