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見守るということ。

黒ごまなんかより、ぜんぜん小さいポツッが見つかった。

それはそれは、小さいポツッだったけど、とんでもなく凹んだのだった。

4歳になったばかりの息子の歯に、虫歯がポツッ。親の心には、どデカイ穴が、どーん。

まっさきに反省したのは、息子にたくさんチューしちゃったこと。

わたしが食べた箸で、食べ物をあげてしまったこと。

ご飯食べなら寝落ちしてしまうのを、そのまま寝かせてしまったこと。

母は、反省する生き物だ。ごめんごめんごめん、息子よ、ごめん。

妻は、反省する生き物だ。ごめんごめんごめん、夫よ、ごめん。

その日から我が家は大騒ぎ。キッズデンタルを調べて、口コミをあらゆる角度から分析し、どんな患者さんが来てるのか遠目から偵察までした。いいから早く行けよ、と。自分で自分のケツを叩き、あらゆる甘い口説き文句で息子をその気にさせて、キッズデンタルの扉を叩いた。

まぁ、なーんってことなく、治療は秒で終わったのだが。親のほうが、くたくたに疲れたのだった。もうヤダよ、歯医者なんて。

歯磨きも、着替えも、うんち後のおしりふきも、ぜんぶ自分でやりたい年頃。虫歯リスク、遅刻リスク、うんち拭き残しリスク。ちーん。

ダメって言いたくないし、急いでーって言いたくないけど、言わないと何にも間に合わない毎日。泣き笑いのような顔して、ぐっと堪えて、今日もわたしは言う。

いいね。上手だね。大好きだよ。



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