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拝啓 あみ様(作詞のおすすめ)

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これはシンガーソングライターの卵である若い「あみ」さんに、おじさんの私が作詞のアドバイスをしたものです。 と言いながら、何か「日本のニューミュージックの歴史」みたいになってる要素…
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#アドバイス

拝啓 あみ様(作詞のおすすめ)1

【これはシンガーソングライターの卵である「あみ」さんに、作詞のアドバイスをしたものです。ちなみに、私は別にプロの作詞家ではありません。】 あなたの詞は、全体的に言って、抽象的、観念的なんですよね。それを説明する言葉たち。これはいけません。きつい言い方になるけど「自己満足」です。これでは他人に伝わりません。「思い」を込めているのだろうけれど、その「思い」が見えない。届かない。つまり「表現」になっていないのです。あなたが語っているのは「表現」の材料なのです。材料をそのまま並べら

拝啓 あみ様(作詞のおすすめ)2

【これはシンガーソングライターの卵である「あみ」さんに、作詞のアドバイスをしたものです。ちなみに、私は別にプロの作詞家ではありません。】 前回、けっこうきついことを書いたので、傷ついたりしてますか? ごめんなさい。 でも、乗り越えなければならない階段なのでがまんしてね。 さて、次は料理の仕方と書いたけど、ちょっと違う話になるかもしれません。 あなたの歌詞を見ていると、あなたはたぶん何かと戦っているのですね? あるいは何かから脱出しようとしている。そこには、戦うべき敵や、打

拝啓 あみ様(作詞のおすすめ)3

【これはシンガーソングライターの卵である「あみ」さんに、作詞のアドバイスをしたものです。ちなみに、私は別にプロの作詞家ではありません。】 今回は「思い」について。 歌には、主張(メッセージ)とか、伝えたい「思い」があります。 その伝え方、描き方にはいろんなやり方があるわけですが、大きく分けると2つになるでしょう。それは「ストレートに主張や思いを語る」やりかたと、「物語、ドラマに託して語る」やり方です。 昔は、「物語」のやり方しかありませんでした。つまり、歌そのものがメタファ

拝啓 あみ様(作詞のおすすめ)4

【これはシンガーソングライターの卵である「あみ」さんに、作詞のアドバイスをしたものです。ちなみに、私は別にプロの作詞家ではありません。】 荒井由実(松任谷由実の結婚前の名前)について書くと言ってましたが、彼女を書くためには、その前に「はっぴいえんど」に触れておかなくてはなりません。 1970代の初め頃、人気を高めつつあったフォークソングの対極に、恐ろしくマイナーだった日本のロック界(今のインディーズよりもはるかにマイナー。ほとんど秘密結社状態)で、「日本語ロック論争」という