見出し画像

作曲備忘録⑤(ボサノバっぽい曲)

どうも、サウスンです。
最近とても暑いので、ボサノバっぽい曲を作ってみました。
今回も使ったコード進行や打ち込み内容などまとめていきます。

今回作った曲

今回作った曲はこちらです。

SoundCloud(音声のみ)

YouTube(MIDI動画付き)

海や砂浜をイメージするような曲になっていると思います。
アコースティックギターとコンガなどの打楽器で軽快な感じの曲にしてみました。
一応ボサノバを意識して作ったので、今回調べたボサノバっぽくするコツなどもまとめてみようと思います。

コード進行

今回使ったコード進行を紹介します。
基本的には調べて出てきた進行をそのまま使用しているだけですが、説明を書いていこうと思います。
ちなみにスケールはCメジャースケールでつくりました。

Aメロ

Aメロのコード進行1(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰmaj7---|Ⅰmaj7---|Ⅱ7(9)---|Ⅱ7(9)---|
|Ⅱm7---|Ⅴ7---|Ⅰmaj7---|Ⅴ7(♭9,13)---|

ポイントは前半の Cmaj7 からの D7(9) です。この進行がボサノバっぽさを出している感じがします。
後半は Dm7 - G7 - Cmaj7 で通常のツーファイブワンの形になっています。
そして最後の G7(♭9,13) で最初の Cmaj7 につないでいます(Ⅴ → Ⅰの形)。単純な G7 でなく、♭9th や 13th のテンションがつくことで独特の緊張感が生まれていると思います。

Aメロのコード進行2(Cubase コードトラック)

Bメロ前の進行は最後の G7(♭9,13) をドミナントの代理のドミナント系分数コード Ⅳmaj7/Ⅴ に変えてみました。こちらも 9th のテンションを加えています。 

Bメロ

Bメロのコード進行(Cubase コードトラック)

ディグリーネームだと以下です。

|Ⅰmaj7---|Ⅳ7(9)---|Ⅱ7(9)---|Ⅱ7(9)---|
|Ⅱm7(9)---|Ⅴ7(13)---|Ⅰmaj7---|Ⅱm7 - Ⅴ7(♭9,13) -|

出てくるコードは Aメロと同じような感じですが、新たに F7(9) が出てきました。Cmaj7 から F7(9) - D7(9) と連続でノンダイアトニックコードがきていて、この部分がボサノバっぽさを演出しています。
後半は Dm7(9) - G7(13) - Cmaj7 とテンションが加えられていますが、ツーファイブワンの形になっています。
最後の小節は 2拍単位で Dm7 - G7(13) となり、Aメロ冒頭の Cmaj7 と合わせてツーファイブワンの形になっています。

まとめると以下のようなことを意識するとボサノバっぽい進行になるのかなと思いました。

・Ⅰmaj7(Cmaj7)から Ⅱ7(D7)や Ⅳ7(F7)などのノンダイアトニックコードにつなぐ。
・7th コードにテンション(9th, 13th など)を加える。
・Ⅱ7(D7)などのノンダイアトニックコードを使ったあとはツーファイブワンなどの普通の進行にしてコード進行の緩急をつける。

各パート

各パートの打ち込み内容など紹介します。

コード伴奏系

〇音源
  アコギ:RealGuitar4 (Music Lab)  
  ピアノ:AliciasKeys (Native Instruments)
  ストリングス:Session Horns Pro (Native Instruments)

アコギは RealGuitar4 を使用して打ち込みしています。
ギター音源ではよくある打ち込み方法ですが、コードバッキングの打ち込みにはコードの指定とピッキング方法の指定を別々に行います。

アコギの伴奏打ち込み(コード指定部分)

ボサノバでは「バチーダ奏法」という弾き方をするようですが、調べてもあまりいい感じの打ち込み例が出てこなかったので、今回は RealGuitar4 に内蔵されているサンバのパターンを使用しました。ボサノバとサンバはジャンル的には似た音楽だそうなので今回はこちらで代用しました。

RealGuitar4 の画面(コードバッキングのパターン選択画面)

今回使用したバッキングのパターンはこちらです。
G#-2 ~ C#-1 で 1弦から 6弦のどれを弾くかの指定ができます。
パターンをよく見ると、A-2(2弦)とそれ以外が別々の動きになっています。このようなベース音とコード弾きを 16分のリズムで別々の動きをするとボサノバっぽいバッキングになるようです。

アコギの伴奏打ち込み1(ピッキング指定部分)

RealGuitar4 のバッキングパターンはトラックにドラッグ&ドロップすることで MIDI になるので、自由にパターンを修正できます。
今回は Aメロ最後の部分を区切りよくするために少し変えてみました。

アコギの伴奏打ち込み2(ピッキング指定部分)

ピアノ伴奏についてはギターのパターンを参考に、大体同じような感じになるように打ち込みしています。ストリングスも同様の打ち込み内容でスタッカートで音量低めで鳴らしています。

ピアノの伴奏打ち込み

メロディ系

〇音源
 ピアノ:Noire (Native Instruments)
 アコギ、グロッケン:Sample Tank 4 (IK Multimedia)

Sample Tank4 の画面

メロディは基本的にはピアノとアコギで担当し、2小節毎にグロッケンを追加して少し華やかな感じにしています。

パーカッション

○音源
  Addictive Drums2 (XLN Audio)
  Cuba (Native Instruments)

ドラムは Addictive Drums の中にラテン系のパターンがあったのでそちらを使ってみました。
コンガなどの打楽器は Native Instruments の Cuba を使用しました。

Cuba の画面

さいごに

今回はボサノバっぽい曲を作りたくて、色々調べて作ってみました。
ボサノバのコード進行はノンダイアトニックコードやテンションノートを多用するのでなかなか難しいですが、その分コードの理解が深まるような感じがしました。
打ち込みは基本的に音源に内蔵しているパターンを使用しましたが、パターン自体初めて使用したので、ボサノバのパターンの勉強になりました。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?