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「とりあえずビール」は減少傾向だけど「さいしょはタン」は根強いね

「とりあえずビール2つ、そしてナムル盛り、あとカクテキ、お肉はミノ!」

アプリでマッチングしたケイくんと新大久保集合で韓国料理を食べようということになった。待ち合わせ場所に行くと写真でみた印象よりも高身長で色の白い人がいた。

「僕は韓国人、週3回は焼肉を食べる、ユキちゃんはビール飲める?」

そうして連れて行かれたお店でのファーストオーダーが冒頭の内容である。最初にミノってどういうこと?まずはタンでしょ?!と思ったが、初対面だし黙っておいた。

「ここのミノは東京でいちばんおいしい」とケイくんは胸をはった。そして「ミノ以外はいまいちだからオススメしない」と小声で付け加えた。

たしかに、そのミノは私の人生最高ミノとなった。しっかりと弾力があるのにほろりと溶けて、肉の旨みが口いっぱいに広がる。このミノなら20切れくらい食べられそうだ。

「ミノって好きじゃなかったけど、ここのはホントおいしいね。他のお店でミノ頼めなくなるかも」と伝えると「でしょ?でもミノは裏メニュー。インスタとか食べログに書いたらだめだよ」とウインクされた。

は?なにそのウインク?!と思いながらもウインク返ししてみた。そしてミノを追加した。

 ◇

ケイくんとはミノ以外とくに盛り上がらず、二度目はなかった。でも連れて行ってくれたお店には何度か訪問した。行くたびに「ミノありますか?」と聞いたが「うちにはミノないよ」と冷たく言われた。

きのう久々に店の前を通るとチーズタッカルビ専門店にかわっていた。わたしは別の焼肉店でゴムみたいなミノを噛みながら、数年ぶりにトール色白ウインクマンに連絡してみようかなと思った。

♪〜 いつでもーさがしているよーどっかにミノのすがたを

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