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♯1 紅白歌合戦 果たして顧客の若返りという狙いは達成したのか?

年末年始は暇だったので、紅白歌合戦についてコメントしてみましょう。

紅白歌合戦だけの話ではなく、消費者側の時代の変化が根底にある。「嗜好の分散化」「大衆から個衆へ」「10人10色、1人10色」。全国民が好きという番組はもうあり得ない。



1.第73回NHK紅白歌合戦:第2部視聴率35.3% 歴代ワーストの2021年上回る

MANTANWEB   2023年01月02日

 2022年12月31日に放送された「第73回NHK紅白歌合戦」の平均視聴率(世帯)が1部(午後7時20分から)31.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ・以下同)、2部(午後9時から)35.3%だったことが1月2日、分かった。2部の35.3%は、2部制になった1989年以降、歴代ワーストの数字となった2021年の34.3%を上回った。

2021年  1部 34.3%
      2部    31.5%

2022年  1部 31.2%  ↓
      2部    35.3%  ↑

基本的には下落傾向は止まらないが、2部の視聴率が2021年より上がったのは何故?についてこれから書いていきます。

答えを先に書くと、若者取り込みは成功しているとはいえず、『全世代の中で一番音楽を愛しているニューミュージック層』が2部の視聴率をあげたのでしょう。ユーミンもサザンも未だにライブに数10万人動員出来る理由を音楽界は無視している。


2.番組概要

★放送時間
2022年12月31日  午後7時20分~11時45分
前半 午後7時20分~午後8時55分
後半 午後9時00分~午後11時45分

★会場 NHKホール
昨年の第72回は、東京国際フォーラム・ホールA
今年はNHKホールで有観客開催
NHKホールでの有観客開催は、2019年の第70回以来
開演 午後6時50分
終演 午後11時45分

★司会進行
司会 大泉 洋
司会 橋本 環奈
司会 櫻井 翔
司会 桑子 真帆アナウンサー

第73回NHK紅白歌合戦|タイムテーブル


ここから第二部



3.2部出演は年齢的に上を狙った?

■音楽的に高次元な次世代のアーティスト

第2部
【白】King Gnu(2)
【白】Official髭男dism(3)
【白】藤井風(2)

■50代60代のニューミュージック世代のアーティスト
【特別企画】

第1部
【特別企画】THE LAST ROCKSTARS
第2部
【特別企画】松任谷由実 with 荒井由実
【特別企画】安全地帯
【特別企画】桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎

■女性ファンが多い女性アーティスト

第1部
【紅】緑黄色社会(初) 
【紅】milet(3)
【紅】Aimer(初)
第2部
【紅】milet×Aimer×幾田りら×Vaundy
【紅】あいみょん(4)


<若いファンが好む ダンス系は1部出演中心>

■K-POP風味

第1部
【白】SixTONES(3)
【紅】LE SSERAFIM(初)
【白】JO1(初)
【紅】NiziU(3)
【白】BE:FIRST(初)
【白】Snow Man(2)
【紅】IVE(初)
第2部
【紅】TWICE(4)

■ジャニーズ

第1部
【白】SixTONES(3)
【白】なにわ男子(初)
【白】Snow Man(2)
第2部
【白】King&Prince(5)

ジャニーズの中でも40代ファン
【白】関ジャニ∞(11)
【白】KinKi Kids(2)

■ボカロ系・新感覚系

第2部
【紅】ウタ(初)
【白】Vaundy(初)



4.ご参考

■『第73回紅白歌合戦』から見えた“新時代” ダンスとアニソン、存在感を強めた2つのキーワード

1/1(日)

2022年12月31日、大みそか恒例となる『第73回NHK紅白歌合戦』(以下、『紅白』と表記)が放送された。今回はNHKホールに会場が戻り、しかも同会場での有観客は3年ぶりということで、本来の形式に戻って仕切り直しの年だった。

そのことを強調してか、ゆずと関ジャニ∞のコラボステージのように、観客が参加する演出も目立っていたように思う。
トップバッターのSixTONESから始まった冒頭の流れなど、会場全体を巻き込んでのお祭り的一体感が強調されていた。
初とは思えない堂々とした司会ぶりとともに、歌って踊れる強みを生かした橋本環奈のその面での貢献も大きかった。

今回の『紅白』については、昨年11月に出場歌手が発表された当初、顔ぶれを見て「若者寄りではないか」といった不満の声も聞かれた。
ただその後、追加で加山雄三、松任谷由実 with 荒井由実、安全地帯、桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎らの出場が発表された。
実際、これらの世代を超えて知られる歌手、アーティストは後半に集中して登場し、昔ながらの「紅白らしさ」を醸し出すのに一役買っていた。  

ただ、その裏で『紅白』は新たな時代に確実に向かっている。
記憶に残るステージを展開した初出場・Vaundyのような新しい才能が登場したこともむろんそうだが、より大きな全体の傾向として変化を感じた部分もあった。  
ひとつは、ダンスの比重がますます高くなってきていることである。出場歌手を見ても、King & PrinceやBE:FIRST、さらにLE SSERAFIM、IVE、TWICE、NiziU、JO1といったK-POPおよびそれに関連の深いグループなどダンスパフォーマンスを特徴とするアーティストが数多かったことで、「踊る紅白」という感は強かった。
さらに恒例となりつつある「ディズニースペシャルメドレー」内においても、今回はスペシャルナビゲーター・櫻井翔のほかIVE、Snow Man、BE:FIRST、日向坂46らがミッキーマウスらキャラクターとともにSNSを中心に人気となったキッズダンスプログラム「ジャンボリミッキー!」のダンスを披露したことも象徴的である。  
また、ある意味それ以上に「踊る紅白」という印象を深くしたのが、SEKAI NO OWARIである。今回披露した「Habit」はMVでメンバー本人たちが踊り、その振付がTikTokで大きくバズったことがヒットの要因になった。『紅白』でも他の出場歌手と一緒に踊る姿には、かなりのインパクトがあった。

そうしたミュージシャンによるダンスパフォーマンスは、今回の出場者では藤井風などにもかねてから見られるところだが、この「Habit」が日本レコード大賞まで受賞したことで、その傾向はよりはっきりしたものになったように思える。

もうひとつ気づいたのは、アニソンの存在感である。これまでにもその傾向はあったが、今回はより高まった印象がある。『鬼滅の刃 遊郭編』のオープニングテーマであるAimerの「残響散歌」、『SPY×FAMILY』第1クールエンディング主題歌である星野源の「喜劇」といった新しい曲だけでなく、関ジャニ∞の「T.W.L」(『クレヨンしんちゃん』)、篠原涼子の「恋しさとせつなさと心強さと」(『ストリートファイターII MOVIE』)もあった。またSnow Manが歌った「ブラザービート」もアニメ『おそ松さん』の実写版映画の主題歌ということで、広い意味でここに入れてもいいかもしれない。


続く

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