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たかがポテト、されどポテト
文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉
ラス・スーパーフライパウダー
(素材のちから第38号より)
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フレンチフライポテトはどこにでもあるメニューだが、提供の仕方によっては、お店の利益にとって重要なアイテムとなる。フレンチフライポテトは、どれも同じと思うことなかれ。
ラス・ロングポテト
「ラス・スーパーフライパウダー」と冷水を混ぜ合わせ、ハンドマッシャー(専用の道具)でポテトの形に押し出し油で揚げるだけ。オリジナルの展開ができます。
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インパクトある「ロングポテト」のメリットを100%発揮する。
型破りの長さで注目されている「ロングポテト」のメリットとは
こんなに長いフレンチフライポテトを見たことがない。隣の席に提供されるこの長いポテトを見て、思わずつられてオーダーしてしまうお客様もいるのではないだろうか。しかし、人目を引く長いサイズがこの「ロングポテト」の特徴だが、実はそれだけではない。さらにたくさんのメリットを持っているのだ。たかがポテトと軽く見てはいけない。そのメリットをフルに発揮してお客様にサービスしたい。
まず1つ目のメリットは、簡単なオペレーションだ。「ロングポテト」の材料である「ラス・スーパーフライパウダー」を冷水と混ぜ、ハンドマッシャー(専用の道具)で押し出して油で揚げる。パウダーは冷水にすぐに溶けて簡単だ。さらに揚げる時間は冷凍品の約半分で済み油の汚れが少ない。
さらに2つ目のメリットは、利益率の高さだ。「ラス・スーパーフライパウダー」はパウダー1に対して冷水2の割合で混ぜる。つまり、できあがりはパウダー重量の3倍になるのだ。もちろん原価率3割は軽く切る。また、パウダーが常温保管で冷凍庫のスペースがいらないことでもコストが抑えられる。
3つ目のメリットは、何と言ってもその長さだろう。冷凍のフレンチフライポテトではありえない長さだ。ハンドマッシャーで押し出して油に入れる時に、ゆっくりと弧を描いて流せば、曲がったポテトにもなる。実におもしろい。
《「ラス・ロングポテト」のつくり方》
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「ロングポテト」の人気は独特のおいしさにある
そしてもう1つのメリットは、おいしさにある。「ロングポテト」はサクサクとした歯ごたえのいい軽い食感を持っている。たっぷり盛った「ロングポテト」はあっという間になくなってしまうだろう。さらに、ポテトの生地に胡麻や、桜エビなどの素材を練り込むことができるので他店にないオリジナルレシピで「ロングポテト」をつくることができる。
〝たかがポテト、されどポテト〟の意味がお分かりいただけただろうか。それではさらに「ロングポテト」の魅力をご説明したい。
【オリジナルポテト】 ポテトの生地に他の素材を練り込んだオリジナルポテト
素材のアイデア✕超ロングの相乗効果で、お客様をさらに驚かせるメニューに
それではさらに「ロングポテト」の魅力を掘り下げていきたい。「ロングポテト」の生地に他の素材を練り込んで、オリジナルメニューがつくれることはすでにご説明した。これを実際にやってみよう。
まずは黒胡麻を練り込んでみる。練り込むといっても力はいらずとても簡単だ。通常通りボールに用意した冷水に練り込む黒胡麻を加えて軽くかき混ぜ、そこに「ラス・スーパーフライパウダー」を一気に加え攪拌する。あとの工程は通常と同じだ。
●黒胡麻 ロングポテト
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桜エビの場合は素材が少し大きいためあらかじめ細かく刻んでおいて冷水に加える。あとの工程はこれも同じだ。ポイントは他の素材を生地に加える場合、素材が冷水を吸収するために通常よりも少しだけ多く加水することだが、レシピを決めておけば問題ない。
●桜エビ ロングポテト
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200gずつボール状に丸めてハンドマッシャーで押し出し油で揚げる。繁忙時にはボール状にした生地をラップで包んでたくさん仕込んでおくとスピーディーに提供でき、お客様を待たせない。
どうだろう、見栄えもいい。黒胡麻や桜エビの他、青のり、明太子、刻み紅生姜、パクチーなどさまざまなアイデアで素材を工夫することでオリジナル性はどんどん高まっていく。千葉にあるお店では落花生を砕いて加え、ご当地ポテトとして人気らしい。斬新なフレンチフライ、しかも超ロング。冷凍のフレンチフライポテトではできないメニューだ。
【アレンジポテト】 シーズニングやソースを上手く使っておいしくアレンジ
「ロングポテト」のインパクトをさらに強く、さらにおいしくしたい
さて、「ロングポテト」をシーズニングやソースでアレンジしてみよう。
シーズニングはポテトと一緒に袋に入れてふり、風味を絡めるスタイルが流行ったが、これをお店のメニューに取り入れよう。揚げたポテトとシーズニングをボウルで合わせ皿に盛る。ハーブ感、エスニック感、ガーリック感、ペッパー感などシーズニングのセレクションでバリエーションは広がる。何かの料理の付け合わせとしても使える。
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ソースをトッピングするのもいいだろう。こってりとしたチーズ風味や熟成感のあるソース、辛みのあるソース、酸味のあるソースとアレンジの幅は広い。とろりとしたソースのシズル感はポテトのおいしさを引き立てる。複数のソースで提供するのもおもしろい。こうしたソースを器に入れてディップソースとして提供するのもおもしろい。
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また、さらなるアレンジとして、シーズニングは練り込んだ素材に合わせてトッピングやディップもアレンジできる。たとえばエビの風味にはチリソースをディップ、ピーナッツ風味には燻製の塩といった具合だ。
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今までのフレンチフライポテトの長さを大きく伸ばすという発想から生まれた「ロングポテト」。導入したお店ではさまざまな付加価値をメニューに生み出しはじめている。
ポテトと相性のいいソースやシーズニングをご紹介、「ロングポテト」の魅力をぐっと引き出してくれる。
●ディップソース・スタイリングソース
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●シーズニング
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ポテトと相性のいいソースやシーズニングはこんなにあるのか。今までじっくりと選んだことはなかった。どれもポテトにピッタリだ。どれにしようか迷ってしまうが、お店で提供しているメニューの傾向も考えて選びたい。
(2020年8月31日発行「素材のちから」第38号掲載記事)
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