塩が発色を変える。
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塩が発色を変える。

文・撮影/長尾謙一

クリスマス島の塩(素材のちから第34号より)

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発色よく、ふわっと開いたローストビーフ

肉のプロは、赤く発色したローストビーフを見て〝真っ赤な花が咲いた〟と表現した。さらに〝ふわっと開いた赤〟と、その色を評価した。この赤色は店頭に並べたあとも、冷蔵ショーケースの中で色持ちする。

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美しい赤色はローストビーフのおいしさのポイントだ。自然由来の素材で、この美しい赤を表現できるとすればこんなにいいことはない。「クリスマス島の塩」がローストビーフの発色を変えた。

塩の違いで、こんなに赤みに差が出るとは思いませんでした。

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代表取締役 加瀬 敏克 さん

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肉のあさひ 東京都江戸川区松島
「肉のあさひ」はシンプルに〝おいしい肉を正直に売る〟ことが信条で、宮城県産の肉を中心に品揃えしている。7種類もあるローストビーフは超人気商品で「肉のあさひのローストビーフは死ぬほどおいしい。」「夢の味がする。」「一口ごとにうまさ爆発、たぶん、おそらく世界一おいしい。」などツイッターで大絶賛されている。毎年肉の生産農家をまわり勉強を怠らない、向上心のかたまりのようなお肉屋さんだ。

「クリスマス島の塩」の角のないやわらかな塩味は、素材の味をダイレクトに表現すると評価されるが、もう一つ気になっていたことがある。「クリスマス島の塩」が素材の発色をよくする効果だ。そこで「クリスマス島の塩」と通常の塩を使い分けてローストビーフの発色の違いを比べてみようと思う。

「クリスマス島の塩」には、素材を美しく発色させる効果があるかもしれない

以前弊誌で「クリスマス島の塩」を使った〝カラスミ〟と〝もち豚のロースハム〟を取材させていただいたことがある。その時には「クリスマス島の塩」のやさしい塩味は、深く旨みのある〝カラスミ〟と肉の旨みがダイレクトに伝わる〝もち豚のロースハム〟をつくり出すことをご紹介した。

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実は評価されたのはそれだけではなかった。カラスミに深い赤色が出ることと、豚のロースハムの発色がよく、さらにそれが長く続くことも「クリスマス島の塩」の効果だと認められた。塩の違いが素材の色と関係があるのだろうか。「クリスマス島の塩」には素材の発色を助ける効果があるのだろうか。

そこで今回は、「クリスマス島の塩」をローストビーフに使うことによって、肉の色に何か影響があるのか確かめてみることにした。

「クリスマス島の塩」と通常の塩でローストビーフを焼き分ける

お願いしたのは〝肉のあさひ〟、牛肉にこだわる肉の専門店だ。店内に入って一番に目に飛び込むのが冷蔵ショーケースに並ぶ7種類のローストビーフだ。なぜこんなに種類があるのかというと、一頭買いする牛のサーロイン、ロース、イチボ、外モモ、内モモ、トモサンカク、トウガラシ、カメノコなど、それぞれの部位の特徴をローストビーフで楽しんでもらいたいからだそうだ。部位によって火入れの時間や休ませる時間を細かく変える。ご主人の加瀬さんはこうした調整がかなり楽しくなっているという。

〝肉のあさひ〟ではローストビーフの味入れに以前から「クリスマス島の塩」を使っている。「クリスマス島の塩」の角のないやわらかな塩味が牛肉本来の旨みを楽しませてくれるからだ。

今回の「クリスマス島の塩」と通常の塩との発色比較の趣旨を説明させていただき、検証のご了解をいただいた。

この発色のよさはローストビーフの商品価値を上げる

使う部位はモモの部分のカメノコ。日本人好みのサシの入った赤身。繊細で深みのある味わいは赤身好きにはたまらない部位だ。条件に違いが出ないようにカメノコの大きさや形はなるべく同じにした。「クリスマス島の塩」と通常の塩をそれぞれスパイスとブレンドしたものをカメノコにまぶして一晩寝かせて味入れした。

味入れの段階で一晩寝かせたものを比較してみると、ドリップの量がかなり違う。通常の塩で味入れしたものは、「クリスマス島の塩」で味入れしたものに比べてドリップの量が多い。どうしてだろう? 肉と魚は違うかもしれないが、魚の場合はドリップがたくさん出るのはよくないことだ。流れ出たドリップにはアミノ酸などの旨み成分も含まれているからだ。今回の場合はどう理解すればいいのだろうか?

翌日、味入れしたそれぞれの肉をコンベクションオーブンで火入れした。焼成温度は100℃。30分間焼いて10分間オーブンの中で休ませる。その後また10分間焼く。中心温度は大体56℃あたりで、焼いたあとさらに一晩寝かせた。焼成条件もその後の保管条件も同じになるように細心の注意を払った。

次の日、いよいよ切って断面を確認した。カットしたあとの発色を待って撮影したのがこの写真だ。

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カットしてから撮影するまで待った時間は同じだ。「クリスマス島の塩」を使った方は見事な赤みが出ている。「海水塩という自然由来のもので、こうやって発色するのは素晴らしい。もともとうちが〝クリスマス島の塩〟を使っているのは、まろやかな味の部分です。シェフの皆さんがシャルキュトリに使うと豚肉の発色がいいということを聞いていましたが、実際に自分がやってみてこういう結果が出るとあらためて驚きました。」と加瀬さんは言う。

食べてみてさらに驚いた。「クリスマス島の塩」のやさしく入った塩味が赤身肉の旨みを感じさせたのはもちろんだが、食感がしなやかでしっとりとしている。ドリップの差はここに出ていると思った。

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シンシンも、通常の塩(上)と「クリスマス島の塩」(下)で比較してみた。スライスすると色の違いがよく分かる。

いかがだろう。低温調理が流行り出したからだろうか、ローストビーフを目にすることが増えたが、おいしいローストビーフの大きなポイントの一つは色のよさだ。「クリスマス島の塩」が表現する美しい赤がローストビーフの商品価値を上げてくれる。

協力/お問い合わせ:クリスマス・アイランド21株式会社

(2019年6月30日発行「素材のちから」第34号掲載記事)

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素材の生産者や食品メーカー、輸入者の皆さんの商品への深い思い入れを料理人の皆さまにお伝えしたく、2010年より外食店向けの食材情報誌「素材のちから」の発行を続けています。そして2021年noteでも発信をスタートさせます。http://www.sozainochikara.jp/