見出し画像

2022.6.2 ちょっと思い出しただけ、を観た

こんにちは、二十日です。
結局noteの更新が続かず、何ヶ月か振りに文字を打ち込んでいます。100日続けるチャレンジは夢のまた夢。あと一ヶ月で2022年の上期も終わりますって。早いものですね。いかがお過ごしでしょうか。

前回の投稿内容は映画でした。覚えていますか? その後配信でも何度もいろいろな映画をご紹介してきましたが、やはり今回のnoteも映画についてです。
先日の配信で松居大悟監督の『ちょっと思い出しただけ』についてお話ししました。もう少し詳しく話したいと思って、ただもう一度配信したところで上手く話せる気はしないので、noteの記事にしてみています。

あらすじ

照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。
物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。
愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日・・・
コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。
そんな日々を”ちょっと思い出しただけ”。……
https://choiomo.com

良いなぁと思った映画の構成(ネタバレ含む)

7月26日だけを取り上げて、1年ずつ遡りながらストーリーが進みます。
最初は話が繋がらず、何かあるんだろけど何も分からず、ぼんやりしながらただ映像を眺める時間でした。定期的に場面の切り替わりに出てくる「7/26 X曜日 0:00」の表記が1年ずつ遡っていることに途中で気づく仕掛けになっていて(もちろん曜日がずれていきます)、2021年・2020年のマスク着用の世の中から2019年以前のマスクがない世の中へ遡り…という構成になっています。

とても面白い斬新な構成ですよね……あらすじを見て分かったつもりになっていましたが、それでもなるほどこういうことなのか、と劇場でゾクゾクしました。叙述トリックのように前後半で時系列が逆転している映画は幾つか見たことがありますが、一日を経て24時になった瞬間に前年の0時に飛び、どんな一日だったとしても淡々と時間が過ぎていく様は人生の寂しさや儚さを感じさせる演出でした。

映画の締め方もすっごく綺麗で、クリープハイプの主題歌「ナイトオンザプラネット」が流れるタイミングと映像も最高に良かったです。

ストーリー上の泣いたポイント。以下圧倒的ネタバレの嵐。

ストーリーの大まかな展開は下記です。

後輩の女の子がダンサーとして立派に公演をやりとげ、自分は照明係としてその舞台を支えている現在。
主人公が足の怪我によってダンサーを続けられないと医者から告げられ最も苦しんでいる時期で、恋人とすれ違い価値観の互いに衝突し大喧嘩した日。
ダンサーとして充実した日々を送り、誕生日を恋人に祝ってもらい幸せな時間を過ごしながら、来年プロポーズしようかななどと軽口を言っていた日。
一歩手前の関係から恋人になった日。
ちょっと気まずい第一印象の二人が出会った日。

これ…あの…大喧嘩(多分別れた)の前年に遡って、来年プロポーズしようかなとか軽口でも恋人に直接言っててさ…足の怪我でダンサー生命を失い暗闇の中に沈み込んでしまうことがなければ、二人はきっと今頃幸せな日々を…とか…恋人はその言葉を覚えて期待していただろうしだからこそ翌年に支えていきたいと思ってると言ってたんだろうし…とか考えてしまって…ここでもうダメでした…あぁ…完全ネタバレです…

その後(前年)の同棲前の日々とか、初々しい付き合いたての感じとか、良い感じだけど恋人になってない時のモヤモヤとか、かなり悪い第一印象だったけど出会ったその日にふざけあって仲良くなれたこととか、そういう小さくて幸せな積み重ねが今はもう過去のものになってしまった結末を知りながら遡っていくことがツラくてしんどくて大変泣きました。
帰り道に明るい道を歩きたくないぐらいに、電車に乗るのを躊躇うぐらいに、めちゃめちゃに泣きました。二十日はすーぐ泣くよね、我ながら困りますわよ、控えなさって。

遡っていく構成によって「ちょっと思い出した」状況を観客に体験させることができるのか…と感心してしまいました。すごい映画ですよ。ほんとに。

私はそんな思い出に浸れるような恋愛を経験したことがありません(何の宣言?)。経験者と比べると何も理解できてないでしょう。共感という言葉ももちろん適切でないでしょう。
それでも、構成・演出的な面だけでなく物語としても心に残る大切な作品になりました。みんな生きて日々を過ごしていくんだな、日々を過ごしてきたんだな。過去があるから現在があるんだな。思い出もこれからも大切にしていきたいな。と思いました。

きっとこのnoteを読んで想像するより映画はもっと素敵に思えるはずなので、いつか機会があれば、見れたら見てみてください。

締め

今回もつらつらと長々と文字を打ち込んでいました。区切りとか箇条書きとか分かりやすい手法で端的にまとめたい気もありつつ、こうして思ったことをそのまま文字にしていくことしか今の私にはできないです。すみません。
最後まで読んでくださってありがとうございます。このnoteを書きながらもまた新しい映画を見に行っています。きっとまた配信でお話ししましょうね。

ひっそり一周年を迎えておりました。二十日スウリーでした。

2022.6.2 二十日スウリー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?