【ミルグラム考察】ハルカには何の障害があるのかを具体的に考えてみた

はじめに

 ハルカには、何らかの生きにくい理由、つまり障害がありそうに見えます。
 エスの曲『アンダーカバー』でも、17歳の現在らしい光景で、つみき、クレヨン、バウムテスト(?)が映されており、ハルカに障害がありそうなことが示唆されています。

エス『アンダーカバー』MVより

 ハルカに障害があるとしたら、それは一体なんなんだろう……?
 ということで、ハルカには具体的に何の障害があるのかについて、これから考えていきたいと思います。
 これを書いてる人は障害や医学に詳しくないため、間違っている部分もあると思います。
 そのため、このページの内容は決して鵜呑みにせずに、「知らずに適当言ってるな……?」くらいの軽い気持ちでお読みいただければと思います。
 気になることなどがありましたら、ご自身でも調べてみていただけると嬉しいです。

ハルカの障害として考えられるもの

 まず、ハルカの障害は生まれた時からあったものだと思われます。
 ハルカはボイスドラマで、「僕だけ生まれた時から何もできなくて、周りと同じことができなくて」と発言しているからです。
 第一審の曲『弱肉共食』では、「スタート位置が違うまま始まった」と、障害がある状態で人生が始まったかのような表現をしていることも、生まれた時から障害があったと思う理由として挙げられます。

 また、ハルカの障害は比較的軽めであるとも思われます。
 ハルカは尋問で、子供の頃は「お母さんも優しかった」と言っています。
 つまり、ハルカは、はじめは諦められてはいなかったけれども、成長するうちに他の人との差異(障害)が無視できなくなっていき、ハルカの母親(の期待値と忍耐?)に限界が来て、ハルカは母親に諦められた、と捉えることもできるかなと思います。
 それに、ハルカには、支援級や特別支援学校に通っていたという要素までは今のところ出てきていません。
 そのようなところに最初から在籍していた場合は、先生が優しくしてくれそうな気がしますし、ハルカの周りも別に皆と一緒なことができるというわけではありません。「自分だけできない」「ひとりぼっち」ということが強烈なコンプレックスになるとは考えづらいので、ハルカは入学当初、普通の学級に通っていたのではないかな、と思います。
 そこから、ハルカの障害は、幼少期ではまだ普通の学級でもやっていけた、比較的軽度の障害ではないか、と考えることができるかなと思います(まぁ、本来は支援が必要なほどの障害があるのに親の意向で普通級に通っているという可能性もありますが)。
 それらを踏まえて考えると、ハルカに疑いがある障害は、以下のようなものが挙げられると思います。

・知的障害
・限局性学習障害・学習障害(SLD・LD)
・発達性協調運動症(DCD) 
・注意欠陥多動症(ADHD)
・自閉スペクトラム症(ASD)

 知的障害以外は、発達障害の1つとして数えられる障害になります。
 これらの可能性について、それぞれ検討していきましょう。

⚪︎知的障害

 知的障害は、知的能力・適応能力の発達が他の人に比べて遅く、日常生活に様々な困難を抱えているという障害です。
 具体的には、複雑な内容を理解するのが苦手、コミュニケーションが苦手、お金の管理が苦手、などの困難があります。
 軽度の知的障害の場合、障害だと気づかれにくく、小・中学校でだんだん授業が難しくなるにつれ授業についていけなくなり発覚するケースなどがあります。
 ハルカは、自分で頭があまり良くないと自称していますし、コミュニケーションも得意なようには見えません。
 また、お金に関しては、「すぐ100万円使い切らないといけないならどうする?」という尋問に対し、「わからないのでかんしゅさんがやってください。あげます」と答えています。
 知的障害の特徴に当てはまりそうですので、ハルカは知的障害の可能性があるのではないかな、と思います。

 ただ、知的障害は、知能指数(IQ)を測ったりして判定します。
 知的障害かどうかは実際に測らない限りは何とも言えませんし、測った結果、基準にギリギリ達しなかったという場合は、知的障害ではない(境界知能など)と判断される可能性もあります。
 そのため、ハルカに知的障害がある可能性はかなりあると思いますが、断言はできないかな、と思います。
 また、知的障害は他の障害と併存しやすいため、知的障害であった場合でも、他の障害と併存している可能性も考えられます。

【参考】
知的障害(東京都福祉局)

⚪︎限局性学習障害・学習障害(SLD・LD)

