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ホッケのお刺身はいかがでしょうか。

文・撮影/長尾謙一 
料理/横田渉 

天然真ホッケ  プロトン凍結
(素材のちから第42号より) 

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この赤く美しい皮目の魚が「天然真ホッケ」だ 
ホッケは鮮度落ちが早く、北海道以外の地域では刺身を見ない。しかし、この美しい魚体の魚を生で食べてみたいと思わないだろうか。その思いはこの商品が実現してくれる。

北海道・道南の八雲町で漁獲される天然の真ホッケを、水揚げ後〝丸〟のまま、速やかに〝プロトン凍結〟させる。原料となる魚体重量は350~500gと使いやすいサイズ。クセのない淡白な白身は刺身、カルパッチョ、煮つけ、塩焼き、天ぷら、ムニエルなど広く使える。

〝ホッケの刺身〟が、日本中で提供できるという朗報を手に入れた。

〝天然〟の真ホッケを〝丸〟のまま〝プロトン凍結〟

ホッケの開きを居酒屋で焼いてもらいよく食べるが、旨みがギュッと詰まったおいしさは北海道を代表する焼き魚だ。

しかし、ホッケは刺身もおいしいと聞くのだが、提供する店はあまりない。その理由は、ホッケの鮮度落ちがとても早いからなのだ。新鮮なホッケでなければ刺身にはできない。 

「私は函館へ行ったら、いつもホッケの刺身を食べるんだ。」という人がいるように、通常刺身で提供できるホッケの鮮度は水揚げされる場所の近くでなくては手に入らない。

しかし、今回ご紹介する「天然真ホッケ プロトン凍結」は、この鮮度を冷凍で手に入れることができる。

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「天然真ホッケ プロトン凍結」は、真ホッケの産地、北海道・道南の八雲町の定置網でピクピクと動いている〝天然〟の真ホッケを冷やし込み、〝丸〟のまま〝プロトン凍結〟する。

鮮度は時間との戦いのため、余計な手をなるべくかけずに〝丸〟のまま、とにかく1秒でも早く〝プロトン凍結機〟で凍らせる。

〝プロトン凍結〟は、磁力と電磁波を利用した凍結技術で、凍結時につくられる氷の結晶をより小さく均一に形成することにより、魚の細胞破壊を防ぎドリップを抑える。だから、ホッケの鮮度をまるで水揚げされたばかりの状態で保てるという。

「天然真ホッケ」でつくる刺身の口の中に広がる上品な脂を楽しむ

さて、それでは「天然真ホッケ」を刺身でいただいてみよう。冷凍魚は解凍すると内臓にハリがなくなりグチャッとすることがよくあるが、これは鮮度がよくないからだ。「天然真ホッケ」を解凍して腹を割ってみると、内臓は硬くしっかりとしている。これが鮮度のいい証だ。

三枚におろしてみると、しっとりと上質な脂がのっているのが分かる。もちろん臭みはない。切り身にして皿に盛り付けると薄く赤い皮目が綺麗だ。

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鮮度がいいので身がプリプリしている。クセのない上品な脂がとろりと口の中に広がり旨みが濃い。

ホッケは干物にすると淡白な身質に旨みを増し、ホッケ独特の風味をぐんと主張してくるが、刺身で食べると口あたりも味わいも細やかで優美な印象を持つ。これが〝ホッケの刺身〟のおいしさか。なるほど、おいしい。

「天然真ホッケ」を料理すると、今までのホッケのイメージが変わる

まずは、「天然真ホッケ」を〝天ぷら〟にしてみる。からっと揚がった衣をまとった身は、しっかりしていて繊維が細かくやわらかだ。上品な脂はさっぱりとしていてキレがよく、とてもおいしい。

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勘違いかもしれないが、ヒラメやカレイに似た香りがする。キス、メゴチ、イトヨリ、サヨリなどの天だねの中に「天然真ホッケ」があってもまったく違和感はない。上品な白身の天だねだ。

次は「天然真ホッケ」を焼いてみよう。「天然真ホッケ」と切った長ねぎ、パプリカに塩をして、直火で網焼きにして皿に盛り、スライスしたニンニクとオリーブオイルでガーリックオイルをつくり、これにかけた。

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やはり鮮度がいいのだろう、身がやわらかくふっくらとしている。すっきりとした素直な旨みがガーリックの香ばしい風味と溶け合う。直火で焦げた皮の裏にある脂がおいしい。干したホッケの開きにはない味わいだ。

さらに「天然真ホッケ」をカルパッチョにしてみる。

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皮を引き軽く塩をあてておいた「天然真ホッケ」を薄くスライスして、ルッコラ、ミニトマト、スライスした黒オリーブとラディッシュを一緒に盛り付け、オリーブオイルにおろした北海道産のホースラディッシュ、塩を加えてつくったホースラディッシュソースをかけた。「天然真ホッケ」とホースラディッシュで北海道らしいカルパッチョにしたかったのだ。

「天然真ホッケ」に塩をあてておいたため、ほどよく水分が抜けて旨みが増している。身はやわらかくしっかりしているので、もっと薄くスライスしてもいいだろう。臭みのないプリプリした身で野菜を巻いて食べてみるとサラダ感覚でおいしい。

最後に〝煮つけ〟をつくってみた。「天然真ホッケ」と長ねぎを酒、醤油、みりん、砂糖、生姜(スライス)で煮て、茹でた小松菜を添えた。

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脂ノリがよく、淡白な「天然真ホッケ」の身は煮込まれて細やかになり、身が溶けるようだ。まるで高級魚、これは北海道の絶品料理だ。

「天然真ホッケ」を料理してみて、今までのホッケのイメージが変わった。


協力/お問い合わせ:株式会社ナチュラルシー

(2021年9月30日発行「素材のちから」第42号掲載記事)

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