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『GE帝国盛衰史』の事をテレビ東京でやっていた。でも、入山さんは企業のガバナンが効いていなかった!だって? 今だにグローバル化に被れている。

テーマ:グローバル企業は日本を幸福にするか?


巨大企業が崩壊したワケとカリスマ経営者の虚実を『GE帝国盛衰史』で読む【テレ東経済ニュースアカデミー】(2022年12月6日)

テレ東BIZ  2022/12/06

企業経営のお手本と賞賛され、国家とほぼ同等の信頼を得ていたアメリカの超巨大企業=GE(General Electric)帝国はなぜ崩壊したのか。

かつては大統領専用機エアフォースワンのエンジンから、発電機、家電製品まで手がけ、経営トップのジャック・ウェルチは世界最高の経営者とされてきた。ジャック・ウェルチは本当に世界最高の経営者だったのか? 
後を継いだジェフ・イメルトは本当に優れた経営者だったのか? 
超巨大組織の“崩壊”の内実を明らかにした『GE帝国盛衰史』を早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授とテレビ東京の豊島晋作が読み解く。
つい最近まで、ジャック・ウェルチを経営学のお手本として教えていた入山教授は、本が描いた知られざるGEの内実を見てまさかの”反省”?。
日本企業にとっての教訓とは何か。本を読んでいない方も読んだ方も楽しめる経済トークコンテンツ。



【筆者のコメント】

テレビ東京の「豊島晋作」さんは、時々ヤバい事を言って上司から叱られているらしいが、こっちはそれが面白い。番組降ろされたら、テレ東はアブナイと思っている。

さて本論に入って、下記のこの本の事だけれど、GEのジャック・ウェルチについては1990年代でしたか、流行ったなと懐かしい。
「ジャック・ウェルの評価が変わる」なんて話はどうでも良くて、米国企業にありがちな、企業は売り買いするものというグローバル金融の考え方の罪深い側面を考えよう。

■個人的には、米国流の金融が支配するグローバル企業で、モノつくりについてはあまり関心が無い企業だったので、好印象は無かった。

 米複合企業大手ゼネラル・エレクトリック<GE>は26日、19年末までに200億ドル(約2兆2000億円)規模の事業資産を売却する計画の一環として、
(1)今後1年-1年半以内に、ヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアを独立事業体として分社化する
(2)今後2-3年以内に傘下の米石油掘削機器大手ベーカー・ヒューズ・GEカンパニーの持ち株62.5%をすべて売却する
(3)ヘルスケア事業の分社化完了後に配当金を引き下げる可能性がある(4)20年までにGE全体の純債務額を250億ドル(約2.8兆円)減額する――と明らかにした。

GEヘルスケアの17年の売上高は190億ドルで、これはGE全体の約16%を占める。GEはヘルスケア事業部門の分社化後、株式の20%を売却して現金化する一方で、残りの株式80%をGEの株主に利益還元としてタックスフリー(無税株主割り当て)で譲渡するとしている。

GEはこうした一連の産業用資産売却を通じて、今後は航空事業のGEアビエーションと発電事業のGEパワー、再生可能エネルギー事業のGEリニューアブルエナジーの3事業に経営を集中させていく考えだ。

 米信用格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は26日、GEヘルスケアの分社化計画を受けて、GEの格付けを引き下げ方向で見直すことになる「ネガティブ」に引き下げた。「負債圧縮でGEの財務信用度が高まるものの、GEヘルスケアが独立事業体となりGEから切り離されることによって、GEの事業多角化が大きく損なわれ、また、キャッシュフローも減少することになる」としている。また、(事業資産の売却による)経営多角化の後退に加え、将来的に利益とキャッシュフローが一段と不安定になる可能性によって格下げが決まる。GEヘルスケアの分社化後に、GEの発行体付けが現在の「A」から「A-」に引き下げられる可能性があると指摘した。

ジャック・ウェルチがやって来た事は、株主優先で傘下の会社を入れ替えて利益を出して来たのでしょう。

後でわかった事だけれど、不完全な・欠点がある原子力発電設備を政治力で日本に押し付けて、知らぬ顔をする企業だから衰退するという側面もあるんじゃないの?



■米国の製造業全体の地盤沈下と情報産業へシフト

その後、シリコンバレーのベンチャー企業、今でいうGAFAと言うかビックテックと言うか、新興企業が席捲して製造業は古くて利益を生み出せないと言う風潮の中にいて、なんか違うとも思っていた。


■それを不安定な国からの供給で良いの?

