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2023/11/12 【応援歌整頓論】流用した地方限定応援は使用歴に含めない

(この記事は「応援歌整頓論」の各論です。概論は別記事をどうぞ)

誰が興味を持っているのか、ニーズがよくわからないまま、どちらかというと私自身の理屈の整理のためだけに書いているようにも思える本シリーズ。今回は、地方限定応援についてのお話です。
本記事も、書き始めたら非常にまとまりのない長文になってしまいました。こんな文章を誰が読んでくれるのか相変わらず私にはわからないので、本当適当に読み飛ばしていただいて結構です。


地方限定応援の取扱い

地方限定とは所属球団の本拠地以外の球場で演奏される応援歌

そもそも地方限定応援とは何ぞや、というのを定義付けるのも、なかなかしっくりくる表現が思い浮かばず難しいですね。
読んで字の如しではありますが、あえてまどろっこしく言い換えるならば、応援歌の特性として、球場によって演奏する応援歌が使い分けられることがあり、所属球団の本拠地以外の特定の球場で演奏される応援歌が地方限定応援、ということでよいと思います。

いくつか事例を見てみましょう。まずは狭義で、NPB12球団の本拠地以外の球場、いわゆる地方球場限定の応援歌。
'10以降のロッテが、お遊び要素も多分に含んだこの手の地方球場限定応援歌を数多く披露していました。私が動画を作った応援歌で一例を挙げると、エンターテイナー大松。

ホームとビジターで応援歌を使い分ける場合、ビジター限定のほうは広義で言えば地方限定応援に分類できるのでしょうね。
これは特に一時期のダイエーでちらほらと見られた運用方法。メモリーズ本間なんかが該当します。

大原則は地方限定応援もナンバリングして整理する

これは私が整理する上での問題でして、詳細はまた別の機会に語るかもしれませんが、使用開始順にナンバリングするというルールを設けています。
ですので、上述のロッテ大松やホークス本間でいくと、以下のようなナンバリングになります。

  • 大松尚逸/1 : '06作「♪オオオオオオオ大松~」

  • 大松尚逸/2 : '10作「♪誰よりもぶちかませ~」

  • 大松尚逸/3 : '12作地方限定「♪オオオオオオオオオ~」

  • 本間満/1 : '98作ホーム版「♪右に左に打ち分けて~」

  • 本間満/2 : '00作ビジター版「♪流れる打球見つめて~」

各球団本拠エリアにおける地方限定チーム応援歌もナンバリングして整理する

今回の主題とはあまり関係ないですが、最近はチーム応援歌でも地方限定モノが一定数存在します。
これらについて、私の取扱いとしては、各球団いずれかの本拠エリアにおけるチーム応援歌であれば、一律にナンバリングして整理してしまっています。

例として、地方限定チャンステーマを大量生産している楽天から、その中でも一番最初に作られた地方限定チャンステーマである、九州限定チャンステーマをピックアップしてみましょう。
本曲は、'08途中に作られた応援歌で、ソフトバンクの本拠地福岡を含む、九州開催試合限定で使用されていたチャンステーマです。『琉球三國志』という曲が原曲。

この九州限定チャンステーマ以前に楽天で使用されていたチャンステーマは2作のみと認識しておりまして、したがって、本曲は楽天3作目のチャンステーマとして私は整理しています。本曲までの具体的なナンバリングは、以下のとおりです。

  • チャンステーマ/1 : '05作ベニーランド「♪Go Go Go イーグルス~」

  • チャンステーマ/2 : '08作イモニ「♪解き放て! ここで打つんだ! ~」

  • チャンステーマ/3 : '08作琉球三國志「♪混沌の空を裂き~」

例外は通常の応援歌を地方限定で流用した場合

地方限定流用前の選手応援歌として整理する

前置きが長くなりましたがここからが本題。地方限定応援がオリジナル曲であれば、ここまで述べてきたとおり、ナンバリングの上で個別の曲として整理しますが、以前に使われたことがある応援歌の流用曲だった場合は取扱いを変えます。

ここでは、西武平野謙1作目を例にとります。この応援歌は、平野に対しては'88から'89までの2年間しか使用されていませんが、平野の西武時代1作目の応援歌として整理すること自体は特に異論はないかと思います。
問題は、この後の流用歴です。私もはっきり実録を確認しているわけではないですが、応援歌データベースの情報によると、その後、佐々木誠や赤田将吾の福岡版として、また、佐藤友亮の関西版としても演奏されていた時期が存在するようです。
これらの情報の真偽のほどはさておいて、仮にこれらが正しい情報だとしても、いずれの流用事例も地方限定の使用に留まっています。したがって、私の中での整理としては、あくまで地方限定流用前、平野の応援歌としてしか考えません。言い換えると、本曲を佐々木や赤田や佐藤友亮の応援歌と整理することはしません。

流用した地方限定応援は使用歴にも含めずナンバリングもしない

前回の応援歌整頓論の記事「投手流用時の投手の優先順位は低い」では、あくまで優先順位が低いのみで、使用歴には含める旨説明したところですが、今回の地方限定応援については、この取扱いも異なり、使用歴に含めなければ、ナンバリングも対象外です。

