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【乃木坂46】は変化する必要があるのか? 神宮の460発の花火も無くなるのかな?(※この記事は、2022年3月8日に書いた記事に追記しました)

1.【筆者のコメント】

この記事のテーマは、
乃木坂46の売り上げが下がり、運営も元に戻らないと思っていて
「メンバーを素人から育成するのは時間(=コスト)が掛かるので5期生を思いっきりプロ仕様を採用した事が今後衰退を招くのではないか?」
です。

握手会が復活しても元に戻らないと運営が思っているでしょう。
コスト考えると「ミーグリ中心」にしていくだろう。
更に、主たる収入であるライブもコストダウンするとわざわざトップの今野義雄氏がインタビュー記事にしていた。舞台装置が簡素化されるのでしょうが、神宮の460発の花火も無くなるのかな?

2022年3月に、焦ってアルノさんセンターにして欅坂的な試行をしてしまった。それがきっかけで古参のファンが関心を無くし離れてしまった。そもそも焦らなくても乃木坂46の人気は維持できたのだろうか?


2.1期生乃木坂46は、アニメの主役だった。

乃木坂46は、アニメを見ている様なコンテンツであって、その企画・構成・脚本を書いているのは「メンバー本人達」であった。

1期生は世代的に全員が「ゆとり世代」に入っている。
その中でも陰キャが多く、陰キャが好むアニメが多数となってしまう。

しかし、中には圧倒的な「成功者物語」もある。
その幅の広さこそが、『週刊漫画誌乃木坂46』が好まれている所以であり、漫画誌なのに、キャラクターが動いているという頭の中の混乱が誘因動機、来週が気になってしょうがない。



3.変化しなければならない理由は何か?

実は、誰も正確な答えを持っていない。

そもそも明治維新以降の日本では、『変化しなければならない』『欧米に追い付かなければいけない』という思い込みが独り歩きしているが、2022年現在に変化して幸せになれると誰か保証してくれるのか?


■日本が得意な3大産業の空洞化が最大の原因。

2000年以降「グルーバル化に乗り遅れるな!」と言われて工場を海外に移転したお陰で、日本のお家芸であった家電はほぼ国内需要しか残っていない。
国内の家電や自動車各社の工場を閉鎖して部品会社に至るまで海外生産に追い込まれた。
いわんや半導体産業においては撤退もしくは事業売却に陥ってしまった。

グローバル化は日本の産業競争力を失わせた

「グローバル化を持て囃した奴、責任を取れ」と言いたい。

それが主要因で、正規雇用者が減少した。
中高年は度重なるリストラに追い込まれ、若年層は臨時雇用者しか仕事が無い。
これが時代に合わせて変化した結果で、日本は成長が止まり所得格差が広がり貧しくなった。


次世代産業と言われたネット産業はジャンルごとに世界で1社しか存在しない事になった。

米Amazonが2月3日(現地時間)に発表した2021年度(2021年1-12月)決算によると、売上高は前期比21.7%増の4698億2200万ドル(61兆円)だった。※楽天売上1.6兆円。
純利益は同56.4増の333億6400万ドル。


何が変化したら幸せになれるのか?

世界では、産業革命がその技術革新とそれが生み出す豊かな生活と言う文明を信奉して来たわけです。

つまり、経済成長こそが幸福の指針であった。


日本国が、新自由主義と言うまやかしに屈して、日本式経営を放棄させられた事が今の日本の苦境の根源。

新しい事やれやれと言って推進した、小泉純一郎首相や竹中平蔵は今の日本国の苦境をどう思っているのか?


竹中平蔵教授の「反日」経済学(電子書籍)   
三橋貴明  出版社:経営科学出版

これをお読みになるとよくわかります。



4.「アイドル乃木坂46」の需要は無くなるのか?

1).女性多人数アイドルグループ市場は飽和しているか?

■ アイドルオタクの市場試算

<試算>
男のオタク(女性アイドル)市場を試算する。
男女比=男性34:女性は66 として単純に男性34%試算してみる。
952,000人  98,572,963,000円

アイドルのオタク人数と市場規模(表5)

女性アイドルのオタク人数と市場規模(表6)


■ ロリオタだけに頼って乃木坂46は維持できるのか?

★ 上手に継承できないのは、言語化していないからであり、それを構造化出来ない
マス化して顧客数が増えた時点で本来ならその客層の分析がされなければならなかった。その顧客の種類ごとに乃木坂の何を支持しているか?

フラッグシップ白石麻衣が卒業して、「残りメンバーは普通のアイドルじゃん?」と気づかれてしまったら、引き潮状態になるだろう。
フラッグシップ化した実績を言語化して出来ていないので、複製すらできないだろう。実際2022年3月現在では、それに近い状況に陥っている様だ。

「ロリオタだけに頼って乃木坂46は維持できるのか?」という事を実証してもらおうと思っていた処、今回それどころか乃木坂オタクを追い出して元欅坂オタクを取り込もうという事を仕掛けた事になる。
大学で教わるマーケティングの教科書にも書いてある原則すら無視して?


