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2024/05/19 【応援歌整頓論】使用開始順にナンバリングする

(この記事は「応援歌整頓論」の各論です。概論は別記事をどうぞ)

私の応援歌の整頓方法を紹介している応援歌整頓論。今回はその中でも、最たるマイルールとも言えそうな、ナンバリングの手法について説明します。
いつも言っていることですが、今回も初めに断っておくと、別に私のやり方が絶対的な方法ではありません。特に今回は、世間一般にはあまり通じていない手法だと自覚しているので、いつも以上に参考程度のものとして読み流してください。


応援歌をナンバリングする必要性

日本のプロ野球において、各選手に使用される応援歌は、必ずしも特定の一曲に固定されるとは限りません。
球団ごとに存在する応援団が応援歌を作成している手前、選手が移籍した場合には、応援歌も作り直されるケースが大半です。また、同一球団に在籍している間であっても、応援歌変更という形で新たな応援歌が割り当てられたり、複数の応援歌を併用することもあります。

となると、ある選手の応援歌、と一口に言っても、対象の応援歌が複数存在して、これだけでは特定できないという事態に直面します。これに対して、どのように応援歌を整理するかというと、やり方は人それぞれかと思うのですが、私個人的な手法としては、球団問わず、使用開始順にナンバリングしています。
こうやって文字に起こすだけだと、何をそんな至極当然のこと、とも読み取られかねなさそうですが、球団問わずに、というのが私のやり方のポイント。
プロ野球の個人応援歌を整理する場合、通常よく見かけるのが、この球団の何作目、あの球団の何作目、という具合に、球団と紐づけてナンバリングする手法。私も、動画投稿など対外的に見られる場面にあっては、球団と紐づけて何作目と説明しますし、そのほうが伝わりやすいんだろうなあという感触もあります。
ただしこの手法、NPBの応援歌を余すことなく整理したいという私の野望と照らし合わせた時には、少しばかり使い勝手が悪いのです。地方限定応援歌であったり、個人チャンステーマであったり、異なる球団間で応援歌が移譲されたり、キー変更や前奏追加などのマイナーチェンジだったり…。
この辺も体系的に整理しつつ、かつ、選手ごとの歴代応援歌を一目でつかめるようにするには、いっそのこと、どの球団という情報を抜きにして、純粋にその選手にとって何曲目の応援歌なのか、という視点だけで整理したほうが私のやり方に即しているのでは、と考えました。

応援歌ナンバリング事例集

同一球団で応援歌が多数作られた立浪和義

さて、ここからは実際に私がどのようにしてナンバリングしているのか、いくつか事例を挙げてみたいと思います。
まずは、中日一筋の現役生活を送り、本記事を執筆している'24現在は監督も務めている立浪。同一球団のみで多数応援歌が作られ、地方によって異なる応援歌が使用されていた時期もありました。

これをどうナンバリングするかというと、以下のとおりとなります。

  • 立浪和義/1.0 : '88作『ガラスの十代』原曲長調版「♪生まれ持つ野球センス~」

  • 立浪和義/1.1 : '90作関東版『ガラスの十代』原曲短調版「♪生まれ持つ野球センス~」

  • 立浪和義/2 : '88作関東版PL学園応援テーマ「ウイニング」原曲

  • 立浪和義/3 : '92作「♪いけわれらの立浪~」

  • 立浪和義/4 : '97作後に福留1作目流用「♪すわこそゆけの命に~」

  • 立浪和義/5 : '98作「♪燃える決意は(冴える闘志は)~」

使用開始順にナンバリングと言いながらいきなり1.1と2が逆転してるじゃないかどうなっているんだ、というか応援歌で1.1作目って何を言っているんだ、と早速ツッコミを受けそうですが、一つずつ紐解いていきましょう。

まず、立浪のルーキーイヤー'88時点での応援歌使用状況を見ると、中日の本拠エリア名古屋中心では『ガラスの十代』長調版が演奏され、一方関東では立浪の母校PL学園の応援テーマ「ウイニング」が演奏されていました。
私のナンバリングルールとして、応援歌の使用開始時点が同じであれば、本拠エリアで使用されていた応援歌から優先的に番号を振ります。よって、1が『ガラスの十代』長調版、2がPLウイニングとなります。

