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梅農家が教える梅の品種と完熟・追熟


梅干しに適した品種とは

梅の品種は市場に出荷されるもので何十種類も存在します。その中で特に有名なのが南高梅ですね。南高梅は皮が薄く果肉が柔らかいので特に梅干しに適していると言われます。また、そわか梅では十郎梅という品種も梅干し用として栽培しています。こちらは神奈川県小田原の品種で知る人ぞ知る品種ですが、南高と同じぐらい果肉が柔らかく、十郎梅を好んで購入されるファンの方もいらっしゃいます。
ただ皮が薄く食味が良い反面、自然栽培で作る南高梅十郎梅は傷や病気になりやすく栽培は非常に難しいです。

南高梅(青リンゴのような丸みを帯びた形)
十郎梅(少し楕円形をした形)

梅干し用品種でないと梅干しはできないのか?

全くそんなことはありません。梅干し用品種以外でも十分美味しい梅干しは作れます。梅干し用品種とは、改良させた品種です。皆さんのご近所やご家庭にある梅でも十分美味しく出来上がると思います。
ただ、そわか梅園で扱っている梅郷など、比較的シロップや梅酒向けの品種も存在します。また紅映梅など梅干し、シロップどちらにも適しているオールラウンダーも存在します。

梅郷(青みが強く比較的大きい形)
紅映(日に当たると赤みが綺麗な丸みを帯びた形)

完熟・追熟の話

梅の完熟品はないですか?

『梅の完熟品はないですか?』
青梅を発送するようになってよくお問い合わせいただきます。そわか梅園では、基本的には青梅の状態で発送して、各ご家庭で追熟させていただいております。

なぜ完熟品を送りにくいのか

先に出した記事と同じ内容になりますが、青梅の状態で送ったほうが、輸送中の衝撃や打身などに強く、逆に完熟していると輸送中に痛みが出たり、送った時には出ていなかった痛みや傷などが出る場合があります。
梅干し用を希望される方には、完熟2歩手前ぐらいで発送しますので、写真のように各家庭で追熟させてください。
ポイント「色が黄色く変わっても多少硬さが残っている状態が漬けごろです。柔らかすぎると塩がもみ込みにくくなります。」

なるべく通気性を良くして、新聞紙などに広げてください
漬けごろになった梅

木成り完熟、樹上完熟とは

木成り完熟、樹上完熟という言葉をよく耳にします。こちらの2つの言葉は文字通り、木についたまま相当完熟状態が進んだものになります。和歌山県の梅干し農家さんなどは、木の下にネットなどを張り、ポトリとおちた梅を梅干しにしたりしていますね。もちろん、ギリギリまで完熟が進んだ状態のほうが美味しく仕上がります。

樹上完熟した梅を出荷したら廃棄する梅が増える

お客様にとってはもちろんギリギリまで完熟した状態のほうが良いですが、自然栽培のため木に長く実らせた分、雨や風、災害などで痛みやすくなったり、販売までの日持ちがしないためロスになったり廃棄したりする梅が増えてしまいます。

その代わり、手もぎで一つ一つ大切に収穫しています

全ての梅を一つ一つ丁寧に収穫しています。貴重な自然栽培の手もぎ梅をぜひお試しください!

追熟させるのも楽しみの一つです

完熟状態で到着した梅はすぐ使えて便利かもしれません。しかし、追熟させることで自分好みに硬さ、仕上がりにできるという利点もあります。また上記でも書きましたが、輸送中のトラブルも防げます。
ぜひ、梅仕事の一つとして梅の変化を楽しんでください!

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