私にはこれしかないのだ、と言う。
「命を削るだけの価値が?」
「いいや、いいや、そんなものはない。そんな大層なものじゃあない。しかしね」
彼は唇を噛み締めた。
「そんな価値はなくともこれしかないのだ。そうするより他あるまいよ」

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