続いて、'90頃から関東で使用実績が見られる『ガラスの十代』短調版についてですが、これは、先ほど立浪1として整理した『ガラスの十代』長調版のキー変更、すなわちマイナーチェンジとみなします。
これまた私のナンバリングルールとして、マイナーチェンジがあった場合は、元の番号に対して小数点以下の番号を割り振って対応します。ソフトウェアのバージョン番号と同じ考え方です。もっとも、専門の方から言わせれば、ソフトウェアのバージョンの区切りは小数点ではないとこれまたツッコミを受けそうですが、すみませんがそこはわかりやすさ重視の解説ということでお目こぼしいただければ。
というわけで、この時点で立浪の『ガラスの十代』を原曲とした応援歌は、長調版が1.0、短調版が1.1となります。

その後、'92、'97、'98と、なかなかのペースで新しい応援歌が作られていきますが、これらをそれぞれ、立浪3、立浪4、立浪5と整理することには異存ないかと思います。
'98作の立浪5作目については、'06に歌詞変更がありました。しかし、私としては、単に歌詞変更のみでメロディに変化がない場合、同一曲とみなします。したがって、'06の歌詞変更後を6作目と整理するようなことはしません。

なお、私の整頓ルールの一つとして、「最終流用時点での応援歌とみなす」というものもありました。
よって、立浪4作目については、現在は福留孝介の1作目として整理していることになります。
ただ、だからといって空いた番号を詰めるようなことはしません。私の整理上だと、立浪の応援歌はズラリと並ぶ中で4作目だけ欠番という映り方になるわけですが、これはこれで割り切りです。
また、立浪の歴代応援歌が今後現役選手に流用される可能性は限りなく低いものと考えますが、万が一にも流用されるようなことがあれば、同様に流用後の選手の応援歌として整理することになります。

在籍各球団で応援歌が作られた中村紀洋

続いて、日本球界では近鉄、オリックス、中日、楽天、そしてDeNAと5球団を渡り歩いた中村紀洋。
各球団で作られた応援歌も精鋭揃いで、高い人気を誇ります。どのくらい人気かというと、本記事執筆時点で私がこれまで投稿してきた1,000本以上の動画の中で、最も再生回数が多いのが中村紀洋の応援歌メドレーです(宣伝)。

そんな中村紀洋の歴代応援歌をナンバリングしていくと、以下のとおりとなります。

  • 中村紀洋/1.0 : '97作近鉄時代前奏無し「♪我らの期待を~」

  • 中村紀洋/1.1 : '06作オリックス時代チャンス版前奏有り「♪我らの期待を~」

  • 中村紀洋/2 : '06作オリックス時代「♪修羅場を越えてきた~」

  • 中村紀洋/3.0 : '08作中日時代通常版「♪甦れ今~」

  • 中村紀洋/3.1 : '08作中日時代ビハインド版「♪甦れ今~」

  • 中村紀洋/4 : '09作楽天時代「♪翼広げて~」

  • 中村紀洋/5 : '11作DeNA時代「♪いざ解き放て~」

基本的には、所属した球団順に応援歌も作られているので、そんなに頭を悩ませることもないかと思いますが、2点ほど解説を付け加えます。
まず、'06オリックス在籍時に作られたチャンス版の扱い。これは、近鉄時代の曲を本編として、それに前奏を追加した応援歌です。
この前奏追加は、マイナーチェンジとみなし、別物の曲として取り扱うことになります。したがって、近鉄時代の前奏無しが1.0、オリックス時代チャンス版の前奏有りが1.1となります。

そして、中日時代に作られた応援歌についても。この応援歌、前奏から本編へと移行する曲構成なのですが、通常時に流れる前奏と、6回以降ビハインドの展開で流れる前奏で、歌詞は同一ですがメロディが異なるのです。
メロディが異なるものであれば、別物の曲として整理しますが、本編は同じ曲ですので、これもマイナーチェンジと取り扱います。演奏機会を考慮して、通常版のほうを3.0、ビハインド版を3.1としています。

旧応援歌が復活した新井貴浩

流用と違って、昔使用されていた応援歌が、数年のブランクを経て復活する事例というのもあります。この場合、応援歌が復活したからと言って、一度割り振った番号を変えることはしません。
代表例として、広島から阪神にFA移籍後、現役晩年にまた広島に復帰した新井貴浩。

