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ワインエキスパートへの道のりが想像を絶した vol.1

8月11日、11:55。

1時間の死闘を戦い抜いた私は、右上にある制限時間が1秒ずつ減っていくのを見ていた。やれることはやった。当落線上。天国か地獄か。全くわからなかった。

右上の数値が00:00になり、時が止まる。2秒ほどして現れたのは「合格」の文字。嬉しいよりも驚きが強く、フワッと浮いたような気分になった。CBTテストの会場はテストが終了したら速やかに出なければならず、結果の印刷の手順を踏み、試験の部屋を出る。機械のような受付のおばさんに名前を伝えると、印刷された紙を渡され、はよ出ろと言われんばかりに、エレベーターへと促された。

渋谷・道玄坂。11時前までヤキモキとこの辺りをうろつき、落ちたらどうしよう。2週間後の再試験なんてことになったら、この高いモチベーションをキープできるわけがない。絶対、無理! なんて思っていたが、私は合格を勝ち取った。

道玄坂を下る私は、どこか夢の中だった。フワフワというのが的確なのかもしれない。駅方面へと向かい、少しずつ人ごみが多くなっていく。足取りは軽く、秒を追うごとに実感が押し寄せてくる。さながら、ウイニングロードだ。
実感値は、仮装大賞の点数のように、ゆっくりから加速度的に増していき、丸亀製麺が見えるあたりでは、「うおおおおおお!受かったぁ!!!」と口には出さずとも、心の中で叫んでいた。

続く


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