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このサメガレイは甘い!
文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉
“まるで鮮シリーズ” 北海道根室産 サメガレイスキンレス
(素材のちから第41号より)
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「北海道根室産 サメガレイスキンレス」は、根室で獲れたサメガレイを使いやすいように皮を引いてフィレ加工し、アルコールで“リキッド凍結”させている。まるで身が動き出しそうなこの抜群の鮮度が、脂をたっぷりと持ったサメガレイのおいしさを楽しませてくれる。
たっぷりと含む脂のおいしさが、白身の艶に現れている。
サメガレイは鮮度劣化が早いために、なかなかおいしい刺身には出会えないと言われるが、根室で獲れたこのサメガレイのおいしさは見事だ。その脂の甘さにうっとりしてしまう。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55904791/picture_pc_41b2035873fe734ecdb37136338d4a2e.jpg?width=800)
お客様には、サメガレイの脂のおいしさを語りたい
根室産・サメガレイの皮を引き、フィレ加工して〝リキッド凍結〟
ご紹介する〝まるで鮮シリーズ〟「北海道根室産 サメガレイスキンレス」は、〝活〟に迫る品質を目指し地場の人達、加工工場、販売者が一体となって商品をつくる〝まるで鮮シリーズ〟の新アイテムである。〝まるで鮮シリーズ〟は三者一体だからこそ可能になる、今までにない品質へのアプローチにより、すでに「金華鯖フィーレ」、「金華いわしフィーレ」、「日高沖本ししゃも」など、数多くのアイテムを展開し高い評価を得ている。
さて、「北海道根室産 サメガレイスキンレス」を見てみよう。この商品は何といっても刺身で食べることを勧めたい。身に濃厚な脂をたっぷりと持っていて、噛めば噛むほど旨みと甘みが口の中に広がる。
本来サメガレイは、東北ではホンダガレイと呼ばれ親しまれている脂の多い白身魚なのだが、これほど豊かな脂のおいしさを感じるのは、やはり鮮度がいいからだろう。
「サメガレイスキンレス」は、使いやすいように皮を引いてフィレ加工したあと、ここに独自製法を加え真空パックして、アルコールにより〝リキッド凍結〟される。この〝リキッド凍結〟がなかなかの優れもので、凍結時に身の中にできる氷結晶の成長を抑えることで細胞破壊による品質劣化を防いでくれる。そのため「サメガレイスキンレス」は、旨みも甘みも身の中に留めているのだ。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55907114/picture_pc_e278e51004a09185a182d8d6ef8ac916.jpg?width=800)
刺身はわざと薄めに切った。身がしっかりとしていることと、濃厚な脂をたっぷりと持っているからだ。塩だけで食べてみると膨らむような脂の甘みと香りが堪能できるし、かいわれ大根、湯通ししたしめじ、長芋の千切りを巻いて食べると、脂で馴染んだ具材の味わいも絶妙で食感も楽しめる。さらに、えんがわのおいしさは、もう言うに及ばない。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55904838/picture_pc_472a51707bb7944c58f6dbe874b05269.jpg?width=800)
パクチー、レモン、コチュジャンをのせて握り寿司をつくってみると、これがまたなかなかおいしい。豊かな脂は大トロにも引けを取らない。〝サメガレイ〟は、北海道の寿司店がメニュー化して人気の魚になったと聞いたが十分に納得できる。お客様にはサメガレイの脂のおいしさを語りたい。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55904859/picture_pc_04a3f75fd4df2dbb6a70db1ae3b377cf.jpg?width=800)
「サメガレイスキンレス」はさまざまなメニューに使える
さて、「サメガレイスキンレス」のメニューには〝セビーチェ〟もお勧めしたい。もちろんカルパッチョもいいのだが、サメガレイの脂のおいしさを柑橘の果汁と組み合わせてみたかったのだ。
サメガレイのセビーチェ
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55904902/picture_pc_ae3437fb16535cfbd21e73cb004503a2.jpg?width=800)
ボウルでレモン汁、オリーブオイル、唐辛子のみじん切り、塩、胡椒を混ぜ、そこに「サメガレイスキンレス」を食べやすい大きさにスライスして加え合わせる。これを紫玉ねぎのみじん切りと、パクチーと一緒に皿に盛った。
やはり、レモンのさわやかな酸味はサメガレイと相性がいい。レモンのさわやかな酸味の中にサメガレイの脂が現れ、身を噛むほどにどんどんと甘みを増していくのだ。
とにかく身が甘く感じられる。加えた唐辛子がピリ辛のアクセントになり、パクチーと紫玉ねぎが独特の風味を添える。マリネ液に漬ける時間の長さによって、切り身の質感が変わるので注意したい。
次は加熱メニューを試作してみよう。
サメガレイのムニエル クリームソース
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まずは〝サメガレイのムニエル クリームソース〟である。「サメガレイスキンレス」を、えんがわをつけたまま小麦粉をふってムニエルにしてみる。
バターで蒸し煮にしたキャベツ、焼きねぎの上に盛り付けセルフィーユを飾る。ソースは玉ねぎ、白ワインビネガー、白ワインをゆっくり煮詰め、生クリームを加えてバター、塩、胡椒で味を調えた。
加熱すると身はふんわりとやわらかくふくらんで、えんがわはとろりとなり、バターの香りがたまらない。鮮度レベルは加熱メニューでも明らかに分かる。
次はズッキーニ、パプリカ、アスパラなどの野菜と一緒にフリットにしてみた。
サメガレイと野菜のフリット
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衣に包まれて中で蒸し煮状態になるためか、身がふわふわ、しっとりとしている。レモンを絞ると脂の旨みが締まっておいしい。
最後はサメガレイを煮る料理だ。
サメガレイのコンフィ トマトソース
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55905087/picture_pc_836407f3eccd25f18fa1ca7fda3b8cda.jpg?width=800)
煮る料理としては煮つけがポピュラーだが、今回はオリーブオイルでコンフィにしてみた。塩をふり冷蔵庫で余分な水分を出したサメガレイを盛り付ける大きさに切り、唐辛子、ニンニクを加えたたっぷりのオリーブオイルでゆっくりと火を通した。
脂が多いサメガレイに合わせて濃厚に仕上げたトマトソースを敷き、サメガレイをのせて、塩をふり、ハーブを飾った。
身はふんわりと、えんがわはとろとろに仕上がるとは思っていたがその想像を超えていた。低温の脂で煮た身は口に入れると溶けて消えてしまうようだ。
やはり「サメガレイスキンレス」の応用範囲は広い。「サメガレイスキンレス」の〝活〟に負けない品質をぜひ、お試しいただきたい。
(2021年6月30日発行「素材のちから」第41号掲載記事)
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