  • 新井貴浩/1 : '99作広島時代1作目「♪新井ダイヤモンドに~」

  • 新井貴浩/2 : '00作広島時代2作目「♪赤い心見せ~」

  • 新井貴浩/3 : '08作阪神時代「♪一振りにかける~」

新井は'15に広島に復帰すると、応援歌も'00作広島時代2作目が復活しました。これに関しては、先のオリックス中村紀洋チャンス版と違って、マイナーチェンジも一切なかったので、同一曲と整理し、ナンバリングも2作目のまま変更しません。

使用開始順にナンバリングする欠点と利点

こうして事例をご覧いただいて、球団問わずナンバリングする方法はどのように感じられたでしょうか。
私の感覚として、新井貴浩の阪神時代の応援歌を、新井の応援歌3作目と表現したところで、世間に通用するかと言われると、なかなか厳しいものがあると思います。あまり一般的な手法でない以上、対外的に用いるのにはあまり適していないのが、この方法の大きなデメリットです。

また、この手法で肝要なのは、使用開始年度を突き止める点にありますが、昔の応援歌になればなるほど、そもそもいつから使われたのかが不明瞭なものが多いです。
それでも、どの応援歌がどの順番で使用されていったか、という前後関係だけなら、割と調べがつきやすいので、ナンバリングに困ることはそれほどないのですが、難儀するのは、地方版やら応援パターンの併用が出てきたとき。
最初の事例として挙げた立浪も、実は私の中では長いこと、PLウイニングのほうが使用開始時期が早く、それに遅れて『ガラスの十代』が使われ始めたものと思っていました。ところが、いろいろ調べていくと、『ガラスの十代』もルーキーイヤーの早い時期から使用されていたことが判明し、私の中でのナンバリングを変更するという経緯がありました。
このように、使用開始時期の特定が困難な場合、ナンバリングの信頼が揺らいでしまうというのも、困ったところではあります。

それでも私が、球団問わず使用開始順にナンバリングする手法を採用しているのは、冒頭にも申し上げたように、こまごまとした応援歌の変遷を体系的に整理できる点に尽きるのだと思います。
念のため申し上げると、どの球団の応援歌か、というのも応援歌の判別上は当然重要な要素となるわけですが、その情報は、ナンバリングとは別のカテゴリーで付すようにしているので、私の整理上、どの球団の応援歌なのかわからなくなるということはありません。
このナンバリング方法に慣れてしまえば、過去の応援歌を見落としていたとか新たに発掘されたとかがない限り、いちいち番号を振り直す手間もなくなります。異なる球団間での応援歌の移譲があっても、ナンバリングは不変です。この辺が、私としては管理のしやすさにつながっていると感じているところです。


本記事でちょこちょこ出てきた、応援歌のマイナーチェンジに関しては、応援歌整頓論の中で取り上げるのは次回以降になりそうですので、何を言わんとしているのか理解に苦しむという読者の方は、申し訳ございませんが次回以降の記事をお待ちください。

ところで、この辺のナンバリングのルールをお読みいただいた上で、本シリーズの最初の記事「概論」のサムネイルとして掲載したスクリーンショット画像を改めてご覧いただくと、私の整頓の実態がより見えてくるかもしれません。

上段5行目までが近鉄の応援歌なのですが、この中で最下行にある「吉岡雄二/2」というのは、別に近鉄時代の2作目というのではなく、巨人時代も含めてナンバリングして、吉岡歴代で2作目の応援歌という意味なのです。

さらに、吉岡の下の行から始まっているオリックスの応援歌群。初めにチーム応援歌が並んでいますが、これに関しても、本記事で取り上げたナンバリングのルールに基づいて番号を振っています。「(Bs)チャンステーマ/1」はジャンプ、「(Bs)チャンステーマ/2.0」はタオル、「(Bs)チャンステーマ/2.1」は琉球のタオちゃん…といった具合ですね。
チーム応援歌に関するルールも、まだ個別の記事を書き上げることができていません。筆が遅くて申し訳ありませんが、こちらもゆっくりお待ちくださいませ。

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