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ブドウの国★Grape!Grape!Grape!★

意外とやることがあった上に予定も入ってきちゃって、早くやりたい旅の整理はのびのびモード。あっという間に新年がスタートしてしまったので、会う人順にお土産を渡しながら、イスタンブールで買ってきたハーブティーで一息ついてる毎日。計算間違いして大量にお茶を買ってしまい、これはどうしたものかと思っていたけれど、気がつけばそれなりになくなりそうな雰囲気になっている。買う時には想定外の量と金額に怪しいなあと思った部分もあったけれど、値段なりに良いお茶だったらしく、差し上げた方からお礼を言われてほっと胸をなでおろす。あまりお土産のことを考えていなくてマニアックなものしか買ってなかったのだけど、お口と身体にあって何より。『これはロウソクなの?』と聞かれたジョージアのお菓子、チュルチュヘラも意外と好評で嬉しい。

★みかんの横、右側にぶら下がってる細長いのがチュルチュヘラ★

ワイン発祥の地ジョージアは首都のトビリシでさえブドウの木だらけで『ワインなんてどこでも造ってるよ』とコタロー氏が言ってたのは拍子抜けするくらいに本当だった。そんな土地柄、お菓子もブドウジュースを使ったものが多いのだけど、これは紐に吊るしたナッツを小麦粉を混ぜたブドウジュースでコーティングしたもの。見た目は甘そうだけど、少しもっちりしていてあっさりしたお味。カットして食べる。お土産にあげた人が『お米の甘味がした』と材料も知らないのに言ってきて驚いたんだけど、確かに穀類の甘味がほのかにする。

初めて見た時から、保存食としても栄養食としても良さそうだ、とこのお菓子が気になっていて、20本くらい買ってこようと思っていた。のだけど、いざ行ってみたらあまりにどこでも売っているので、どこで買おうかなと思ってるうちに買いそびれてしまい、トルコとの国境を越える寸前に10本を大人買いしたものの、結果的には14本しか買えなかったという一品。ジョージアだと家でできたブドウの有効利用、保存も効くし気軽に作れるお菓子なのだろうけど、ブドウもクルミも高い日本では素朴なわりに高価なお菓子、ということになるかもしれない。ジョージアはおいしいフルーツも豊富なのだけど、冬はリンゴとみかんくらい、と聞いていたのに、街ではブドウとザクロもてんこ盛りだった。どちらも甘くてフレッシュでおいしかった。ちなみにジョージアもトルコも、スーパーのような売り方のところでも、果物も野菜も冷蔵設備に入れて売ってるところは見ていない。

★こんな感じでフルーツも一緒にいろんなところで売っている★

写真にあるような、アレキサンダーのような細長い品種で緑と紫の二種類をよく見かけた。私の貧弱な語学力でも詳しくちゃんとしたことを聞けそうな人が見つからなかったので、ジョージアには500種類もブドウがあるそうだから、冬向きの品種もあるのかもね、と勝手に思いながら眺めていた。冬枯れて同じように見えるブドウの木も、きっといろんな種類があるのだろう。

ちなみにチュルチュヘラの色がいろいろあるのは、違う果物の果汁を使っているからだそうだ。伝統的なものはブドウジュースの紫色。でも数年前から色のバリエーションを求めた新しいバージョンが作られるようになったのだそう。たとえば緑はキウイ。やっぱり天然の果汁だけを使っているみたいで、色素は添加していないらしい。ジョージアでは農薬や添加物を使ったらコストがかかるじゃん、というのが今も主流な考え方みたい(←羨ましい)。やっぱり普通に考えたらそうなるよね、と思いながら聞いていた。

ジョージアもトルコと同じようにドライフルーツやナッツが豊富だった。クルミや干し柿など、こんなふうに紐に吊るして売っているのもよく見かけた。トルコでも似たような感じのもあったんだけど、ナッツを袋にてんこ盛り!しての販売が多かったし、チュルチュヘラがない分、雰囲気はかなり違ってた。このブドウジュースのお菓子はのインパクトはとても大きい。いつか大量に作ってうちの小屋に吊り下げて、クリスマスパーティーなどしてみたいなと思っている。ちなみに左手前の皮のシートみたいなやつは同じくブドウジュースを固めて巻いたもの。ブドウジュースのパンプディングなんかもあって、ジョージアは本当にブドウ天国だ。

いつ頃から作られているのか、分からないけれど、チュルチュヘラは作る人によって味も趣も変わるお菓子だ。痩せてたり太ってたり、シュッとしてるのもあれば、なんとなくバランスを欠いてる感じがするものもある。すごく素朴な分、作る人の感じが出やすいかも、と思いながら食べていた。芯となる、紐に吊るすクルミの選び方や並べ方で姿形を造るのだろうし、それだけでも見た目が変わる。このお菓子の見た目は本当にインパクトが大きいから、長年作ってる人にはそれなりのコツがありそうだ。基本はブドウジュースの甘さのみで作るらしいけれど、場合によっては砂糖を入れてる人もいると思う。果汁を乾かして使った食べ物、しかも保存が効くタイプを見るのは初めてだったので、チュルチュヘラを見るのは楽しかった。トビリシにいたときは味見をしては1本ずつ、という感じで買っていたのだけど、8本くらいは味見している。ちなみにトルコには同じようにナッツを芯にして蜂蜜で固めたものがあったのだけど、こっちはモチモチしてるのにけっこう硬くて、人によっては食べにくいのではなかろうか、という感じがしてお土産の手が出なかったのだけど、今から思えば買ってくればよかったな。

吊り下げて売る、というチュルチュヘラのスタイルはジョージアのどこに行っても同じだった。ただ、トルコとの国境沿いの街トラブゾン辺りに行くとほとんど見かけなくなって、買うのに焦ったんだけど。トルコにもブドウの産地はあるけれど、チュルチュヘラは見かけなかった。機会があったら大量に吊るされているこのお菓子を作っているところも見てみたい。イメージは蜜ろうで作るロウソクみたいな感じだから、『これって食べられるの?』って聞いてきた友だちのことは笑えないんだけど。

★バスステーションのお店。右上に吊るしてるのもチュルチュヘラ★



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