エンターテイメント産業自体、他産業に比べて極小さい規模なので、小さい産業はマスマーケティングにはなじまない。
AKB48以降国民全員が盛り上がる様な事は今後発生していない。


5.乃木坂46の強み

① 1期レジェンドメンバー

★ 卒業した乃木坂46創業メンバーは、コンピテンシーが高く、その上ビジュアルも良く、そのメンバー同士の仲が良かった事が一番の強みだった。

乃木坂メンバーの良さは、今までは、裏表の少ない「素のコンピテンシー」が良い娘がメンバーの殆どだったからね。それが多幸感を醸し出して、それが乃木坂に引き付けられる要素だった。
低成長時代に「癒し」「サンクチュアリ」としてのポジションがファンの希望でもあった。

そんな150億円売り上げのスパーアイドルの何を変える必然性が有るのですかね?
その創業メンバーの最後のメンバー生田絵梨花が卒業し、新規顧客が増えるより古参がいなくなる方が多いから、運営は焦っている。


② 乃木オタは楽曲にもパフォーマンスにも大して関心はありません。

★ 運営も楽曲やパフォーマンスが金にならないと思っている。

それは運営がそれを磨いてこなかった事で証明されています。
10年経過してあのレベルで良しとしてきた。
アイドル界がK-POPに流れているからって、それを追いかけても意味が無い事を、ハロプロや今回のAKBが証明してしまった。

★ 乃木オタは曲自体に関心は薄い

一部のオタクには届いていないかもしれないので解説します。
基本的に乃木オタには、歌が上手いとか、声が良いとか響かないから、メンバーの人気とは連動しない。歌が上手い久保より歌が苦手な山下美月の方が人気が高い。
今回の「NHK乃木坂三昧」のお二人(杉山勝彦・Akira Sunset)のコメントにも反応が薄いのは、乃木オタは歌に関心が無いからスルーしている。
4期生のスター誕生も、歌唱力とか声とか歌の表現とかには関心が薄く、TVに出れている事を喜んでいるのが主流。
ロリオタには、歌が心に響かない人が多いらしい。

だから運営は、歌に力を入れていない。
SME的に、K-POPは『NIziu』が有り、乃木坂にそれを期待していない?


③ 乃木オタは、「温かさ」や「幸福感」や「笑顔」を求めていて、それに大金をはたいている。

■ 「清楚だけではいずれ実態がばれれば衰退する」と言う意見がある。

★「思春期を迎えたら女性も基本はエロいし男が好きなもの。
芸能界に来る一番の動機はモテたいからなのでは?」と言う意見もあります。
だから、「中西アルノや岡本姫奈が普通であって、清楚な女子は現実的ではないし、むしろエンタメのパフォーマンス的には多少下衆い方が大衆に受ける」という意見もあります。

更に、パンツ売ったりパパ活したりするJKが増えていると言われています。挙句の果てにAV出演が手っ取り早く金を稼げるという意識もあるらしい。

★ そういう情報は溢れていて、その事を乃木オタが知らない訳ではない。

乃木オタは、それを承知で、現実社会が下衆くなればなる程乃木坂46の妄想イメージ商品を購入するのであって、騙されているつもりはない。

生まれた時からTVの裏の虚構を本能レベルで知っている世代だから、ネットにある有象無象の情報を浴び続けているから、現実のむなしさをせめて一時的に回避したいのです。
乃木坂にアーティスト性を求めているのでは無く、多幸感や癒しを求めている人が大多数。
妄想に金使っている自分を認識しているから、クレームになっていない。


■ 極論を言うと、アイドルはイメージ商品です。

★ 「誰でもやっているんだから許してやれよ」と言う論調が有りますが、間違いです。
「アルノなんか大したことしていない」、
「近頃のJKはそういう奴ばかりだからしょうがない」「乃木オタは心が狭い」「乃木オタは清楚なんて信じているの?」という意見には同調できません。

★乃木坂の商品価値は、『上品・清楚・ビジュアル高い・コンピテンシーが高い・メンバー同士の仲が良い』です。
事実かどうかではありません、そういう商品イメージを10年かけて作られてきた。

世間のJKが『下品・色狂い・ブスが多く・争いやいじめばかり・金に汚い』であればあるほど乃木坂が希少価値で高く売れる。

★人道の問題ではなく、消費者と商品提供者の問題だ。

「アルノ事件」の問題の本質は、乃木坂46のイメージ=商品価値を棄損した事により、それと一緒だと思われてタレント価値が減価する(メンバー+卒業生=88人)と、そのメンバーに大金使って応援して来た30万人の乃木オタが犠牲者になってしまったという事です。犠牲者が商品の質の劣化に文句言って何が悪い。

