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圧倒的人気ナンバーワンのドレッシングはこれだ

文・撮影/長尾謙一 
料理/横田渉 

キユーピー 焙煎胡麻 ドレッシング 
(素材のちから第30号より)

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外食市場にドレッシング製品はたくさんあるが、ごま風味の人気はとても高いらしい。さらに、ごま風味のドレッシングの中でもとろりとしたクリーミィタイプのドレッシングの人気は圧倒的だそうだ。次々と発売される新たなドレッシングのフレーバーにももちろん注目するべきだが、今一度この不動の人気ナンバーワンドレッシングの魅力をあらためて知っておく必要があるのではないだろうか。

ドレッシングの人気ナンバーワンを知ることは、お客様の好みを知ることになる

外食市場で今、どんなドレッシングが人気かご存知だろうか。やはりフレンチドレッシングだろうか? それとも具材感のあるすりおろしタイプやお酢を厳選したもの、健康を意識したノンオイルタイプのものだろうか?

そこで、キユーピー(株)での業務用ドレッシングの状況を伺ってみた。すると「キューピー 焙煎胡麻ドレッシング」が圧倒的な人気だと教えてくれた。

なるほど、〝ごま風味〟が人気なのだ。しかも乳化したクリーミィタイプだ。

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「焙煎胡麻ドレッシング」は1999年に業務用として発売され、今では不動の人気ナンバーワンが続いているという。そう聞くと、お客様に好きなドレッシングを選んでいただくサラダバーなどでは、用意するドレッシングのアイテムを今一度チェックしておく必要があるかもしれない。変わらない人気は決してあなどれない。

こだわりの焙煎方法が生み出す〝香り〟〝コク〟〝風味〟

それにしても、なぜ「焙煎胡麻ドレッシング」が圧倒的な人気ナンバーワンなのだろう。試食してみるとその人気の理由が分かる。

まず、口に入れた瞬間にすりたての煎りごまの香ばしさが広がる。その香りはとても深く、リッチだ。次に味わいだが、ごまのコクと旨みが深い味わいを生み出している。風味の余韻も心地よい。素材とのほどよい絡みと口溶けのよさは、クリーミィタイプならではの使いやすさだ。こだわりの焙煎方法がドレッシングに最適なごまの色、香り、風味を実現している。

このため用途も広い。豆腐のかけダレやほうれん草などのごま和え、鍋やしゃぶしゃぶのつけダレ、中華では担々麺、焼き肉のごまダレにも使われている。なるほど、原料へのこだわりとその汎用性が「焙煎胡麻ドレッシング」を人気ナンバーワンに押し上げたのだ。

メニュー画像は〝蒸し鶏とパクチーのサラダ〟と〝豚肉の冷しゃぶサラダ〟である。

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どちらも「焙煎胡麻ドレッシング」にとってスタンダードメニューだ。ほどよく脂を落とした蒸し鶏と湯通しした豚肉には、ごまの香りとコクがたまらないほどしっとりとなじんでいく。ご覧になっただけで料理の説明はいらないほど、そのおいしさはリアルに伝わるに違いない。

〜「焙煎胡麻ドレッシング」のそのまま使い〜
焙煎ごまの香りの高さとコクの深さをストレートに使いたい

ごまの風味と適度な酸味が油調メニューを香ばしくさっぱりと仕上げる

「焙煎胡麻ドレッシング」がサラダメニューに幅広く使えることはご説明する必要もないだろう。野菜、肉、シーフード、パスタ、豆腐など組み合わせも自由自在だ。「焙煎胡麻ドレッシング」の香ばしいごまの香りとコクが、たちまち人気のサラダメニューに仕上げてくれるはずだ。

そこで今回は「焙煎胡麻ドレッシング」をサラダのドレッシングではなく、タレやソースとして使う応用メニューを試作してみることにした。

まず、最初に油調メニューとの相性を見てみよう。とろっとしたクリーミィタイプのドレッシングは濃厚すぎて揚げ物にはくどいことが多い。しかし、「焙煎胡麻ドレッシング」の酸味とコクはとてもバランスがとれているし、素材とスムーズに絡む適度な粘度は油調メニューに合うと思ったからだ。そこで〝豚肉の唐揚げ ごまソースがけ〟をつくって試してみた。

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スライスした豚モモ肉に、生姜、醤油、酒で下味をつけ片栗粉をまぶし、油でカリッと揚げた。キュウリをスライスし皿に花びらのように盛り付け、揚げた豚肉をのせる。仕上げにごまのソースとして「焙煎胡麻ドレッシング」をかけ、白髪ネギを飾った。

