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作曲備忘録⑰(バンカズのフローズンズンやまの耳コピ・アレンジ)

どうも、サウスンです。
そろそろクリスマスなので、クリスマス感のある曲を耳コピしてみました。耳コピした曲は、バンジョーとカズーイの大冒険より「フローズンズンやま」です。曲に使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。

今回作った曲

今回作った曲はこちらです。

SoundCloud(音声のみ)

※スマホの場合は「Listen in browser」で再生できます。

YouTube(MIDI動画付き)

バンジョーとカズーイの大冒険の第5のステージ「フローズンズンやま」のBGM です。クリスマス系の曲を分析したかったので、できるだけ原曲と同様の楽器構成で打ち込んでみました。原曲通りだとつまらないので、ドラムや Fx(吹雪やウィンドチャイムなど)を追加して少し賑やかにしてみました。


コード進行

今回の曲のコード進行を紹介します。
耳コピしたメロディから、この曲は基本的には Cメジャースケールのようでしたが、一部で半音下のBメジャースケールっぽかったです。なので、ディグリーネームの表記はその部分のスケールを基準に記載しようと思います。

イントロ

イントロのコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰ---|----|----|----|
|Ⅰ---|----|Ⅴ---|----|

8小節のセクションで、前半 6小節は Cメジャースケール、後半 2小節は Bメジャースケールになってます。C の部分では伴奏はしていないのですが、一応合うコードをつけてみました。最後の 2小節から、G♭の構成音でストリングスでの伴奏が始まります。


Aメロ

Aメロのコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅴ---|---|---|---|
|Ⅴ---|---|Ⅴ--|---|

前半 6小節は G♭、後半 2小節は G の構成音でストリングスの伴奏がされていました。G♭→G の部分でメロディに関しても半音上に転調したようになっていたので、G♭部分は Bメジャースケール、G 部分は Cメジャースケールとして解釈しました。ディグリーネーム的には Ⅴ→Ⅴ ですが、Bメジャースケールから Cメジャースケールへ半音上に転調しているような感じです。


Bメロ

Bメロのコード進行1(Cubase コードトラック)
Bメロのコード進行2(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅳ---|Ⅰ---|Ⅴ7---|Ⅰ Ⅴ7 Ⅲdim-|
|Ⅳ---|Ⅰ---|Ⅴ7---|---|

基本は C(Ⅰ)、F(Ⅳ)、G7(Ⅴ7)の主要三和音の進行ですが、前半最後の 1小節で C → G7 → Edim という進行になっています。コードネームだけだとわかりずらいですが、打ち込みでは以下のようなボイシングになっています。

Bメロ前半のコード伴奏の打ち込み

C → G7 → Edim の部分でトップノートが C → B → A# とが半音ずつ下がるクリシェのような進行になっています。


Cメロ

Cメロのコード進行1(Cubase コードトラック)
Cメロのコード進行2(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰ---|----|----|----|--Ⅳ-|--Ⅴ7-|Ⅰ---|----|
|Ⅰ---|----|----|----|Ⅳ---|----|Ⅰ---|----|

ここでは C(Ⅰ)、F(Ⅳ)、G7(Ⅴ7)のみの主要三和音の進行になっています。


間奏

間奏のコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰ---|Ⅵm---|Ⅳ---|Ⅴ---|
|Ⅰ---|Ⅵm---|Ⅳ---|Ⅴ---|

ダイアトニックコードのみの進行です。C の後に Am を入れてトニックを延長している基本的な進行です。


各パート

各パートの打ち込み内容など紹介します。
いつもは伴奏系とメロディ系で分けていましたが、今回はストリングス、ブラス、木管それぞれでアンサンブルを組んでいたのでその単位で説明を記載しようと思います。

ストリングス系

〇音源
 Spitfire Chamber Strings (Spitfire Audio)

Spitfire Chamber Strings の画面

ストリングスは Spitfire Chamber Strings で打ち込んでいます。

ストリングスの打ち込み(伴奏)