乃木坂46は清楚なアイドルと言うイメージ商品を売っています。
そのイメージを壊す様な商品の部品(中西アルノ)における品質悪化は、購入者からクレームを言われる事が当然です。提供者(運営)が「返品交換して欲しい」という購入者の主張に応えるかどうかという事です。

だからアルノは乃木坂の根幹にかかわる部分で拒否されたのだよ。それを予測できない運営の責任です。


★今までそういうイメージで売っている運営が、何をトチ狂ったのか、商品イメージをガラッと変えてきたら、今まで大金使ってそのありもしない商品を承知して購入して来たファンを怒らせた。

現実に居ないかもしれないが、せめて乃木坂メンバーに求めるモノを最初から最後まで演じ切って欲しいと思っている。


しょせん芸能界は虚構商品を売っている事くらいファンは理解していて、だから本当に清楚なレア商品(橋本、白石、高山、桜井、生駒、生田がそれを貫いた)に価値を見出している。

そこが解っていない運営だからより怒っている。もしくは、それを諦めたかもしれない運営に怒っている。
ファンタジーでもいいんだよ。


■マンネリは長い期間儲かる

★ サザンもユーミンも中島みゆきも基本部分は何も変わっておらず、50年間第一線で活躍しています。マンネリを愛するファンが多いので、未だに数十万人のライブ動員力があるのでしょう。


■ 夏祭りが盛り上がる

「真夏の全国ツアー」は「オタクの夏まつり」であり、推しメンとと一緒に仮想祭りを楽しむのであって、歌やパフォーマンスに酔いしれに行くわけでは無い。そこが陶酔系バンドとの違いでバカにされるところでもあります。
だから、『ダンケシェーン』であり『ロマンティックいか焼き』であり『ハウス』であり表題曲ではないし、2018年神宮ラストに日村さんが出演して「インフルエンサー」をパフオーマンスした時史上最高の盛り上がりになった。しかも最後に花火で盛り上がりたい。その流れの多幸感が半端ない。

「乃木坂三昧」で杉山勝彦さんが「秋元康さんの話」として言っていた様に、「戦わないアイドル乃木坂」を乃木オタが支持したのです。
乃木坂が、三浦大知やハロプロを追いかけても、K-POPを追いかけて変化して行っても、売れ続ける保証はありません。提供側の自己満足でしかないと思います。レッドオーシャンでの戦いは乃木坂らしくない。


■生田が支持されていたのはポンコツ部分

乃木坂46の過去を含めたメンバーの中で芸能人としての総合スキルを一番持っている生田絵梨花が、ファンに一番支持されていたのは、実はポンコツな部分や変人部分でした。高いレベルのピアノ弾き語りや音楽性より、白石麻衣とのいちゃいちゃだったり、秋元真夏との遠慮のないやり取りだったりの方を好んでいた。


■ 5期生でも生ちゃんの穴が埋まらない

5期生でビジュアルだけはご三家に匹敵する逸材が数名加入した。
しかし、5期生でも生ちゃんの穴が埋まらない。
それで、余計焦ってアルノに賭けた。

だから、5期生にプロを採用しても人気は上がらない。

生ちゃんの様に、音楽界からの高い評価を受けるだけの音楽性や、松尾スズキさんから評価されるだけの「コメディー女優」としての才能とか・・ミュージカル界だけでない業界からの評価を受けられる逸材はなかなか見つからない。
更に、世界の反田恭平(ショパンコンクール2位)が音楽性も含め生ちゃんの推しだって言っている!。
白石麻衣が言った「生田絵梨花に嫉妬するのは時間の無駄」を思い出す。


■ 戦わないアイドル

乃木坂の一番の差別化は、『戦わないアイドル』だから得られる「温かさ」や「幸福感」や「笑顔」に癒され、それに金を払っているのです。
筆者はそれを『サンクチュアリ』として多数書いています。
その中で、「個人が努力したい」と思う事は凄く支持されます。その努力の方向がタレントパワーとして力になるかは関係なく支持します。
高山が小説を書いたり、中田花奈が麻雀プロになったり、れなちがラジオスターに成ったりする土台は、そういう『大勢が戦う土俵に居ない乃木坂メンバー』が乃木オタに好まれるからです。
国民的ヒット作が出ない事もなんとなく理解していて、でも一般には届かない乃木坂らしい楽曲に反応するのでしょう。
「視聴回数が○○より少ない」と煽りがありますが、スルーされているので、スレッドのタイトルになりにくい。そんな事で戦う意味を見出さない。
自分の好きな楽曲を見て聞いているだけ。それを共有する仲間がいれば尚よい。
極端な新規性や変化を好まない。

ある日突然運営から「戦うアイドル」の様なものを突き付けられて、「それじゃないんだよな」と反応したのが、今回のアルノ騒動。


運営目線で見て、女性アイドル市場は飽和しており、その一番である乃木坂46は寡占状態なので、その状態の時に極端な変化は必ず失敗します。

極端な新規性や変化を試なら、別なパッケージ製品を新発売するしかないでしょう。


終わり


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