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こんな感じでいつか死ぬ

高校の修学旅行は行く半年以上前から事前学習や計画を立てたりした。俺は友達が多くなく、沖縄は既に数回行ったことがあったので、修学旅行はそこまで楽しみではなかった。真夏の蝉がうるさい教室で、各班ごと自由行動でどこへ行くかを楽しそうに決めているときも、ぼーーーっっとずっと先に行われる修学旅行のことをぼんやりと考えていた。

仲良い人が少ないのに沖縄なんて行っても楽しくないよな、何時間もバス移動面倒だなあ、クラスの人に寝てる姿見られんの嫌だなあ、それにしても11月なんてまだまだ先だなあ、、、、と

それからありきたりな生活を送り、部活をしたり、サッカーを見たり、テニスの練習試合で不甲斐ない試合をしたり、俺は何も成長しないまま時間だけは過ぎて気づけば修学旅行一週間前になっていた。

一週間と言っても結構長いよな、嫌いな英語の授業も4回くらい受けなきゃいけないし、小テストもあるし、、、、

実際に英語を4回くらい受けて、小テストもこなし、部活にも行って、練習で疲れた状態で着替えて家に帰って、遂には前日になっていた。本当に明日俺は沖縄に行くのか、と疑問を抱きながら部活の大会へ行ってまたも不甲斐ない試合をした。

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あれだけ遠いと思っていた未来が今では随分と過去になった。早朝に高校に集合して空港までバスで行ったことも、俺的には早く行ったつもりが早いもの順のバスはもう埋まっていて一番前の席に座ったことも、よくわからんが修学旅行に対するアンチテーゼのために美ら海水族館をダッシュで駆け抜けわずか10分足らずで出てきたことも、水族館から早く出てき過ぎて無人のバスでずっと待っていたことも、暇だから隣のクラスのバスに勝手に座って時間を潰したことも、夜の部屋長会議で最前列だったのに眠過ぎて普通に寝てしまったことも、なんだかんだそれなりに楽しかった自由行動も、特に思い出の無い国際通りも、みんなが海へ出かける中興味がなかったので一人ホテルの部屋で見ていたyoutubeも、時間が止まったみたいな感覚に陥ったホテルから糸数アブチラガマまでの草はらを通り抜ける道や、帰りの飛行機での記憶がほとんどないくらいに機内でずっと寝ていたことも、全てが走馬燈みたいに遥か昔に感じる。

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大学もそうだ。高校の時は自分が大学生になる未来が全く浮かばなかったのに、いつの間にか入学式を終えて、長かったはずの夏休みもあっさり終わって、1年を終了してもう2年だ。

10代だって永遠に続くと思っていたら俺ももう19だし、気づいたらきっと20になって、ハッとすると10代も遥か昔話になってしまうんだろう。



きっとこんな感じでいつか死ぬんだろうなあ、と最近思う。死なんてずっっと、ずっっっっっっと先だと思っているけど、修学旅行のように気付かぬうちに死期が近づいて、ハッとすると最後を迎える。俺が死んでからも緩まずに時間は進んでいって、俺の存在、記憶もどんどん薄く、過去になっていって何年、何十年、何百年と時が経てば、体だけでなく誰かの記憶としての俺も完全に消滅する。

最近は周りの人間も大人びていって、きっと演劇部の公演で客席から大声で野次に近い盛り上げをしたことも、スキー教室で他人のベットの上をピョンピョンと跳ねたことも、過去のエピソードになってしまうんだろうと思うと少し悲しくなるし、いつまでも高校時代から変わりそうもない俺はそんな友人達に飽きられて離れられていってしまうんじゃないかと思うと少し怖くなる。俺はいつまでも部室の壁に馬鹿みたいな落書きをして笑っていたいよ、アルコールが無きゃ本音が語れないとか、はしゃげないとかそんなんは嫌だなあ、、、と思う。

↓最近の気分

いつか僕が星になって地上照らす日が来たら
アンドロメダの向こうにはきっとこの歌が響いて
記憶の中常にいるって 君の事は忘れないって