 学習障害は、言葉そのまま、学習に苦手を感じるという障害です。
 読み、書き、計算などが他に比べて極端に苦手だと、学習障害に当てはまることがあります。
 ハルカはどれも苦手そうですので、当てはまりそうです。
 しかし、この学習障害は、一部のことのみが苦手であり、その他にはあまり問題が見られない(=知的障害ではない)時に診断されます。
 ハルカは学習に限らず、様々なことに苦手を感じています。
 そのため、ハルカは学習も苦手ではあるでしょうが、学習障害とは別の障害として診断されるのではないかな、と思います。

【参考】
学習障害(厚生労働省)

⚪︎発達性協調運動症(DCD)

 発達性協調運動症は、ざっくり言うと、異常に不器用、という障害です。
 一般に想像するよりももっと不器用で、縄跳びができない、箸を使えない、上手く字を書けない、靴紐が結べない、何もないところで転ぶ、などが特徴として挙げられます。
 ハルカはこれらの特徴に当てはまっているため、発達性協調運動症である可能性はありそうです。
 ただ、こちらも、知的な遅れが診断に関わってきます。
 知的能力の程度を見て、その知的能力の基準からしても異常に不器用と思われる時は、発達性協調運動症にも該当すると判断される可能性があるようです。
 ハルカは、ミニグラム(※ミルグラムの4コマ漫画)で折り紙を上手く折れていなかったので、知的能力と比較してもさらに不器用だという可能性もあるのでは?と思わないでもないですが、不器用なのは、それらを体験する機会が少なかったからかな、という気もします。
 実際、知的能力相応の不器用さ(?)なのかもしれませんし……ハルカの場合はたくさん練習すればある程度上達しそうにも思います。
 そのため、発達性協調運動症の可能性はあっても、その可能性は低めなんじゃないかな、と思います。

【参考】
発達性協調運動障害(NHKハートネット)

⚪︎注意欠陥多動症(ADHD)

 注意が欠陥して多く動いている症状、という言葉のとおり、この障害の特徴は、落ち着きがないことです。
 ずっとソワソワしたり注意があっちこっちに行く人、みたいな感じをイメージしていただくと近いのかな、と思います。
 計画性がないことや感情のコントロールをすることが難しいという特徴はハルカに当てはまりそうです。
 しかし、この障害は落ち着きがないことが大きな特徴です。
 ハルカはどちらかというと、じっとしていることが得意で、おとなしい(ように見える)子、というイメージだと思います。
 そのため、ハルカは、注意欠陥多動症(ADHD)とは診断されないのではないかな、と思います。

【参考】
注意欠如・多動症(国立精神・神経医療研究センター)

⚪︎自閉スペクトラム症(ASD)

 自閉スペクトラム症は、自閉症、アスペルガー症候群などとも呼ばれる障害です。
 人とのコミュニケーションが苦手で、こだわりが強く、特定の行動を繰り返す傾向にあります。
 ハルカは母親に異常なこだわりを示しており、動物を殺すという特定の行動を繰り返しています。
 また、ハルカの性格や仕草、態度などもこの障害のイメージに近いように思われます。
 そのため、ハルカは、自閉スペクトラム症である可能性もあると思います。

 しかし、ハルカが異常に母親にこだわっているのは、ハルカが母親に愛されなかったからという(普通の人でも持つ)強い理由からだと捉えることもできます。その理由抜きでも、母親に強いこだわりがあったかは微妙です。
 その他に強いこだわりが出ているところや、ルーティンといったものが見受けられない点も気になります。
 また、ハルカの対人スキルが低かったり、話が飛躍したりするのも、引きこもって他人と関わる機会が少なくなったことや、育った環境が悪かったためと考えることもできます。
 なので、自閉スペクトラム症の可能性はあるけれども、断言はできず、他の要因が積み重なって似た状態に見えているだけ、という可能性も捨てきれないのかなと思います。

 なお、この障害がある人には、知的能力が高い人もいれば低い人もいます。
 他の障害と併存しやすい障害のため、ハルカがこの障害だった場合は、他の障害(知的障害など)と併発しているのではないかな、と思います。

【参考】
自閉スペクトラム症(国立精神・神経医療研究センター)

