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Radiotalk道場で40日間師匠をやった話

■音声配信アプリ「Radiotalk」の道場企画に参加

運営公式の初心者サポート企画として始まった「Radiotalk道場」は、一般ユーザーの中から選ばれた12人の弟子に対し12人の師匠がマンツーマンで40日間サポートするという、ひとりで悩みを抱えがちな新人配信者にとってはうってつけのお助け企画だ。
ソロ配信者としてひとりで試行錯誤を繰り返してきたソワちゃんとしては、とても良い(うらやましい)試みだと感じた。ぜひ、同じような悩みや壁にぶつかるであろう初心者配信者さんのお役に立ちたいと思い、師匠選考に申し込み。無事師匠としてお仲間に加えていただくことができた。

■ソワちゃんの弟子

実際の師弟の組み合わせは全て運営サイドにお任せで、その結果「たかみ@みんなで創るラジオ」さんがソワちゃんのお弟子さんということになった。名前のクセが少し気になった。
本企画は40日間、新人さん(お弟子さん)達の要望やお悩みを聴き、支えたり導いたりすることで、楽しく長く配信を続けられるようになってもらうことを目的としている。そのために、

・週一回以上の通話ミーティング
・チャットアプリを使った相談&アドバイス(随時)

が義務付けられている。
まずやってみて気づいたのは、とにかくお弟子さんが配信をしてくれないと有用なアドバイスができないということ。一般論や一通りのアプリの使い方等は話せるが、正直そんなものはわざわざここで教えるまでもない。そこでまず一回目の通話ミーティングを通じて「たかみ@みんなで創るラジオ」(以降たかみん)のなりたい配信者像、夢、配信頻度を確認。方向づけを一緒に考えていくことにした。
※この時点でたかみんの総ライブ回数は2回、収録は1回。ライブにコメントをくれる人は1〜2人だった。

■毎日配信はふつうじゃない

最初にたかみんから聞いた目標は『細く長く配信を続けること』だったが、実はこれがなかなかに難しいことをソワちゃんは知っている。ソロ配信者であれば、まずリスナーがなかなか増えないこと、手応えがないこと。「楽しんで聞いてくれる人がいたらいいな」という思いが、じわじわと「誰にも求められてないんじゃないか?」という不安に置き換わっていく日々。気まぐれに投げられた高額ギフトで高スコアが出てしまい、見失っていく番組の方向性。そしてそれを指摘してくれる人も、相談できる相手もいない孤独感…などなど、配信初期にはやる気のある人ほど多くの壁にぶつかり、人知れず配信を辞めてしまう。
今回まずぶつかった壁が「たかみんの本業の仕事が忙しくてなかなか配信の時間が取れない」こと。もちろん、お弟子さんには無理のないペースで楽しく配信してもらうのが一番だが、道場生である期間中は知名度の上がりやすいいわばボーナス期間。この期間になるべく毎日配信することで、名前と顔を売って一人でも多くのリスナーさんに見つけてもらうことが大事だと思ったのだが、当然本業やプライベートの時間は優先するべきだし…さて、どうしよう?
まあ考えてみれば社会人が毎日配信なんてできる方がおかしいので、ここは頭を切り替え、コツコツではなく一気に名前を売る方法としてちょうどタイミングよく開催された『渋谷のラジオMCオーディション』に参加することにした。

■渋谷のラジオMCへの道

実はこのたかみん、自覚があるかは不明だが「いじられキャラ系配信者」としてかなりの素質を感じさせる器だった。そこで、イジり上手で声質のバランスも良い配信者「auly❕」さんに加わってもらうことで、最強の3人組MCとしてこのオーディションに挑むことにした。
当然ながら、このオーディションには「勉強のため」などではなく、たかみんがガチの戦力になると見込んで挑戦した。そのため、彼にも新人などという甘えは一切許さず、台本作成からキャラ作りまで全て本気の200%で取り組んでもらった。
残念ながら最終審査で落選となってしまったが、トップクラスの配信者と同じ土俵で打ち合わせとアイデア出しを重ね、お互いのキャラクターを理解し合い、コラボ特有の掛け合いとテンポを肌で感じたことは、新人配信者としてはかなりの濃い経験になったと思う。

■指導内容と道場での成果

結果から言えば、今回の道場期間40日の中でたかみんが残した成果は、

①ソロ配信で来場リスナー数100人突破
②デイリーランキング入り(22位)
③『渋谷のラジオ』3人組MCオーディション挑戦
④『ビギナーチャレンジ』10,000スコア達成
→オリジナルギフト作成権ゲット

…である。もちろん、それ以外にも配信のコツや考え方をいくつも身につけてもらったが、成果として目に見えたものはこのあたりになる。しかも③以外はほとんどコラボ応援(※)もしていない。まさにたかみん本人の実力、努力の賜物と言えるだろう。
(※)師匠等、ある程度フォロワー数がいる配信者がコラボライブに上がることで、一時的にライブリスナー数を増やすことができる。ただ、これはあくまで「師匠のリスナーが来てくれた」だけであって、ライブ枠主(=弟子)の実力というわけではない。