ビックテックって、安定した地盤に堅固な建物、安定的な電源や冷却水が供給されて、ハードウエア供給者であるIBMやHPやシスコが安定的に供給されて、AT&T等の通信インフラが安定的に提供されて、その根幹である半導体が安定的に供給され、TSMCの様に半導体が急激な効率化が保証されて(シリコンサイクル)、初めて企業のスケールアップが図られるわけで、ビックテックにとって疎かに出来ない重要な基盤である。



■米国も日本も、製造業の重要さ、サプライチェーンの見直し、国家の安全保障を改めて見直すきっかけの一つがコロナ禍だった。

2022年になって、GAFAも成長の鈍化が見え始めて来たが、実際インフラとか、エネルギーとか、電力とか「現場を蔑ろ」にしてきて、米国も日本もこれから「そのツケを支払う」事になると思う。

特に部品や特に半導体のサプライチェーンの見直しが、ビックテックだけでなく、家電、自動車、挙句の果てに武器製造にとってのアキレス腱である事が解ってしまったコロナ禍である。


■何故かロシアがウクライナに攻め込んでしまって、それにより世界は分断され、食料やエネルギーや資源の供給不安に気付き世界が変わるきっかけになってしまった。物理的に移動できない財は、無価値となる。

産業財市場だけでなく消費財市場にとって必須な製造業は、現場が重要であり、現場こそが利益を出し続ける力を有している。現場に行かずに何が解るのかと思うのです。

飛行機にジェットエンジンが必須であるうちは、そのジェットエンジンの価値や強みが何かを、それを提供する為に何が必要かを考え付くのは現場しかない。

又、物理的な製造現場がサプライチェーンの安定のために必須となる。
つまり、経済も安全保障上も安定しているブロック化した国家群に重要な製造拠点が戻って行く事になる。


■製造業が終わるのではなく、製造業が利益を生まないのではなく、その時代の消費者と言うか生活者が潜在的に何を求めるのかを追求し続けられる企業だけが生き残るのでしょう。

そういう意味で、経営学ではマーケティングが重要であり「コトラー」を重視していた、

製造業で言えば「トヨタ」が世界一になったのは、偶然ではない。

別な視点ではあるが、SONYが優良企業になったのも創業者の盛田昭夫さんが、製造業なのに、音楽会社を立ち上げ(1968年)、CBSレコード・グループを買収し(1988年)、コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメントを買収し(1989年)、ソニー・コンピュータエンタテインメントを設立した(1993年)。それが今のソニーグループの利益を生みだしているが、映像音のハードウエアーを作るのにコンテンツを作る企業が無くては永続できないという理念であった。どんなコンテンツが好まれるかから、それを作るソフトとハードを作るのは、凄い事だと思うがね。

日本で東芝が危機に陥ったのも、一番の根幹は末端の消費者を知ろうとしない会社だったからだと思う。


■ビックテックの限界って、

ごみ溜めの様なインフォメーションをいくら蓄積しても、それを人間の幸福の為にどう生かすか=インテリジェンスに昇華出来ていない事。

ビックテックは
インフラである上下水道・道路・電気・ガス・通信に加え、人やモノの移動手段である自動車や飛行機や船等の社会の基礎的なモノを当たり前に活動する事を前提として利用するだけで、それらのイノベーションやより活躍する事にどれほど寄与しているのだろうか?
それがこれからの産業の対象分野の一つ。

又、それらを利用する第一階層の食料や資源等の効率的な生産と備蓄や移動のより一層の効率化・イノベーションを起こす事が、インテリジェンスの役割である。

「ばえる写真」を撮っても自己顕示欲を増長するだけで社会の幸福と言う価値を上げていない。「人の悪口」書きまくっても、人間社会の悪意を増長するだけで、そのストレスやその精神的被害や風評被害による企業の損耗を考えると、社会の幸福度を上げているのだろうか?

商品の手に入れかたが変わるだけで、人間の幸福度が上がるわけでは無い。「家で寝転がって必要もない商品」を購入しまくる事で、小売業から物流業への労働者の移動が起こっているだけ。流通の効率化の元に、労働分配率が低下して行くのでは、収入格差が広がるだけ。


社会のインフラとしての価値を下げる事になる事、そろそろ気づいてもよかろう。



続く

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