自然農畑の微生物量を測ってみたら驚きの結果に!
こんにちは、そーやんです。
いつもお読みいただきありがとうございます。
ついにSOFIX分析の結果が返ってきました。
SOFIX分析とは立命館大学の久保教授が開発した、土壌の生物性、つまり「微生物の量とその機能」を測る分析手法です。
こちらがHP↓
このSOFIX分析に関しては、SOFIX農業推進機構さんに講演の依頼をいただいた縁で初めて知りましたが、非常に感銘を受けました。
講演のときの様子は以下の記事をご覧ください。
基本的には微生物の量が多い方が良い土である傾向が高いようです。
微生物の中でも細菌数を測っているようなので、病気の原因となるような糸状菌やキノコの菌などは数に入っていないみたい。
(ここら辺、もうちょい詳しく聞いてみます。)
そして、どんな感じで結果が出るのかというと、こんな感じ。
(*うちの畑の結果ではありません!サンプルとしていただいたものです!)
生物性・化学性・物理性合わせて、全部で19項目測るんですが、その中でも特に重要な6項目を見て、パターン判定がされます。
一番良いのが特A。
特A▶︎A1▶︎A2▶︎B1▶︎B2▶︎B3▶︎C1▶︎C2▶︎Dの9段階評価。
この方の畑の細菌数は2.2億だそうで2億以上あれば適正値のようですね。
では、気になるうちの畑の結果はどうだったのでしょうか!
ちなみに、うちの畑はこんなところ。
◉親父の代から20年以上、牛糞堆肥を中心とした有機農業
◉そのあと2年間雑草堆肥など植物性資材のみで土づくり
◉土づくりにめどがたったので、半年前に不耕起に転換
◉雑草含め植物・昆虫・微生物の多様性を大事にしている
的なやり方です。まだまだ課題も多い畑ではありますが、その結果はいかに!
じゃん!!
先ほどのサンプルと同じA2。
これはまあまあ。
しかしよく見てみると、総細菌数は21.4億!
やたら多い(笑)
こんなのも載ってるんですが、今までの全部のサンプルの平均は6.9億らしいですね。
やっぱり多い方みたい。
いつも微生物を生かした土づくりをしましょうとか、土の中の生態系を豊かにすることで、健康的な野菜が育ちますよ〜なんていつも指導してるので、「分析結果で、微生物の数少なく出たらどうしよう。。。」と心配してたので、ホッとしました(笑)
このまま不耕起でやり続けたら、もう少し増えるかな〜なんて思っているので、またやって見たいですね。
ちなみに適正値以下として出てしまったのは「リンの循環活性」。
まず、リンの循環活性とは何を意味しているのか。
これは堆肥など有機物の中に含まれるリンは、すぐに植物に吸収される訳ではありません。
土の中のある細菌が、別な形に変換して初めて植物が吸収できるようになります。
土の中のこの変換する機能がどれくらいあるのかを表すのがリンの循環活性評価値です。
つまり、このリンの循環活性評価値が低いと、堆肥を入れても、リンが植物に吸収されやすい形にまで変換されにくいため、リンが不足してしまう可能性があるのです。
ではなぜ、うちの畑はこの値が低いのでしょうか。
そのヒントは化学性の項目の中に、ありました。
上から3番目に可給態リン酸の項目があります。
これが植物が吸収しやすい形のリン酸がどれくらいあるかを示した数値です。
この数値は基準値の100mgを大幅に超える、1613mgでした。
つまり、土の中の植物が吸収しやすい形のリン酸は十分すぎるほどあるのです。
以前に化学性のみの土壌分析を行った際にも、同様の結果が出ました。
ここから推測できるのは、すでに可給態リン酸が十分に土の中にあるため、可給態リン酸に変換する細菌の必要性がないのではないか。
ということです。
特に植物の根に共生している微生物は、植物に栄養を渡す代わりに植物から炭水化物などの栄養素を交換しています。
そのため化学肥料などの植物が直接吸収できてしまう栄養を土の中に入れると、植物側としてはわざわざその微生物と共生する必要性がなくなるので、その微生物は少なくなっていくそうです。
このリン循環に関わる細菌も同様の関係性を植物と築いているのであれば、すでに可給態リン酸が土の中に十分にあるために、数が少なく、リンの循環活性評価値も低くでたのかもしれません。
しかし、もう一個気になるところが。
一番上の硝酸態窒素とアンモニア態窒素の値がなんと0!(笑)
窒素といえば、野菜の三大栄養素の一つですので、これがなければ野菜が育つわけありません。
でもなぜかうちの野菜は育っている。。。
この不思議についてはまた次回に!
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