short story series『と、私も前々から考えていた』マッチ棒 case04

作・渡邉大

マッチ箱。中身はマッチが沢山。
当たり前。マッチ箱なんだから。
そんな事をかんがえてた17歳の私は先週に習い事を辞めた。これで習い事を止めるのは5回目だったか。
マッチって使っている間、メラメラと燃え上がり、熱を持っている。そして燃え尽きてしまう。
アルコールランプやガスバーナーにでも付けなければ、火を継続するのは難しい。
マッチ箱の中ではその使って無くなった分、新しいマッチを補充しなければだ。
私の一生にはアルコールやガスみたいな燃料はあるのか。
私はこの16年間、マッチに火をつけては消して、つけては消してを繰り返していた。
マッチと時間の無駄が過ぎる。
今の私は不安で仕方ない。
こんなにもマッチを持っているのに私のつけた火は全て消えてしまうのか。
私は今、6本目をつけ始めたけどもいつまで続くかわかったものじゃない。
私の可能性は、燃え上がることは無いのかな。

2018年12月13日

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