当初、たかみんの目標は「コツコツと少しづつ皆さんに聞いてもらえるようになりたい」だったが、ソワちゃんとしては今後の展開を見据えて、

(A)リスナーのタイプを見分けて対応する方法
(B)聴かせるライブとスコア獲るライブの使い分け
(C)初見リスナーを引き込む企画の立て方
(D)人さまに聴かせられるレベルのコラボ

などを指導した。ときにかなり厳しい指摘もさせてもらったが、たかみんは全てを真剣に前向きに明るく受け止めてくれ、そのおかげでしっかりと成果につなげることができた。

■道場期間の終わり

そして迎えた道場最終日、たかみんのライブ。ここはひとつ「師弟トーク対決」で有終の美を飾ろうということになり、ソワちゃんがコラボゲストとしてライブに参加。早口言葉やテーマトーク等、いくつかの種目で楽しく対決させていただいた。
結果は師匠であるソワちゃんの勝ち(本当は負けて終わりたかった)、最後はお互いに褒め称えて終了〜。感極まったたかみんが号泣する一幕もあり、大団円の道場期間満了となった。
ソワちゃんは常々、やる気のある配信者や小さくても夢を持った配信者達の努力が報われる環境を整えたいと思っている。その意味では今回の道場企画はとても有意義で、今後の可能性を感じ、ソワちゃんとしてもやりがいのある充実した時間だった。
また今回はお弟子さんにも恵まれたと思う。ソワちゃんのお弟子さんになってくださったたかみんは、音声配信に対して前向きに楽しんで取り組む好青年(年齢は知らない)で、少し難しい課題を与えてもしっかりと食らいつく根性もあり、まこと師匠冥利に尽きるすばらしいお弟子さんだったと思う。

■道場のここはもっと良くしてほしい

『Radiotalk道場』は総じてとても良い企画であり、第二回があればまたぜひ師匠として参加させていただきたいと思っているが、だからこそ今回気になった点、改善したほうが良いと思われる点を上げてみる。

①運営公式の企画であるという認知度が低い
バナーやTwitter告知では見てないユーザーも多く、実際に道場最終日に運営公式チャンネルでライブ配信したときも「へーそんな企画やってたんだ」というコメントが複数見かけられた。
これでは「なんか参加者(24名)だけがわちゃわちゃと小さく盛り上がっている」ようにしか見えず、第二回が開催されるときに参加希望者が増えにくい。実際に困っていてアドバイスが必要な新人さん達にこそ広く知れ渡ってほしい良企画なのに、もったいない。
①改善案】
例えば「師匠&弟子の名前に『道場参加者マーク』を運営が付与する(期間中のみ)」のはどうか?いわゆる公式マークのようなものを付ければ、運営が行うしっかりした企画であることも伝わるし、それを見た人が道場企画に興味を持つきっかけにもなると思う。

②成果や進捗が外から全く見えない
道場内の師弟のやり取り、運営さんからの連絡は全て「Discord」というチャットアプリ上の閉鎖空間で行われた。これ自体はまったく問題ないが、実際に中で行われている有用なアドバイスの数々や活発な意見交換、参加者のモチベーションアップの様子、どんな成果が出たか?などがまったく外部(一般ユーザー)に告知されていない。これだと参加者以外には「そういえばあの道場企画とやらは今どうなってんの?消えた?」というイメージになってしまう。
②改善案】
たとえば道場期間中に『道場新聞』として毎週一回道場内の師弟の様子を運営さんがテキスト記事をアップ、バナーやTwitterで告知して、誰でも道場の様子、進捗が確認できるようにする。同様に『道場通信』として運営公式チャンネルで週一回ライブ配信を行うのも良いかもしれない。

③師匠のサポート、ノウハウ
今回の道場企画は「参加者の自主性を重んじる」というスタンスだったようで、運営さんはきっちり見守ってはいるものの自発的な口出しは一切しなかった。ソワちゃん個人としてはやりやすかったが、師匠の中には「これでいいのかな?」という不安や悩みを抱えながら40日間過ごした人もいるかもしれない。
【③改善案】
「師匠の師匠」をひとり用意し、師匠の悩み相談窓口となったりアドバイスしたり、師匠としてのノウハウ「指導の進め方」「弟子との距離感」などを指導してくれると良いかもしれない。またはそういう「初めて師匠になるあなたへ」という小冊子的なものを作成し、師匠にのみ配布しても。

■最後に

師匠役はつくづく「アドバイスしたがり」なだけでは務まらない役だなと感じた。配信論を語るだけなら誰でもできるが、マンツーマンでお弟子さんと組み、彼らの要望やなりたい配信者像(実際にはまずそれを探すことから始めるケースも多い)へ近づくための施策を考え、限られた時間の中で実践させ、そこに常に寄り添い、責任感を持って成果を出させることは並大抵の奉仕ではない。お弟子さんには気軽に応募してみて欲しいが、師匠はそれなりの覚悟を持って応募するべきだと思う。無償とはいえ、そこにはお弟子さんの貴重な時間と、彼らの今後の配信者人生がかかっているのだから。
まあ、だからこそやりがいがある!とソワちゃん個人としては思っている。第二回道場企画があるなら師匠として、真摯な姿勢で応募してみたいと思っている。

最後になりましたがこの舞台を整えてくださったRadiotalk運営の方々、本当にありがとうございました!


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