やはり、さっぱりしている。適度に感じる酸味が油感を弱め、芳醇なごまの香りやコクが豚肉の甘みと重なっておいしい。合間に食べるキュウリもたまらない。

さらに油調メニューとして〝鶏のササミカツ〟をつくってみた。

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ごぼう、ニンニク、玉ねぎをオリーブオイルで炒め、フードプロセッサーでペースト状にして冷やす。鶏のササミを包丁でひらき、軽く片栗粉をふり、ごぼうのペーストを挟む。パン粉をまぶしてナスと一緒に揚げ「焙煎胡麻ドレッシング」を敷いた皿に盛り付けた。これもさっぱりした印象だ。パン粉をまとった揚げ物にはとんかつソースというのが定番だが、「焙煎胡麻ドレッシング」もいける。串揚げには両方をソースとして提供するのもいいかもしれない。

ごまの香りの高さとコクは麺との絡みが絶妙

次に「焙煎胡麻ドレッシング」を麺のタレとして使って、ごま風味豊かな〝和えそば〟をつくった。〝和えそば〟の〝和〟にこだわり、野菜は〝和〟を感じるものを使う。茹でて冷水で締めた中華麺の水気をよく切り、しめじ、れんこんを炒めたもの、鶏のむね肉を蒸してほぐしたものと合わせ、これを「焙煎胡麻ドレッシング」で和えて、万能ネギをふって仕上げた。とても簡単だ。

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〝和えそば〟にはあえて強い香辛料は使わずに、あくまでも焙煎にこだわったすりごまの風味が楽しめるような仕上げにした。

何と言ってもごまの香りがとてもおいしい。さらに、具や麺との絡みがとてもいいし伸びもある。〝和〟のこだわりが十分に表現できて満足のいく仕上がりだ。これならソースとして、うどんやそうめん、パスタなどの麺類にも幅広く使えるはずだ。

〜「焙煎胡麻ドレッシング」のアレンジ使い〜
ごま風味に素材をプラスすることでオリジナルの味わいに

「焙煎胡麻ドレッシング」の人気は〝素材のプラスワン〟が支える

さて、ここでは「焙煎胡麻ドレッシング」に何か香りや味わいをプラスして使ってみることにする。この多彩な汎用性の広さこそ人気ナンバーワンが続く大きなポイントだ。

まず、〝鶏と長ネギ えのきのグラタン〟を試作してみる。出汁に塩、醤油とみりんで味をつけ、鶏むね肉、長ネギ、えのきを煮含める。煮た具材をグラタン皿に入れ、ベシャメルソース、チーズをかけオーブンで焼き、そこへ「焙煎胡麻ドレッシング」に乾燥山椒をみじん切りにしたものを加えて〝ごま山椒ソース〟をつくって上からかけた。

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和風に煮た具材にベシャメルソースとチーズの風味を加えた和洋折衷メニューに、ごまの香ばしい香りとコク、そして山椒のさわやかな香りとピリッと痺れる風味を持つソースが、一本筋の通ったグラタンに仕上げている。〝ごま山椒ソース〟はベシャメルソースとチーズを今までにない風味に変化させ、和の風味を煮含めた具材と合わせることによって新たなグラタンメニューの魅力を広げた。粋な和洋折衷と言えよう。

次は、〝マグロのタタキサラダ〟だ。マグロのサクをバーナーで炙り、冷やしてスライスする。千切りにした大根と大葉を皿に盛りマグロをのせる。これに「焙煎胡麻ドレッシング」10に対してわさび1の割合で合わせた〝ごまわさびソース〟をかけ、万能ネギをふった。

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まず、炙ったマグロの香ばしさと「焙煎胡麻ドレッシング」のごまの香ばしさが香り立ち、さらに、かすかなわさびの風味があとから追いかけてきて、実においしい。とろっとマグロの表面を包み込むように覆うこのソースの質感もいい。大根と大葉も刺身のツマとしてではなく、〝ごまわさびソース〟と絡めマグロと一緒にサラダとして食べられるのもこのソースのメリットだ。

最後に〝鶏の唐揚げ ごまマスタードソース〟をつくってみる。

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鶏モモ肉を一口大に切り「焙煎胡麻ドレッシング」でマリネし、そこに薄力粉を加えて軽く混ぜ油で揚げる。玉ねぎを1センチの輪切りにしフライパンで焼いて皿にたっぷりと盛り、唐揚げをのせる。ここに「焙煎胡麻ドレッシング」10に対してディジョンマスタード3の割合で合わせた〝ごまマスタードソース〟をかけ、黒胡椒、赤粒胡椒を散らした。

鶏肉は「焙煎胡麻ドレッシング」でマリネすることにより、しっとりとやわらかくなり味も中にしみ込む。ディジョンマスタードのまろやかで上品な辛さが加わった〝ごまマスタードソース〟は、ポピュラーなメニューの唐揚げをワンランク上のメニューに引き上げてくれる。鶏の唐揚げと玉ねぎを一緒に食べるとまた格別においしい。こうしたアレンジには、生姜、柚子胡椒、唐辛子、スイートチリソース、コチュジャンなど、おおよそ素材を選ばない。

「焙煎胡麻ドレッシング」をそのまま使うもよし、また、オリジナルな味をつくってみてはいかがだろうか。


協力/お問い合わせ:キユーピー株式会社

(2018年6月30日発行「素材のちから」第30号掲載記事)

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