伴奏系はバイオリン(青ノート)とヴィオラ(紫ノート)はコード構成音を分散して鳴らし、チェロ(赤ノート)とコントラバス(黄色ノート)はベースのフレーズを鳴らしています。


ストリングスの打ち込み(メロディ)

バイオリンはメロディも演奏しています。Spitfire には「Performance legato」というパッチがあり、短いノートはスタッカートのようにアタックを強調し、長いノートはサスティンのような発音になります。上図のように打ち込むことで、キースイッチ無しでスタッカートとサスティンを切り替えた発音になります。


ブラス系

〇音源
 Session Horns Pro (Native Instruments)
 Symphony Essentials Brass Emsemble (Native Instruments)

ブラス系は Session Horns Pro でフリューゲルホルンを、Symphony Essentials Brass Emsemble でトランペットとトロンボーンを鳴らしています。

Session Horns の画面
Symphony Essentials Brass Emsemble の画面

ブラスはイントロや Cメロなどの一部のメロディで使用しました。

ブラスの打ち込み

打ち込みは、各楽器の発音範囲で、オクターブで重ねて鳴らしています。


木管系

〇音源
 Symphony Essentials Woodwind Emsemble (Native Instruments)
 Sample Tank 4 (IK Multimedia)(オカリナ)

Symphony Essentials Woodwind Emsemble の画面

木管系は Symphony Essentials Woodwind Emsemble でクラリネット、ファゴット、フルートを、Sample Tank 4で オカリナを鳴らしています。

木管系の打ち込み

木管系はストリングスと同様に伴奏とメロディ両方担当しています。セクションによって伴奏をストリングスでやったり木管系でやったりすることで単調さがなくなっているような感じがしました。


その他メロディ

〇音源
 ピアノ:Noire (Native Instruments)
 Sample Tank 4 (IK Multimedia)(グロッケン) 

Noire の画面

メロディの補助としてピアノも使用しています。イントロ部分など、ストリングスがメロディを担当しているところで小さめの音で鳴らしています。ストリングスの場合、スタッカート奏法でも少しアタック感が弱く、メロディがぼやけたように感じたので、ピアノも足してメロディの輪郭を少し強調してみました。

また、グロッケンも一部のセクションで使用しています。グロッケンの音は何となく「氷」をイメージするので、クリスマス系の曲には合っていると思います。


ベース

〇音源
 MODO BASS 2 (IK Multimedia)

ベースはいつもの MODO BASS です。低音補強のため、チェロやコントラバスと同様のフレーズを鳴らしています。


ドラム

〇音源
 Studio Drummer (Native Instruments)

Studio Drummer の画面

ドラムは最近使っている Studio Drummer を使用しました。内蔵の演奏パターンの「Country」系が今回の曲に合っている感じがしたので、いくつかパターンを使ってみました。


Fx

曲冒頭の吹雪の音や、所々で鳴らしているウィンドウチャイムの音は Splice サンプル素材を使用しました。
ウィンドチャイムはクリスマス系のサンプルパックの中にありました。

吹雪の音は上記のパックにはなかったので、「blizzard」と検索してよさげなものを選んでみました。今回使用したのは以下のパックに入っているものです。


さいごに

クリスマス系の曲を作るために、この曲を耳コピしてみました。
コード進行的にはダイアトニックコードメインの進行が多かったので、何か特別な進行がクリスマス感を出すわけではないのかもしれないと感じました。
コード進行以外の楽器構成や伴奏の仕方、Fx などの方がクリスマス感を出すのには重要なのかなと思いました。例えば、楽器構成はストリングス、ブラス、木管などのオーケストラ系の生楽器や、スレイベルやチャーチベル、ウィンドチャイムなどを使用したりなど(特にスレイベルはとりあえず4つ打ちで鳴らしておけばクリスマス感がでます)。
これらを踏まえてクリスマス系の曲を作ってみようと思います。

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