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年末年始まとめ① 東之宮古墳

犬山市民としては馴染みの深い東之宮古墳。

東海地区だけではなく、“東日本”最古級(東日本?)と言われる前方後方墳です。前方後"円"墳ではなく、後"方"墳というところがポイントです。

副葬品として三角縁神獣鏡などが 出土(いずれも国指定重文、京博にて展示)したことで知られます。

子どもの頃から行ってみたいと思いつつ、山の頂にあるため、何となく足が向かないまま。最近、成田山の裏手、新生大仏のところからの道が整備されたと聞いて行ってみました。

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犬山成田山の裏手には「新生大仏」という大きな銅製の仏像がありますが、そこから遊歩道が整備されました。遊歩道入口脇に3台ほどの駐車場があります。いかにも「整備されたて」感が出ていますね。

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遊歩道はこんな岩の回廊のようになっています。かなり豪快に削り取っていて、アセスメントをちゃんとしたのか心配になりますが、見た目は壮観です。

東之宮古墳のある白山平山はチャート岩でできているようで、この岩もそうなのでしょう。すぐ近くの桃太郎神社前の木曽川にはチャートの大規模な露頭があり、地質学者の間ではかなり有名なのだそうです。

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地質のことはよく知らないのですが、層状チャート、というものでしょうか。チャートは非常に堅く、火打ち石の原料に使われたりもしていました。東之宮古墳の葺き石や、犬山城の石垣にも利用されています。

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駐車場からは上り坂が少々キツいですが、5分もあれば頂上に到着します。古墳の脇には「東之宮社」という神社が鎮座しています。ここからまっすぐ南に石段が降りていて、そちらが本来の参道のようです。

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古墳を北側から見ています。左が後方部、右が前方部です。頂上は平らな状態で、そこに、山を削り取ったのではなく盛り土をして作られています。

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前方部から後方部を見ています。思ったよりも高くて、高さは7mほどあるとか。頂上にあることもあってか、思ったより高く感じます。

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後方部から前方部を見ています。木の間から木曽川が見えていますね。表面は木が生えて土と石が転がっている感じですが、チャート岩の丸い石もちらほら見え、葺き石の一部かもしれません。

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前方部より木曽川を見下ろします。遠くには対岸の岐阜側がよく見え、神の山・伊吹山を遠く望みます。航空自衛隊岐阜基地も見えますね。

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南側を見ると、濃尾平野が広々と見えます。右の小高い丘は最近、信長の城として話題の小牧山城です。頂上の博物館は現在工事をしているようで覆いがかかっています。左奥には名古屋駅周辺の高層ビル群が見えます。

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我らが犬山城はすぐ間近に見えます。岐阜側には金華山(岐阜城)もよく見えるため、信長、秀吉が活躍したお城がたくさん見えます。2020年大河ドラマの『麒麟が来る』はまさにこの一帯が舞台です。犬山城出てくるかなー。

東之宮社では、氏子の皆さんが総出で掃除をしたり、幟を揚げたりしてお正月の準備に勤しんでおられました。全国的にも著名な古墳ですが、地元の皆さんにとってはやはり守り神として大切にされているようですね。

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降りてくると、青空に碧い体の映える新生大仏が迎えてくれます。お正月のためのしめ縄飾りがされていました。

訪問日:2019.12.29.

【東之宮古墳(ひがしのみやこふん)】
住所:〒484-0081 愛知県犬山市大字犬山北白山平6
駐車場:成田山裏の新生大仏前、遊歩道脇に3台あり(無料)




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