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レッズ少し隠れた名選手たち15「トゥット」

数々の名選手達によりクラブの歴史が作られてきた。
ここでは、実力も実績もあるけど、歴代ベストイレブンにはなかなか名前が出てこない。そんな選手達を勝手に独断と偏見で紹介していきたい。


第15回はトゥット選手

トゥット(リボニール・ルッシェル)
1978年7月2日
ブラジル出身
FW
2001〜2002
公式戦64試合28得点
背番号 11
前所属 FC東京
移籍先 清水

俺たちを踊らせてくれた新生レッズのエース

2001年。J1に一年で復帰を果たしたレッズは、若き司令塔小野伸二、日本人エースの永井雄一郎、2年目の鈴木啓太(後半戦から活躍)ルーキー田中達也…補強した井原正巳、9番福田正博らベテランはもちろん必要な存在だったが、間違いなく若い力が力をつけ、J1復帰を機にタイトルを狙える「新しいレッズ」を作ろうとしていた。
そこで助っ人エースとして補強したのが、前年FC東京で17点を決めベストイレブンにも選ばれたトゥットだった。

抜群のスピード、当たり負けしないフィジカル、強烈なシュート。ヘディングが強いタイプではなかったが、エースストライカーとして充分な能力を有していた。

2001年FC東京から加入。当時22歳だった。
1stステージ開幕から連続でスタメン出場、3試合目福岡戦で初ゴール。12試合で7ゴールと期待通りの活躍を見せる。
2ndステージは怪我で出遅れるが、その後は変わらずにレギュラーを努める。しかし、チームは大きな変化があった。小野伸二の退団、そしてエメルソンの加入である。
他にも、小さな怪我が多く、田中達也のスーパーサブ起用などもあり、トゥットの立場は絶対的な存在ではなくなってしまった。結局2ndステージは1ゴールのみに終わった。
ただ、年間通して欠場した6試合は全て負けていることから、勝つために必要な戦力であったことは分かる。

2002年。1stステージ。前年の後半から状況は変わらず、試合には出るもののフルタイムは少なくなったが、エメルソンの出場停止時は、しっかりと自分の役割を果たした。しかし前半戦は3得点に終わる。
2ndステージは怪我で約1ヶ月離脱などがあったものの、6ゴールをマーク。ステージではチーム内1位になった。
またナビスコカップでは5ゴール。チームの決勝進出に大きく貢献した。

その年のオフ、移籍リストに載り清水に移籍。
エメルソン、永井、田中達也、そして新加入の山瀬、エジムンドらの攻撃陣を踏まえ構想外になっていた。

清水、大宮、その後一度帰国するも数年後に湘南と、日本のクラブに数チーム在籍。2桁ゴールこそなかったが、コンスタントに活躍した。
2010年引退。



忘れられないゴールがある。目に焼き付いたゴールがある。
2001年、おそらくヴェルディ戦。
小野伸二からの浮き球のスルーパスに飛び出したトゥットは、ワンバウンドしたボールの落ち際をシュート。
強烈なドライブがかかったボールは、綺麗な軌道でネットに吸い込まれた。他にも覚えてるゴールは数多いが、小野伸二のアシスト、トゥットのゴールという意味でも忘れられない。そんなゴールだった。

当時子供だったこともあり、とにかくトゥットが好きだった。成績だけを見ると、加入当初の大活躍と、小野伸二移籍後の成績低下。もしかしたら伸二の移籍はチームだけでなく(チームとしては代わりにエメが来た)、トゥットにとってにとっても大きな影響があったのかもしれない。

退団後からレッズのタイトル獲得が続いたこともあり、歴史に残るエースには一歩及ばなかったかもしれない。
それでも彼を思い出すと、心が躍ってしまうのだ。

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