生田絵梨花の乃木坂46時代の集大成がこのミュージックビデオ「歳時の轍」。ディズニーの100周年ミュージカルアニメ映画の吹き替え声優に選ばれた事で見直した。
これを見てから2年弱経過して、やっと理解できた。
ディズニーの100周年ミュージカルアニメ映画の吹き替え声優に選ばれた事をきっかけでこのMVを見直してみようと思いました。
最後のソロ曲は、生田絵梨花の集大成としてその思いの全てをつぎ込んだ様です。
楽曲も生田の乃木坂時代を現わす名曲ですが、それをどう表現するか?に彼女がどう捉え、どうそれを表現したのか?
書いてみたい。
■乃木坂46『歳月の轍』
生ちゃんの乃木坂46・アイドル時代の代表曲だと思っています。
自分でピアノ伴奏しているのが、ある意味覚悟なのかなと思っています。
実は、ソロ曲4曲ありますが、MVは2曲しかありません。
もう1曲MVを作ってもらったのは、命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」2016/7/27 ミュージカル「ロミオとジュリエット」に出演が決まったお祝いでした。
今回は、卒業記念ですが、今後にも十分歌い繋いで行ける名曲だと思います。
しかし、乃木坂46の運営は卒業生に楽曲の使用を許諾しません。
じゃあ、何のための卒業記念ソロ曲なのか?
「ベストアルバム」「Time flies」を売る為の楽曲だったのか?
■このMVは、何度見て聞いても発見がある。
生田絵梨花の『仕事に対する覚悟』が垣間見れるMVであった。
今生田絵梨花はTVドラマに出ていて、「何気ない日常を表情にのせて表現するのが上手い」と評価されている。
それでも、自分の乃木坂の10年間をこんなにもドラマチックに歌・表情・ダンス・ピアノ・そうして佇まいにそれを表現できるのは凄い。
【MV撮影の場所】
お台場にある大型客船の埠頭『東京国際クルーズターミナル』が撮影の場所です。2020年9月10日に開業し、世界最大のクルーズ客船に対応しています。
開業直後には、コロナ禍で客船の予定もなかったので、最上階の広間を利用しました。
この以前の「晴海客船ターミナル」(中央区)は、レインボーブリッジの内側にあるため、大型客船が橋の下を通過できなかった。
都の担当者は「東京の新たな海の玄関口として、また臨海副都心の新たなランドマークとして、多くの方々に親しみを持っていただければ」と話している。
撮影開始時には雨が上がった。さすが持っている。
生田絵梨花と言えばピアノで弾き語り。
乃木坂時代を紫のカーペットで表して歩いて行くという演出。(監督は、東市篤憲です)。
振り返れば・・・この切なそうな表情の中につらかっただけでなく喜びが隠れている仕草、表情。
上手いな。
何度もグループ脱退しようとしたけれど、いろいろな人との関係があって今ここにいる。それを思い返している処。上向くのかな。
外に出ていて、10月なんで雪は降っていないが、雪は生田絵梨花にとっての逆風や困難を現わすワードであり、しかもそれが苦しくはなかった。
彼女が焦っていたのは、ミュージカル舞台女優に成れるかどうかということであり、それ以外の乃木坂46のメンバーとしての葛藤は何という事は無かったと思う。
彼女には他のメンバーが持ち合わせていない、「メタ認知能力※」があったので、一般視聴者視点、乃木オタ視点、スタッフ視点、メディアの製作スタッフ視点の研究に余念がなかった。
表に見せている姿は、「変人生ちゃん」だけれど、常に自分と乃木坂をメタ視線でチェックしていた。
※「自分が認知していることを客観的に把握して、制御をすること」
生まれ変わる寸前を表現しているのでしょうか。
2017年に東宝ミュージカルのオーデションに受かって、次のステップに力強く進みだす様を表現している。希望を見据えた目。真っすぐ恐れず進む静かな強さ。
この曲は、Bメロ①も②も乃木坂時代の生田の意志の強さやぶれない目標やそれに向かっての努力が詰め込まれている。
Bメロ?と言う処が普通じゃない。
このサビが、ドラマチック且つMV表現も大きく見えていて、普通の人はここに引き付けられるのでしょう。
しかし、生田絵梨花のファンは、Bメロこそ生田絵梨花の心情だと思う。
この後に、生田絵梨花を尊敬する人達が大型画面で別れの言葉を発していますが、「私なんかにありがとう」とそれを感謝の表情で受け止めています。自身は彼女らに何かしてあげたとは思っていないから。
監督は、ここで感激の涙が欲しかったのだろうが、打ち合わせにないシーンなのでそうはいかない。
生ちゃん自身のピアノ、間奏部分で後輩のコメントが流れる。
落ちサビ部分でこの映像使うのはずるい。
監督の東市篤憲氏がインタビューで、この場面でこの表情が欲しかったが、それを一発撮りでできた事で、MV監督として何も言う事は無い。生田さんさん凄いと言っています。
制作者が欲しい処で欲しい表情できちゃうのは、本当に凄い才能。
この才能が、映像系ドラマや映画でこれからも活躍できる武器の一つです。
乃木坂時代あまり見せなかったクラシックバレーも踊れちゃう。
フジTVドラマ「イチケイのカラス」#5「初恋のバレリーナが容疑者…」(2021年5月3日に放送)に出演しましたが、国際的バレリーナの役で、そこにもつながっています。
ここに使ったのが、生田絵梨花のセンター曲、ソロ曲、ユニット曲の譜面だそうです。のちにリリースされる【29th Single「Actually...」2022.3.23 RELEASE!!】の中の1曲『価値あるもの』2001年生まれのメンバーのユニット曲ですが、MVの中で久保史緒里が譜面を披露シーンに繋がっています。
ここで蒔いた譜面を拾っていると言う設定です。
『価値あるもの』 MV監督は、「歳月の轍」の東市篤憲さん。
それ以外に、「ごめんねFingers crossed」「君に贈る花がない」「Wilderness world」を手掛た監督です。
東市篤憲監督、楽曲の最後の歌詞
「轍に今 呟く ありがとうと…」
でこの場面使った。
同じ涙でも、いろんな複雑な感情を表現出来て、しかもここで使いたいと思わせるこの表情を提供できる生田絵梨花の演技力が凄いと言う事です。
映像系だけの女優さんは、佇まいが乏しい人が多い。
それに比べて、生田絵梨花はミュージカル舞台を沢山こなしてきているからこそ、セリフや歌声だけではなく、舞台上の姿かたち=佇まいに気を使って来たからだと改めて思う。
このMVにそれが出ている。乃木坂の集大成。
だから、歌唱無しのシーンでも歩く姿や遠景で歩く姿やピアノ伴奏の姿など、引き込まれてしまい、今回書いたような冷静な分析をさせない凄さgあります。
監督を満足させる表現をする女優、生田絵梨花。
「青春を(乃木坂46に)置いてきた」と内村光良さんのバラエティーで言っていましたが、それがここに詰め込んだものでしょう。
だから、ディズニーの100周年ミュージカルアニメ映画の吹き替え声優に選ばれたのも、その『仕事に対する覚悟』がもたらす表現力が認められたのだと思う。
こういう形で、プロに認められていくのは、生田絵梨花の希望通りで、誠に嬉しい限り。
終わり
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