30年近く 草ソフトボールチームの運営をやって来た私が学んだこと(2)

見事に梅雨の時期です。拙文をしたためている窓の外では雨がとめどなく降り続けてます。

草野球や草ソフトボールなど雨天中止が抱き合わせになってるスポーツでは、雨天時対応こそチームの格が出る場面ではないでしょうか。

もちろんやれるに越した事はないのです。
対戦相手も含め参加者全員が同じ町内に居て、雨降ってもすぐ帰れる環境なら気にしなくても良いのです。

ただ現実はそんな事はなく、グラウンドまで自転車こいで10分位で来れるメンバーも居れば、片道2時間ぐらいかけて車や電車の乗り継ぎやらで来るメンバーだっている。
もし中止になったら仕事の続きをしないといけないメンバーも居れば、家族サービスしないといけないメンバーもいる。両軍あわせて最低でも18人、いやベンチスタートの人も合わせたら20~30人の貴重な休日を無駄にしないようにする。それが運営のココロではないでしょうか。

こんなことが過去実際にありました。

対戦相手が確保したグラウンド、我が家から片道1時間30分かかります。でも朝から雨です。天気予報では先方の地域も雨が降ってる模様です。
当時雨天中止の際はメールを入れる事になってました。
でも相手から連絡は来ず、こちらから電話しても「グラウンド取った奴が電話に出ない」の一点張り。

メンバーから「今日は本当にやるのか?」問い合わせの電話や携帯メールが怒涛の如く押し寄せます。
対戦相手からの連絡が来ないのでシビレを切らせて再び電話すると「ひとまずグラウンドに集まりましょう」との事。

「え。でも雨ですよ」
「いや、まだ中止決定じゃないんです。グラウンド担当からまだ連絡ないので。」

(本当にやるのかよ・・・)

確実に無駄足になるのが明白なので、いっそここで断ってしまえば良かったのかもしれません。
ただ「ひとまずグラウンドに集まりましょう」と言われてしまえば、付き合いもあるし従うしかありません。
家を出る前に最後に天気予報をチェック。予報は変わらず「雨」です。
電車組のメンバーを途中で拾って、野球用具とメンバーと猜疑心を乗せた車はワイパーで雨粒をかきわけながら一路グラウンドへ向かいます。

雨脚はグラウンドに近づくにつれ徐々に強くなります。
この日は3チームで試合をする予定だったのですが、駐車場に着くと既に40人以上の選手が傘を差して談笑してました。

グラウンドを取ったチームの代表が居たので挨拶しに行きます。
「グラウンド取った人から連絡はあったんですか?」
「いやあ、それは良くわからないんです」

勿論グラウンドは水田の様な状態、当然利用者の姿も見えません。
利用開始時間の5分前になって、先方のグラウンド抽選担当がやってきました。この人グラウンドのすぐ裏のマンションに住んでるのです。

彼はニヤニヤしながら言い放ったのです
「いやあ、これじゃあ無理ですよねえ~」

当時、私は30歳を過ぎた頃でしたが、その一言を言われた瞬間生まれてはじめて殺意というものが芽生えました。先にも現時点で今でもあんな感情になった事は経験したことがありません。

ただ何故拳を収めたのか・・・それは

「こんなクソ下らない奴の為に、自分の人生を棒に振って、この先一生ボールゲームが出来なくなったらどうするんだ!」

という心の声が聞こえたからです。

雨天中止は決定し、半分くらいの人はそのまま帰り、残った半分の人達と近くのファミレスへ移動し、昼ごはんを食べて解散しました。

あんなに虚しい休日はなかったです。
それ以前もそれ以後も試合途中で雨天中止になった事は何度も経験してます。ただあの時は未然に無駄足を回避できたはずです。

<ここで学んだ事>
1.野球・ソフトボールは雨天中止が必ずある。自己所有のドーム球場でもあれば話は別ですが。
2.自分達がグラウンドを確保した場合、中止判断は何時にするのか決めておく。
3.相手方がグラウンドを確保した場合、雨天時対応を事前に確認する。
4.グラウンドによっては利用2時間前に管理者が判断という場合もあるが、対戦相手が遠方から来る場合、早期キャンセル出来るようにしておく(または試合は中止で、有志参加の練習に切り替えるorキャンセル出来るグラウンド を使う)
5.軽率な判断は最低でも18人以上の貴重な時間を台無しにしかねない。自分自身が試合をやりたいからという願望は慎むべき。生きていればまた試合が出来る。チームに愛想を尽かされて人が減るよりは良い。

まずは自分達が手本にならないと・・・という事で「可能な限り雨天中止決定は早めに」「参加者1人たりとも無駄足させない」は堅守する事にしました。

実は記憶にあるうちで少なくても2回は「中止にしたけど、出来たんじゃないの?」と空振りに終わった事がありました。
でも参加者が色んな思いや時間の都合を付けて集まる場所だからこそ、貴重な休日を台無しにしない様「気配り」は必要ではないでしょうか。
可能な限り出来る方向への精度は高めて行く、でも思いやる気持ちは忘れない。良い判断をしたとは思ってます。

追伸~
私が殺意を覚えたというグラウンドを取った主は、そのチーム内でも評判が良くなく、後日そのチームのメンバーと食事した際に「アイツの事、本当許せないので愚痴を聞いてくださいよ~」と泣きつかれて、溜飲が下がった思い出がありました。


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