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夢日記SS 2024/07/28

Twitterに投げようかと思いましたが、いつも以上に長くなったのでこっちで

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到着したのはガラスと木の枝でできた作品展。所狭しと飾られており、むしろ軽くぶつかるガラスの音も作品の一部であるかのようだった。奥に進むと広い空間に辿り着く。これも同作者の作品らしい。右手には港で黒のベールと白の子供が演奏会している。左手では夜空を星空が綺麗に輝き、下では噴水が踊っていた。そこに電動で動く椅子に乗った赤いベールで白い仮面の女性が定期的な動きで、なおかつ感情もないままその噴水の間をすり抜けていく。その雰囲気は仮面も相まって不気味ではあるものの、どこかしら儚さと美しさを兼ね備えていた。
僕は泣いた。あまりの創作性に泣いた。一刻も早くそのインスピレーションをまとめたかった。先ほどの椅子に乗っていた作者の女性が仮面を外し見ていた観衆に近づいてくる。作品の完成を喜ぶようにハイタッチを求めていた。ハイタッチに応じるもの、拒否するもの。様々な反応があった。僕は涙が止まらないまま彼女はハイタッチを僕に求めてくる。ハイタッチでは感想を表しきれなかった故に抱擁をしていた。目を開けたら気がつくと一つのエスカレーターの前にいた。「この先一方通行」と張り紙がしてある。どうやら上では先ほどの彼女の別の作品が見られるらしい。他の人は野次馬根性でエスカレーターに乗っていく。しかし、僕はなぜか乗る気にはなれなかった。誰かと待ち合わせをしている気がしたのだ。どんどん他の人はエスカレーターに乗っていくが、異変が起こりはじめる。悲鳴がどんどん大きくなっていくのだ。なぜか直感で彼女の作品が恐怖の感情で埋め尽くされているのだと感じた。僕は作品を見ずに立ち去る決心をする。するとそこには小さい女の子が立っていて手を差し出してくれている。なぜだかその手を掴まずにはいられなかった。着いた場所はサッカーグラウンド程度の広場。観客席もある。しらない場所のはずなのだが、なぜだか来たことがある錯覚に襲われた。人でごった返しているが、設置してある観客席に座ろうと一つ空いている場所を見つける。誰かが叫ぶ。「〇〇さん!」ざわめく周囲。「君の隣の□□さんはどこですか?」周りの人間は彼を嘲笑し出す。僕は彼女がグラウンドの反対側にいることが見えているが、他の人間はそうではないらしい。しばらくすると遠くの方から悲鳴が聞こえてきた。「もうしないから!助けてくれ!」そう叫びながら逃げ惑う人たち。僕もその波に押し流され、たどり着いたのは青空の下にいくつものピクニックテーブルと椅子が設置されている空間で、皆何かしらの談笑をしている。「あの子を探さなきゃ」ふととある顔を思い出す。しかし誰かはわからない。それでも探し出さずにはいられなかった。右手には物販ブース。今回の作品のグッズが売られている。ということはこっちは出口なのであろう。僕は人の流れと逆行していく。右手に港、左手にアーチ状の空間が広がっている場所に辿り着く。それこそ知らない場所のはずなのに、僕は感情が抑えきれないほど涙が止まらなくなっていた。ふと誰かが一枚の紙を落とす。「すみません!」咄嗟にそれを拾い上げ、ふと描かれているものに目を惹かれる。黒いベールを来てペストマスクをつけた2頭身の集団が楽器を持ち演奏会をしている。「ありがとうございます!」と声をする方を見ると、記憶は嘘をつかないのだろう。少し前に作品を見て泣いた作者がそこにいた。ふと談笑が始まる。先ほどの紙に描かれたものについて話が始まる「キャラクターは決まったんです。この子達は悪い子だけど楽器がものすごい好きで、いつも演奏会を開いているんですよね」。僕はふと紙を裏返す。そこにはノームのような人たちが白い服で三角帽を被り、天使の前で、これもまた楽器を演奏し踊り楽しそうな様子が表現されていた。僕は絵に関してアドバイスなんてできるたまじゃない。しかし言わなきゃと何かに押されるように口からでる。「……この子達、別々に描かれているけど一緒にいてもいいんじゃないかな」彼女はハッとした表情になり、夢中になりスケッチを始めた。スケッチに鉛筆を走らせながらも、どんなアイデアがあるか聞いてくる彼女。僕も思いついたまま伝える。そしてスケッチは完成する。許可を得て見せてもらうと、右手には港で黒のベールと白の子供が演奏会している。左手では夜空を星空が綺麗に輝き、下では噴水が踊っていた。それを見た僕は感情が込み上げてくる。しかし違和感がある。どこか見たことがある。しかし何かが違う。思い出そうにも思い出せない。なぜ思い出そうとする?この絵は初めて見たはずだ。なぜなら今彼女は確かにここで自ら描いていたのだから。……気がついた。これは彼女のインスピレーションを辿り行く場所なのだと。つまりはさっきのエスカレーターの上で起きていた凄惨な作品になってしまう原因も探せるのかと。僕は立ち上がって歩き始めた。少なくとも新しい場所に降り立ったら、どこかしらに彼女の作品の素がある。それを信じて探り出していこうと……

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ここで目が覚めた夢でしたとさ。

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