見出し画像

ベストの〝いわし〟をキャッチする!

文・撮影/長尾謙一 
料理/横田渉 

真いわし商品シリーズ
(素材のちから第42号より) 

画像8

根室、八戸、大船渡、石巻、4つの漁場で揚がった新鮮な「真いわし」を、高度な冷凍法で速やかに凍結。これをセミ超低温で保管することで、いつでも良質な「真いわし」を、安定した価格で安定した量を提供できる。メニューに合わせて〝丸〟と〝フィレ〟の商品形態があるのも使いやすい。

時期により、価格が不安定ないわしを安定した価格で安定供給する。

北上、南下するいわしを4か所の最適な漁獲エリアでキャッチする

いわしは漁獲量が毎年違い、大漁の年と不漁の年が周期的にやってくる。不漁になると価格は一気に高騰し、大漁になると一気に下がる。このようにいわしは価格が安定しない魚なのだが、「高くても安くても、おいしいいわしが食べたい。」という根強いファンがいる。何とか良質のいわしを安定した価格で安定供給できないものだろうか?

それに応えるのが「ナチュラルシー 真いわし商品シリーズ」だ。日本近海を北上、南下するいわしを1か所で待っていては、ベストのいわしは手に入らない。それならば、4か所で手に入れようというのがコンセプトだ。

画像6

根室、八戸、大船渡、石巻、1か所では、おいしい〝いわし〟は手に入らない。4つの拠点でタイミングよく脂ののった一番いい状態の「真いわし」を買い付ける。

最適なキャッチングエリアとして、まずは〝根室〟からはじめる。根室で揚がった脂ののった新鮮ないわしを〝3D凍結〟し、小樽のセミ超低温倉庫に入れ保管する。

〝八戸〟では、前浜で揚がったものを〝プロトン凍結〟させてセミ超低温倉庫に入れ保管。

〝大船渡〟では、定置網で揚がるピチピチした大型サイズのものだけを〝凍結海水氷〟で締めて、トンネルフリーザーで急速凍結。これをセミ超低温倉庫で保管する。

金華イワシが揚がる〝石巻〟では、トンネルフリーザーで急速凍結し、セミ超低温倉庫で保管する。

こうして、いわしの北上と南下に合わせて、それぞれの場所でタイミングよく脂ののった一番いい状態のいわしを買い付け、すぐに凍結させ、最良の保管をして年間販売していく。これが「ナチュラルシー 真いわし商品シリーズ」なのだ。

画像9

寿司店などでは、いわしを包丁で開くと細かな骨が身の中に入るため手開きされる。このため〝丸〟の商品が用意されている。さらに、調理を効率化するために〝開き〟加工された商品もある。

庶民の魚として親しまれる「真いわし」を使った料理は多く、極めてポピュラーだ。食べなれた食材だけに、品質の違いはすぐに分かるはずだ。

ふんわりとふくらむ「真いわし」に鮮度のよさを見る

それでは「真いわし商品シリーズ」でメニューをつくってみよう。

まず、「真いわし 丸」を手開きして皮を剥いでたたき、コチュジャン、ラー油を加えて混ぜ、大葉、スライスしたみょうが、おろし生姜、万能ねぎをたっぷりと添えて〝なめろう〟にしてみた。

画像7

なめらかで濃厚な舌触りの中に、たたいた「真いわし」の身がぷりぷりとしている。文句なく鮮度がいい。

次は〝梅煮〟にしてみる。「真いわし 丸」の頭と内臓を取り除き、梅干し、水、酒、醤油、みりん、砂糖、生姜を加え圧力鍋で煮た。

画像8

ふわっと仕上がった身の感じからは「真いわし」に脂がのっているのが分かる。香りもよく骨までおいしい。

今度は、「真いわし 丸」をフィレにしてフライパンで皮面を焼き、ニンニク風味のホワイトソースの上にのせオーブンで焼いた。

画像3

焼けた身はやわらかく、ふわふわしている。皮目が実に香ばしい。ホワイトソースのニンニクの香りが「真いわし」の風味を濃厚に感じさせる。

次はソテーだ。「真いわし 開き」を皮目から焼き、裏返して醤油を垂らして皿に盛り付け、胡椒と万能ねぎをかけた。臭みはまったく感じられず、これも身がふわふわしている。

画像4

ごま油と醤油の中に「真いわし」の旨みが溶け込み濃厚感も楽しめる。シンプルにソテーすると身のふくらみ方や香りから「真いわし」の品質がよく分かる。

最後は「真いわし 丸」をフィレにして揚げた。皮面に飾り包丁を入れ、串打ちして味噌を塗る。さらに、卵白を塗り黒ごまをつけて揚げた。

画像5

揚げた身は甘く、ふんわりとしていて旨みに凝縮感がある。揚げた時に縮まないよう入れた飾り包丁に味噌がたっぷりと留まり、黒ごまの風味とともに香ばしい。冷凍の商品は解凍時にドリップが出て旨みが弱く揚げると縮むが、この「真いわし」にはそんな様子はない。

多くの人に親しまれるいわしのメニューは、仕入れ値が上がったからといって高い値段は設定しづらい。「真いわし商品シリーズ」を使って品質と仕入れを安定させたい。


協力/お問い合わせ:株式会社ナチュラルシー

(2021年9月30日発行「素材のちから」第42号掲載記事)

「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?