先ほどの事例つながりで、今度は少し視点を変えて、赤田将吾の応援歌の使用歴にフォーカスを当てて考えてみましょう。
赤田の西武時代の応援歌について、ここでも応援歌データベースの情報から読み取るに、福岡版としては、先ほどの平野謙1作目流用のほか、田尾安志流用、そして福岡版オリジナル4小節曲と、計3曲が存在したことになります。
このうち、平野流用及び田尾流用は、今回の地方限定流用ルールに該当すると判断し、赤田の応援歌として取り扱うことはしません。一方、福岡版オリジナル曲は、大原則のほうに当てはめることができ、ナンバリングして整理することになります。

なお、関西版として、赤田の関東版1作目「♪ジェットミサイルが消える~」が使われていたという情報もありますが、これは本拠エリアで使用されていた応援歌でもあるので、今回の地方限定流用ルールは気にしないこととします。
以上を踏まえ、せっかくなので西武から他球団移籍後の応援歌も含めて、赤田の応援歌をナンバリングすると、以下のとおりとなります。

  • 赤田将吾/1 : '00作西武時代関東版1作目秋山流用「♪ジェットミサイルが飛ぶよ(消える)~」

  • 赤田将吾/2 : '03作西武時代関東版2作目駒崎流用「♪打てチャンスだ赤田~」

  • 赤田将吾/3 : '04作西武時代全国統一後も継続使用「♪みんなの夢乗せて~」

  • 赤田将吾/4 : '04作西武時代福岡版3作目「♪赤田赤田赤田赤田~」

  • 赤田将吾/5 : '10作オリックス時代古木流用「♪烈しく叩けストレート~」

  • 赤田将吾/6 : '13作日本ハム時代上田流用「♪遥かな光目指し~」

流用した地方限定応援を使用歴に含めないルールを設けた背景

なぜこのルールを設けたかというと、割と単純な話なのですが、正直地方限定の流用応援歌まで追いかけきれない、という私個人の能力的な問題です。

ここまで取り上げた事例を見てもらえば少しは御想像いただけるかと思うのですか、'90代後半から'00代前半にかけての西武というのは、本拠エリア関東以外に、関西版、福岡版と、3地域に渡って応援歌がバラバラという選手が珍しくありませんでした。
赤田の福岡版オリジナル曲のように、その地方でしか存在しない固有の応援歌であれば、これはきちんと整理する必要があると感じていますが、過去の選手の流用曲までとなると、そもそも私自身では調べきれないし、使用歴に含めたところで、複雑になりすぎてかえって曲名と応援歌が結びつかない、という考えです。
先の西武平野1作目で言えば、純粋な使用年度で言えば、佐藤友亮関西版としての使用が一番最後だと思うのですが(その後の金子侑司への演奏は、クラシックシリーズ含めお遊び演奏の範疇とみなします)、だからといって、本応援歌を佐藤友亮の○作目、と整理するのは、個人的な感性としてはピンと来ないのです。
関西版とか福岡版とか注釈をつけて整理する、というのも一つの手、というかそれが応援歌界隈では一般的な整理法なのかもしれませんが、これも私の好みの問題で、余計な注釈を付けず、ずらっとナンバリングして整理したいんですよね。この辺も、ナンバリングの話題の時に触れられたら触れたいところですが。

西武ばかり槍玉にあげて話をしてしまいましたが、実のところ西武に関しては、この地方限定流用応援歌もきちんと調査、整理されている方がいらっしゃるのを存じており、当時の応援事情に精通していれば、調査も整理も完全に不可能というわけではないと思います。
ただ、この地方限定流用曲問題は、何も西武に限った話でなく、'90代から'00代前半にかけては、他球団でもそれなりに似通った話があります。オリックスなんか実態をつかむには相当の難易度と思われ、こうなってくると、正直私としてはお手上げ、ごめんなさいというお話なのです。

地方限定応援を巡る整理方法の事例集

オリックス佐竹福岡版は使用歴に含めない

このテーマで記事を書こうと思った発端は、オリックス佐竹学の応援歌で動画作成してほしい旨のリクエストを受けたことです。
オリックス時代の佐竹の応援歌の変遷はちょっと曲者でして、当初は本拠エリア関西では「♪一球一打に闘志を燃やし~」を演奏されていた一方、福岡では「♪鋭い打撃を見せてやれ~」を演奏。後に、関西版と福岡版の交互演奏が全国的に定着していった、という流れで認識しております。
何もなければ、佐竹のオリックス1作目が「♪一球一打に闘志を燃やし~」、オリックス2作目が「♪鋭い打撃を見せてやれ~」、そして交互演奏は1作目のマイナーチェンジ、という整理になるのですが、そこに待ったがかかるのが、福岡版単独演奏の取扱い。佐竹の福岡版単独曲は、佐竹以前に栄村忠広の応援歌として使用されていた、という情報があるのです。

