阿武町の4630万円誤振込事故から得られる教訓

結論

書類の名前は担当者が誰であっても分かる名前を付ける

事故の詳細

一番詳しく書いてあったテレ朝のニュース記事なくなってたので、こちらを参照。大分割愛されてしまってますが…。

山口・阿武町の担当者は、4月1日に住民の口座情報などをフロッピーディスクに入れて銀行に渡して振り込みを行った。
通常はフロッピーディスクを渡すだけで入金されるが、今回は本来銀行に提出する必要のない“振込依頼書”を提出。

http://jcc.jp/news/18472348/

ポイントは、フロッピーディスクだけ出せば振込ができるというローカルルールであったことと、フロッピーのデータを作成するときに役場内の事務手続きで必要な書類として「振込依頼書」という紙のデータが自動でできること。この紙は銀行に送る必要がないとのこと。さらに、その後の銀行の動きを見る限り、この振込依頼書は銀行も受け取ると処理をしてしまうような正規の書類であったこと。だと思われます。

このあたりの「本来不要な振込依頼書」というのはNHKの記事の中でも記載されているので、正しそうです。また、情報源が微妙なので示しませんが、この振込依頼書には町長の印鑑が押してあったという情報もあるようですが、真偽は不明です。ここでは町長印があったこととしましょう。銀行が受け取って振込を実行してしまったことからも印鑑がちゃんとあったと考えるのが妥当でしょう。

一般的に原因として挙げられているもの

  • 新人であったこと

  • フロッピーディスクという見慣れないものを使っていたこと

  • チェック体制がずさんであったこと

一般的には上記のようなことが原因であろうという感じで言われていますが、この視点で考えても得られる教訓というのは少ないので、ここまで得られた情報を元に自分が新人で同じ業務を遂行するという視点で考えてみます。

新人職員の業務をトレースしてみる

463世帯に10万円振り込むためには、データを作成してフロッピーディスクに入れるという作業を行う。

その過程で、「振込依頼書」という紙が自動的に出力されたため、通常の捺印の手続きで町長の印鑑をもらう。

4/1にフロッピーディスクは銀行の指示のとおりに送付する。

4/6捺印された「振込依頼書」が戻ってきたので、銀行に提出する。(※ここが誤りのポイント

原因に関する考察

得られる情報が少ない中での行動のトレースなので、間違いがある可能性はありますが、この流れで考えた場合一般的に挙げられている原因でいう、「チェック体制がずさんであった」という指摘は個人的にはどんなチェックしても無理だろうという感想になります。

新人職員の方は業務を行う中で、フロッピーディスクにデータを作成したら「振込依頼書」という銀行に送る書類が出力されたので、フロッピーだけでなく、この紙も送る必要があると誤認しても当然だと思われます。

慣れないフロッピーディスクというメディアであったことや、新人が対応したからというのは確かにその側面はありますが、慣れてなくても新人であっても間違いが発生しにくい仕組みを構築することが、今回の事故から得られる教訓じゃないかと考えます。

一番のポイント

既に結論で記載していますが、フロッピーディスクのデータを作成するときに一緒に作成される「振込依頼書」という提出する必要のない書類が銀行に提出すると振り込まれてしまう本物であったことが最大の不幸だと思います。

この書類の名前が例えば「振込依頼書(役場控え)」という名称であれば、これは銀行に出さなくても良いと、業務に慣れてない人でも気づくことができますし、万が一銀行に提出されたとしても、銀行側が振込を実行することはないでしょう。

まとめ

「書類の名前なんてなんでも良いでしょ。伝われば。」と僕も考えがちですが、時間の経過や担当者の変化に耐えるという視点で考えると、書類の名前一つが業務過誤を防止する可能性があるのだというのを教えてくれる事故だったと思います。

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