結局、ハルカには何の障害があるのか

 確証はありませんが、個人的には、ハルカにはまず知的障害があるんじゃないかなぁ、と思います。
 小学2、3年生までの漢字しか書けていないところを見ると、障害の重さは中度くらいということになるのでしょうか……?
 ただ、ハルカは現在学校に通っていないと思われるため学習が中断されているでしょうし、親がハルカを途中で諦めたためハルカの障害に対しての支援は十分ではなかっただろうとも思われます。なので、ハルカの能力は、しっかりと支援を受ければもう少し伸びるんじゃないかなぁ、と思います。
 後天的な理由で状態が悪化しているだろうことも考えると、ハルカの本来の障害度合いは、軽度だと診断される、あるいは支援の過程で軽度と診断され直される可能性もあるのではないかなぁ……?とも思います(というか個人的には、ハルカは障害と診断されたとしてもB2(軽度)くらいかなという印象をなんとなく受けます)。

 知的障害に加えて、ハルカには自閉スペクトラム症、もしくはそれに似た印象を与える別の後天的な障害(または症状)が併存している、とも考えられるかなと思います。

 つまりハルカは(実態がどうかはともかくとして)昔で言う「自閉症」みたいなイメージでキャラメイクされてるんじゃないかなぁ……?と個人的に思います。
 専門家じゃないから実際どうなのかは全く分かりませんけれどね……。決して鵜呑みにせず、ご自身でも考えていただけると嬉しいです。

 ところで、障害がある方は、審査が通れば障害年金や障害者手帳を取得することができます。
 ハルカの場合、障害年金は……そもそもまだ20歳になっていないので試せませんが、障害者手帳は取れるんじゃないかなって気がするのですけれども、実際のところ、どうなんでしょうか?
 専門家じゃないから結局は何も分からないのが悔しいですね……。専門家に意見を聞いてみたいところです。

後天的な障害(症状)として考えられること

 また、元からではありませんが、ハルカには後天的な障害(症状)として、以下のことも疑われるのかな、と思います。

・うつ病・気分障害(気分が落ち込む)
・統合失調症(妄想・幻覚)
・愛着障害(幼少期の愛情不足が原因)

 まあ、そもそも、あの環境下で鬱にならない方がすごい、みたいなところはありますからね……。環境1つで人は簡単に変わるんや……。

 統合失調症は、ただ似たような状態に見えるというだけで、ハルカの場合、幻覚の症状は(今のところ)なく、妄想の原因は強い思い込みのように見え、条件がそろえば問題なく回復しそうにも思えます。
 そのため、もし診断名がつく場合は、統合失調症というよりも、まずはその症状と似た別の診断名がつくんじゃないかな、というような気がします。

 愛着障害(反応性アタッチメント障害)については、ハルカの場合は該当しないんじゃないかな……という気がします。
 愛着障害は、5歳以前に発症し、無表情、喜びの感情が乏しい、養育者に対し安心を求めることが少ない、他人と交流しない、などの特徴が見られるそうです。
 ハルカは、12歳のアマネに対して「嫌なことを思い出す」と反応していたことから、ハルカに特に嫌なことがあり始めたのは10歳よりも後の話で、愛着障害の基準となる5歳の頃までは、まだ母親に優しくされていた時期なのではないか、と推測されます。
 それに、ハルカは自分を肯定してくれる人を「お母さん」とみなし、喜びます。養育者(と認識している人)への警戒心や感情の抑制はあまり見られません。
 そのことから、ハルカは(両親からの愛情不足が理由であんな感じになっているとは思いますが)愛着障害とは別の状態なのではないかな、と思います。
 まぁ、でも、今のは医学的な(?)愛着障害の話なので、広義の愛着障害なら別かもしれません。

【参考】
うつ病(厚生労働省)
統合失調症(MSDマニュアル家庭版)
愛着障害とは?医学的な診断名、愛着障害と発達障害との関連について(発達ナビ)

まとめ

 障害の診断は専門家がしなきゃいけない理由がよく分かった。こんなの……責任が持てない……!
 大事なことなので何度も言いますが、これはあくまで素人意見です! 決して鵜呑みにせず、自分でも考えていただけると嬉しいです。
 あと、障害の特徴に当てはまるからと言っても、その人が障害者であるとは限りません。こちらもご承知おきください。

 さて、ミルグラムも残すところあと一審となりましたね。
 ハルカの周りはとても不穏な感じですが、一体どうなってしまうのでしょうか?
 第三審を楽しみに待ちたいなと思います。

※なお、ハルカの基本的な罪については、別のページで考察しています。よろしければこちら↓もどうぞ。

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