栄村の応援歌としての実録は私の方では未確認とはいえ、栄村時代も地方限定でしか使われていなかったという話は特に聞かれないので、そうなってくると、今回のルールとの兼ね合いで、佐竹福岡版単独演奏については、地方限定流用前の栄村の応援歌として整理することとなり、佐竹の応援歌としては使用歴にも含めなければナンバリングもしない、という取扱いになります。
交互演奏については佐竹時代のみのパターンですので、こちらを1作目マイナーチェンジとして整理する取扱いは変わりないものの、福岡版単独演奏を佐竹の応援歌として整理できない、というのは、人によってはなかなか受け入れ難い部分かもしれませんね。でも、ルールに則って整理整頓しようとすると、こういう事例が少なからず出てくるのは、ある種仕方のない話なのです。

西武福地関西版は使用歴に含める

地方限定流用を巡る事例としては、福地寿樹の西武時代関西版の応援歌について、小野和義の流用曲であるにも関わらず、過去に私が投稿した福地応援歌メドレーに含めたことがありました。

今回のルールで行けば、流用前の小野は地方限定でないのに対し、流用後の福地は関西版ですので、使用歴に含める取扱いは誤りでは、という疑問も出てくるでしょう。
本事例は、流用前の小野が投手、流用後の福地が野手というのがポイントでして、優先順位に関する別のルール「投手流用時の投手の優先順位は低い」にも該当してきます。
それで、投手と野手の比較では野手の応援歌として整理したい、というマイルールにより、例外の例外として、福地を使用歴に含める取扱いとしました。

私の知り得る限り、流用前が投手の応援歌で、流用後に野手の地方限定応援歌になったのは、本曲くらいしか思い当たりません。他に同様の事例が出てきて、この整理でよいのか疑問が生じた際には、考え直すかもしれませんが、かなりのレアケースであることは間違いないでしょう。

ソフトバンク北日本チャンステーマは使用歴に含める

ここまでは、選手個人の応援歌について中心に取り上げてきましたが、チーム応援歌ではどうなるか。いくつか地方限定チャンステーマを取り上げていきたいと思います。

ソフトバンクの北日本チャンステーマは、かつてチームに在籍していた北野良栄の応援歌が流用元です。ただし、北日本チャンステーマとして採用時には、THE BLUE HEARTS『人にやさしく』の一節が前奏として追加されました。
もし前奏が追加されず、北野の応援歌本編のみをそのまま流用ということであれば、取扱いに頭を悩ませていたかもしれませんが、前奏が追加されたので、北野の応援歌にマイナーチェンジがあったものとして使用歴を整理できます。というわけで、北日本チャンステーマも、ホークスのチャンステーマ群の中のれっきとした一曲として、ナンバリングして整理しています。

広島マメチャンは使用歴に含める

本記事を書いている中で様々な事例を見直してきた中で、一見矛盾した取扱いをしていたように思えたのが、広島のマメチャンです。
古くは西田真二の応援歌として使われていた本曲は、'07に通称マメチャンとして、関西限定チャンステーマに採用されました。
なお、チャンステーマとしての使用は'08までの2年間のみであり、その後、助っ人として入団したキラの個人応援歌として流用された経緯があることから、現時点での最終使用歴はキラとして整理しています。

よく考えると、西田からマメチャンとして流用された当初は、前述のソフトバンク北日本チャンステーマとも違って、曲構成のマイナーチェンジは一切なかったものですから、チャンステーマとして使用歴に含めるのは、今回のルールと矛盾しているようにも思えます。
ところが本曲のチャンステーマとしての経歴にはもう少し続きがあって、'07当初は関西限定で使用されていたのが、'08には、本拠エリア広島含む全国で使用されるようになりました。
そうなると、少なくとも'08の使われ方は地方限定ではないので、今回のルールに当てはめる必要がなくなり、使用歴に含めて問題なし、という判断になります。なんだかここまでくると、ルールのほうが後付けになっている気もしてきますが。


本記事の後半で出てきた地方限定チャンステーマの取扱いについては、そもそも、無理に地方限定個人応援歌の取扱いと合わせなくてもよいのかな、というのもちょっと考えてみました。
ただ、ここでも広島の地方限定チャンステーマがいろいろ引っ掛かってきます。具体的には、金本知憲2作目の応援歌が、一時期関西限定チャンステーマとして使われていたという情報があるのですが、個人的に本曲は金本の応援歌として整理したい思いがあります。そうなると、個人応援歌とチーム応援歌であえて取扱いを分ける必要性が薄れてしまい、なかなか塩梅が難しいところですね。

ところで、実はこの記事を書き始める前まで、本項の名称は「流用した地方限定応援"の優先順位は低い"」としていたのですが、いろいろ書き進めていくうちに、前回の投手流用応援歌の話と若干取扱いを変えていることに気がつき、こっそりタイトルを変えてしまう暴挙に出ています。
それもこれも、なんぶふじ一個人のマイルールに過ぎないからできることです。私が法律を地で突き進んでいるシリーズですので、いつしか書いたことの繰り返しで恐縮ですが、こういう考え方もあるんだな程度に感じていただければ。

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