日本の所得税は高いのか『その2』

日本の所得税は先程見たように平均的な会社員の収入で見た場合、実はそれほど高くありません。給与収入から給与所得控除を引いてくれます。この給与所得控除は実際お金が出ていったから控除してくれるというものではなく、実際お金が出ていっていないけれど雇用者の税負担が過大にならないように給与収入から一定額を控除して、その上で税金を計算しますよというものです。さらにそこから所得控除という控除もされます。これらが給与収入者の税金の計算ので式にすると下記の式となります。

給与収入 − 給与所得控除 − 所得控除 =課税所得(これに税率がかけられれます。)

この課税所得が日本の場合は『その1』で見たテーブルの税率による累進課税となっていますが課税所得が195万円までは所得税の税率は5%です。課税所得が195万円を超えて330万円までは税率10%をかけて97,500円を引いたものが所得税です。これだけ見ると日本の会社員の平均年収420万円の人たちの所得税率は5%です。

一方日本で働く会社員は当然ながら日本に住んでいます。この場合住民税という税金が所得税とは別にかかってきます。所得税は国に納税する税金ですが住民税は地方(県や市区町村)に納める税金です。

この住民税の税率はなんと給与収入の高い低いに限らず一律10%+5000円です。年収1000万でも年収500万でも年収250万でも一律住民税の税率は10%です。これが結構高いのです。所得税が5%の人であれば2倍の税金が住民税としてかかってきます。日本のサラリーマンの平均年収420万円で下記の例で計算すると所得税率が5%(約9万円)、住民税が10%+5000円(約19万円)となります。

給与収入420万円 − 給与所得控除138万円 − 所得控除100万円 = 課税所得182万円 

所得税 = 課税所得182万円 × 5%

どうでしょうか。日本の所得税は高く感じなかったのが住民税を入れると少し負担感を感じるようになってきますね。

ただし、住民税は日本に住んでいる居住者にかかる税金のため、日本に住んでいなければ住民税はかかりません。例えば日本国外で居住している非居住者で日本で不動産を購入して家賃収入を得ている場合は所得税だけがかってきて住民税はかかりません。

日本の会社員の給与に対して所得税と住民税が引かれることがわかりましたが、さらにそこから社会保険が引かれます。社会保険って何?という人は少ないと思いますが社会保険で主なものは厚生年金と健康保険です。

これが相当な金額引かれます。これが日本の税金は高いのではないかと思わせる大きな原因です。


つづく

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