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演劇入門-生きることは演じること-


著者は劇作家で演出家の鴻上尚史さん。


演劇と映像の違いやセリフを言う時にはどんな感情が隠れているのか、なぜ私たちに演劇が必要なのかを書いている。


前者は役者向けに見えるが、俳優の努力について考える機会でもある。
読めば映画やドラマを見る視点が変わってくるし、日常の会話を聞いていても「こんな感情が言葉の下に隠れているんだろうな」と分析できてきっと楽しくなる。


題名にもあるように、演劇は役者だけのものではない。


私たちは常に誰かにとっては「友達」だし「家族」で「パートナー」でもある。
先生や経営者、先輩という役を生きている。



それぞれで使う言葉も違うし、見られ方も違う。


成長するにつれて

①失敗してもいい場所
②試行錯誤ができる場所
③なんでも話していいと思える場所


これらが整っている場所は少ない。
もちろん、傷つけまいと言葉を選ぶのは必要なことだし失敗をしないに越したこともない。
悩まずに事が運べばどれだけ楽だろう。


でも簡単に行くはずがない。


だからこそこの3つの場所が整えられた場所が必要なんだと思う。



彼はダメ出しがない演劇界が増えることを祈っている。


新人の役者は演じることだけでも緊張している。
彼らを否定するのは簡単だけど、言葉一つで彼らのやる気や挑戦する意思を削いでしまう。
自分も相手も良い気持ちにはならない。

それよりは認めたり、話し合いで方向性を決めていくほうがよっぽど円滑だし嫌な気持ちにもならない。




これは職場や人間関係にも言えるんじゃないか。



「自分は今こう思ったな」「相手はなんでこんな言葉を言ったんだろう」

そう考えれば違った視点で感情を捉えられる。そんな気がしている。



もっと演じる事が、演じている事が身近な存在になりますように。









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